西宮浜義務教育学校の正式名称は、「西宮市立総合教育センター付属西宮浜義務教育学校」と言います。
平成25年度より、西宮市では「西宮型小中一貫教育」と名付けて、全市的に小学校と中学校の連携を強化してきたそうです。
(ただ、私も西宮で子育てをしてきましたが、実感することはできませんでした。まだまだ広報不足だと思います。)
そして、市立西宮浜小学校と西宮浜中学校は校区が同じということもあり、外国語教育などにおいて9年間を見通した小中一貫のカリキュラムの研究が行われていたと、教育委員会は本会議で明らかにしていました。
そして、平成30年6月議会の代表質問(←クリックするとコラム「西宮浜での小中一貫校の設置」が開きます。)では、石井市長が公約に掲げていた「小中一貫校の設置」について取り上げ、小中一貫校の魅力について質問をしました。
西宮浜義務教育学校を設置することになった経緯については、こちらのコラムもご参照ください。
そして令和2年度、まさにコロナ禍に突入し学校で一斉休校の措置が取られていた時期に、隣接していた西宮浜小学校と西宮浜中学校を統合し、西宮浜義務教育学校として開校しました。校舎等の外見はほとんど変わっていません。
コロナ禍で密を避けるために、入学式にも出席することが許されず、ひそかに開校せざるを得なかったというイメージでした。その半年後に開催された開校式に出席させていただきました。一番下にフェイスブックの投稿記事と写真を掲載しておきます。
市役所は何かを始めるときは躍起になって取り組みますが、その後はやりっぱなし。となるケースが大変多く、私はこうした行政運営を「お役所仕事」と呼んでいます。
そして、小中一貫校を開校したことで成功とするのではなく、開校したことによって教育環境が本当に良くなったのか、市内の子供、保護者から選ばれる学校となっているのか、追求し続けなければならないと考えています。
現在の西宮浜義務教育学校は、市内全域から通うことが可能な市内唯一の特認校であるにもかかわらず、現在も児童生徒数は減少の一途をたどっています。ですので現時点では、成功したとは言えない状況だと考えています。
この児童生徒数が伸びない原因の一つに、小学生が校区外から通うにはバスの利便性が悪く、毎日の通学がしづらいことが指摘されています。
だとすると、その不便を完全に解消するか、その不便を上回るだけの特色と魅力が求められます。
また、西宮浜義務教育学校の存在自体を知らない方もまだまだ多く、魅力が伝わっていないことも原因の一つと考えられます。だとすると、もっと広報を強化するだけで選ばれる学校になるかもしれません。
まだまだ、好転していない原因を分析し改善を積み重ねる必要があると感じています。
そこで、令和5年9月議会一般質問において、市立西宮浜義務教育学校の魅力の発信と通学の利便性向上について議論しました。
===本会議場での議論の概要===
令和5年9月議会一般質問
2.西宮浜義務教育学校について
ア)特色化の取組み
■質問の背景(田中まさたけ)
私は、市長が就任されました直後の平成30年6月に行いました代表質問において、市長公約でもありました小中一貫校について議論し、児童生徒数の確保や市内の教育の公平性の担保のためにも、校区外からの通学を可能とすることを求め、小中一貫だからこそ実現できる教育環境の魅力についてもお尋ねをいたしました。
その際には、
一つ目、小・中教員の乗り入れ授業による特に英語教育での効果、
二つ目、縦割り活動や異年齢交流、
三つ目、中1ギャップの解消、
四つ目、海に囲まれた立地を生かした教育活動
を期待される魅力として挙げられました。
そして、令和2年度、コロナ禍に入ったばかりの時期でしたが、校区外からの通学も可能な公立の特認校として、市立総合教育センター付属西宮浜義務教育学校が開校いたしました。
それから3年が経過がしまして、校区外からの生徒数は徐々には増えてはいるものの、西宮浜在住の子供の減少数が上回り、表2に示しましたとおり、開校前の小・中合わせた児童生徒数は507名、24学級でしたが、それから減少し続けて、令和5年度は384名、17学級になったと伺っております。
■質問1(田中まさたけ)
私は、学校の魅力は保護者や子供が外から見て分かりやすいものでなければ、わざわざ遠くの学校へ通学しようとは思えないと考えております。
そこで、部活動を特色化し、部活動の選択の幅を広げ、生徒の競技力、技術力を高められる環境を整備するとともに、高校の推薦枠を取り付けるなど、将来の進路も考慮した取組みも必要と考えますが、現在の西宮浜義務教育学校の特徴的な取組みをお尋ねいたします。
■質問に対する市教育委員会の回答
