前回のコラムの続きです。
学校の体育施設のみならず、既存のスポーツ施設についてもまだまだ活用する余地は残されていると感じています。
令和6年9月議会一般質問では、具体的な種目として硬式野球を取り上げました。
競技人口からすると、サッカーやバスケットボールの練習場所に関する課題もあるのかもしれませんが、なかなか情報が少なく、本会議で取り上げるには至っていません。
硬式野球は、ボールが人にあたると非常に危険なため、現在、硬式野球の試合ができる市営野球場は、鳴尾浜臨海野球場と津門野球場に限定されています。
そして、その他の市営野球場では一切禁止されてきましたが、ニーズを勘案して門戸を開いていただき、平成27年度より、バッティングを除く練習だけではありますが、硬式野球も使用可能となりました。
令和6年9月議会一般質問では、小学生や中学生のスポーツ活動に対する支援として、中学生までの硬式野球については、試合もできる球場を増やしてもらうよう求め、市の見解を問いました。
===本会議場での議論の概要===
令和6年9月議会一般質問
1.子供の育ちのためのスポーツ・文化芸術活動について
イ)学校体育施設を含む施設の有効活用
■質問の背景(田中まさたけ)
次に、野球場の有効活用についてもお尋ねしておきます。
今年も高校野球の聖地であります甲子園球場におきまして高校生が多くの感動をもたらしてくれました。
その甲子園球場がある本市ですが、硬式野球の試合ができる公営野球場は、鳴尾浜臨海野球場と津門野球場のみとなっております。その他の市営野球場や多目的グラウンドでは、平成27年度より硬式野球に対しても門戸を広げられたことは評価をしておりますが、バッティングを除く練習のみの利用に限定されております。
■質問(田中まさたけ)
(その他の市営野球場である)甲子園浜野球場や高座山野球場は、外野の両翼までの距離が鳴尾浜臨海野球場と同規模となっておりまして、表1のとおり、稼働率も他の運動施設と比較すると低くなっております。
そこで、施設の有効活用の観点から、多額の費用をかけることなく工夫してファウルボール対策を講じ、一定の安全性を確保した上で、せめて中学生以下の硬式野球だけでも試合を可能とするべきと考えますが、市の見解をお尋ねいたします。
■市の回答
硬式野球の試合が開催できる野球場を増やしてもらいたいとの御要望は、多くの方々から頂いております。
しかしながら、甲子園浜野球場については、場外へボールが飛び出す可能性が高いため、フェンスの高さを大幅に高くするなどの改修工事が必要であり、中学生の硬式野球の試合は困難な状況です。
また、高座山野球場につきましては、フェンスの高さなど甲子園浜野球場と似通った状況ですが、これまでの使用状況と実績、立地場所を考慮すると、危険性は比較的低いと考えております。
今後、利用者に対し場外にボールが飛び出したときの安全対策を取っていただくなど、運用方法を研究し、中学生の硬式野球での試合開催が可能かどうか検討してまいります。
■意見・要望(田中まさたけ)
野球場の対応につきましては、一定の前向きの御答弁を頂いたと理解しております。ありがとうございます。
本日は、小・中学生に絞って質問をいたしましたので触れませんでしたが、硬式の女子野球につきましても、この試合使用も併せて引き続き既存施設の有効活用に向けて検討を進めていただきますように要望しておきたいと思います。
今回は質問としてはいたしませんでしたが、来年度より県立西宮甲山高校と西宮北高校が統合されまして西宮苦楽園高校となります。そして、西宮甲山高校は令和8年度をもって閉校する予定ですが、母校がなくなる卒業生の皆様の気持ちを考えたとき、せめて、まだ建築後40年程度しか経過していない施設、こちらはぜひとも残していただいて、市民に開放して有効活用してほしいとお考えの方は少なくないと思っています。
ですので、市内の体育施設の不足を補うためにも、県立西宮甲山高校閉校後のグラウンドや体育館などの体育施設を引き続き発展的に有効活用させてもらえるように、適切な時期に県に対して意思表示をしていただきたいと思っておりまして、市としての考えを今から整理して準備をしておいていただきたいと思います。こちらも要望しておきたいと思います。
====ここまでが、本会議場での議論の概要===
甲子園浜野球場での実現はかないませんでしたが、高座山野球場については検討するとの回答を得ました。
そして早速、令和6年11月から、高座山野球場においても、中学生以下かつ安全確保のための条件付きでバッティングを含めた硬式野球ができるようにしていただきました。今後の利用状況を見守りたいと思います。
また、令和8年度に閉校することが決定した県立西宮甲山高校の閉校後の対応については、在校生への配慮から兵庫県としてはまだ検討すらする予定がないとのことでしたので、今回は市の見解を問うこともしませんでした。
私は、在校生に配慮するということであれば、在校生やOBに意見を聞いてできるだけ実現してあげて欲しいと思いますし、学校が所在する市としての意思も兵庫県に対して早めに示すべきと考えています。
ですので今回は、本会議場において、多くの方からいただいているご要望として体育施設の有効活用について、市に伝えさせていただきました。
今後も動向を注視してまいります。