中央運動公園陸上競技場と中央体育館の改築ー平成20年3月議会一般質問

2008年5月10日[カテゴリ:スポーツ推進, 公共施設マネジメント, 質問

 前回コラムの続きとなりますが、今回コラムで掲載する一般質問の中で、市に対して訴えたかった内容としては、前々回のコラム(←クリックするとコラム「西宮市のスポーツ政策の明確化」が開きます)で掲載した内容が近いです。ご参照ください。

===本会議場での議論の概要===

平成20年3月議会一般質問

1.文教住宅都市におけるスポーツ振興政策について
ウ)施設の更新計画
■質問の背景(田中まさたけ)

 昨年、施設整備のあり方をスポーツ振興審議会に諮問し、昨年7月に答申が出されました。次期総合計画策定に向けてのアンケート調査によると、将来どのような施設が必要かとの問いに対して、総合的なスポーツ施設が約7.3%と、こちらも低迷しています。
 また、子育て世代が増加し、財政需要が増大している本市の財政状況を勘案すると、周辺自治体の施設、県立の施設や民間のスポーツ施設との役割分担も考慮しながら施設の更新計画を策定すべきですし、スポーツ施設の維持管理にも多額の費用を要することから、それ相応の施設の果たすべき役割を示さなければ、次期総合計画においても実施は困難と言えるでしょう。

■質問(田中まさたけ)
 平成21年度以降に先送りされた中央運動公園陸上競技場と中央体育館の改築について、震災前にあったプールの再開を含めて、建てかえた後の施設の目的、費用の概算、事業手法を改めてお尋ねします。

■教育委員会の回答
 平成18年度に行いました市民意識調査によりますと、希望するスポーツ施設といたしましては、屋内温水プールが最上位であり、トレーニングジム、フィットネスクラブなど個人で利用できる健康志向の施設に対する要望が多く見られました。
 また、中央運動公園陸上競技場と中央体育館につきましては、老朽化した施設状況や機能を考えますと、建てかえ整備が必要と考えておりますが、これには多額の財源も必要となります。
 ちなみに、第3次総合計画の平成10年当時の要求額といたしましては、新陸上競技場建設事業として約15億1,000万円、新体育館等整備事業として約92億7,000万円、合計107億8,000万円の事業費を想定しておりました。

 今後の具体的な施設整備を検討するに当たりましては、法改正や陸上競技場の公認基準の改正もあり、大きく状況が変化しております。

 このようなことから、御質問にありますこれまでの経過や市民意識調査の結果、スポーツ振興審議会の答申なども踏まえ多角的に検討する必要があり、市の重要課題として現在も議論中でございますが、施設の内容はもとより、場所、手法、時期などにつきまして、次期総合計画の策定作業の中で慎重に検討してまいります。

■意見・要望(田中まさたけ)
 こちらも財政負担が第3次総合計画の策定時のときは107億円でしたとのことでした。
 これをそのまままた検討したとしましょう。
 そして、おそらく事業費はもっと上がるのだと思いますが、仮にこの事業費で、国の補助金なしで再整備したとして、全額起債で30年償還で整備したとしましょう。金利は抜いて考えて、47万市民で割ると、年間1人当たり800円の負担が必要になる計算となります。

 「古くなったから建てかえますわ」という姿勢は、もうやめてください。

 市民、これ赤ちゃんからお年寄りまで、1人800円となります。
 「その800円を下さい。」と、本当に今のままで言えますか。

 「この施設を建て替えて、こういうことをしたいので、800円下さい。」と具体的に言えますかということが、今回問題にさせていただきたかったことなんです。

 この部分をしっかり考えなければ、次期総合計画に建替えができるかというと、ちょっと厳しいと思います。
 すでに、(第3次総合計画で実施しなければならなかった事業のうち、)総額280億円分の事業を次期総合計画期間中へと繰り延べてます。自主財源で約100億円が必要になるという中で、これ(中央運動公園陸上競技場と中央体育間の建替え)の優先順位が高くなるとはちょっと思えないので、その辺をしっかりと検討してくださいということです。

 また、先日の川畑議員からの質問の中で広告事業のお話がありましたが、例えばスポーツ施設を使って広告事業を実施するといったときの財源や収益に関しては、スポーツ振興の基金に積み立てていますが、こちらのほうは最近ずっと動きがありません。ずっと3,700万円ぐらいで推移しています。
ほとんど活用できていません。
 こうした基金に貯めて、財源をつくって、施設を使ってこうした政策目的を達成しますということを明らかにして、検討してもらいたいと思っています。
 今の無策のままではなかなか厳しいと思いますので、そういう工夫を要望しておきます。

===ここまでが本会議場での議論の概要===

 阪神淡路大震災の避難所にもなった中央運動公園陸上競技場と中央体育館は、老朽化が進み、平成20年度までの第3次総合計画の中で建替えが計画され、次期総合計画の中で建替え事業が進められる予定でしたが、財政難の影響で計画が見直され、次期総合計画期間中に検討されることになっています。

 しかし、既存施設を古くなったら、当たり前のように建替え計画が実施されるかというと、そのような時代ではなくなったと認識するべきだと思っています。

 中央体育館も陸上競技場も、なくてはならない施設だと思っていますので、今後も重点的に取り組期待と考えています。

記事一覧