まず、現在の特徴的な取組みについての御質問ですが、西宮浜義務教育学校の特色の一つに、9年間を通じた外国語教育があります。教育提携先のワシントン州立大学教育学部から招聘した外国語指導助手が常駐し、1年生から9年生まで、発達段階に応じて外国語に触れ、親しみを感じる教育環境を整えています。
授業では、児童生徒が自ら英語で表現し、英語で伝え合う場面を大切にしています。
開校後4年目を迎えた9年生の全国学力・学習状況調査の英語に関する質問では、今まで受けてきた授業に関する質問について、スピーチやプレゼンテーションなど、英語で発表する活動が行われていたか、即興で自分の考えや気持ちなどを英語で伝え合う活動が行われていたかという質問に、当てはまると回答した生徒が、市内と全国の平均を大きく上回る結果が見られました。
コミュニケーションツールとして、人々と交流するための能力育成を図る取組みが行われてきたことが分かります。
また、英語の授業で学習したことが、将来、社会に出たときに役立つと思うか、英語の勉強が好きですかという質問でも、当てはまると回答した生徒が、市内と全国の平均を大幅に上回っており、児童生徒が間違いを恐れることなく外国語に親しみを感じ、主体的に取り組んでいる様子が分かります。
英語科教員の指導や外国語指導助手の重点配置によって、顕著な結果が表れており、西宮浜義務教育学校の特色の一つとして、今後も大切にしていくとともに、保護者へのPRに努めてまいります。
また、部活動につきましては、令和3年度と令和4年度にスポーツ庁の委託を受け、休日の部活動の段階的な地域移行に関する実践研究を行いました。地域スポーツ団体と連携し、教員と地域指導者の指導を受けながら部活動に取り組みました。
実践研究は終了しましたが、引き続き地域の方が指導している部活動もあります。また、義務教育学校ならではの取組みとして、5年生と6年生は月に1回程度ですが、部活動を後期課程の生徒と共に行っています。
■意見・要望(田中まさたけ)
まず、学校の特色として、外国語教育について御披歴いただきました。
どうでしょう、この中継を御覧になっていただいている方がどれぐらいいらっしゃるかちょっと分かりませんけれども、今の御答弁の内容を聞いて、西宮浜の義務教育学校に通わせたいなというふうに伝わったのかなというところは、なかなか私としても、何ともコメントしにくいなというところがございます。
ただ、国際化がますます進む中で、外国語教育というのはやはり大切なことだと思います。
私は、分かりやすい魅力というものをやはり打ち出したほうがいいだろうというところもありますので、それほど豊富な提案ができるわけではないのですが、この外国語教育の成果をしっかり発揮できる場面というのがあったほうが特色が分かりやすいと思います。
例えばですが、これ本当に例えばなんですが、2025年、本市は市制施行100周年を迎えます。
この周年行事などに国際的な行事を市内に誘致するようなことがもしできればその会場で。
また、この2025年は国際博覧会、大阪・関西万博も開かれますので、海外から西宮市に来られるような取組みをした場合に、こちらの生徒たちに英語の通訳ボランティアのような、そういった経験をしてもらう機会をつくってはどうかと考えます。
これも一例なんですけれども、目に見えて分かりやすい、そういった成果をお示しするのがいいんのではないかと私は感じました。
また、壇上のほうでは、部活動のことを申し上げました。
これもすごく分かりやすくて、私立に多いかもしれませんが、部活動に力を入れて魅力を打ち出しているという学校がたくさんあります。新聞報道で、大阪市では人口増加によって都市部に新たに設置する小中一貫校に、ICTの設備を活用したeスポーツなどの珍しい部活動を設置するという報道がございました。
本市におきましては、この義務教育学校の近くに西宮浜総合公園がございまして、こちらにはオリンピックの競技でありますスケートボードであったり、マウンテンバイクの練習場もあります。また、海に囲まれた環境ですので、マリンスポーツの練習も可能です。こうした環境を生かして、文化部も含めて、部活動にも特徴を持たせていただきたいと思っております。
是非、ご検討ください。
====本会議場での議論の概要====
市立西宮浜義務教育学校に関する質問は次回以降のコラムに続きます。
フェイスブックでの投稿
今年の4月に開講しました西宮市立総合教育センター付属西宮浜義務教育学校の開校式が行われました。
コロナの影響で、こんな時期になってしまいました。
西宮浜の歴史がわかる写真展も拝見し、見たことのない写真を見ることができました。
昼からは、月曜日に開催する民生常任委員会の正副委員長調整会議でした。