アサヒビール西宮工場跡地について

2012年2月2日[カテゴリ:都市計画

アサヒビール西宮工場が徹底するというニュースが突如流れて
1年半が経過しようとしています。

東日本大震災の影響で、
撤退時期は1年延期されて、
現在のところ、今年の夏の閉鎖となる見込みです。

当然のことながら、撤退表明前から、
アサヒビールさんにも自分の土地の(利用)計画があると考えるのが普通です。

そのようななかで、
現在、市は、アサヒビールに対して跡地活用に関する提案書を提示しようとしていまして、
市が40%近く買いたいとの意思表示をしました。
そして、そこに、多目的・防災公園、中央病院、中央体育館、西宮消防署、共用駐車場、南北道路・駅前広場を建設するという内容でした。

仮に土地を買った際の活用方法として、
中央病院の移転先とすることは、
先月の病院問題特別委員会で表明され、
他の公共施設の移転建替え計画も含めて
その際の病院問題特別委員会において、
1月中に案を提示するという市からの回答があったところでした。

その案の提示が 総務常任委員会においてありましたので、
病院問題にも密接に関連することから、その内容について、午前中だけですが傍聴しました。

市の中心部の土地が10万平方メートルも用途が変わろうとしているわけですから、
市が買うことの是非も含めて、将来の西宮のまちづくりのために集中的に議論し、
都市計画すべき重要なものだと考えています。

そして、今のところ
1.アサヒビール側もまだ市に対して土地をどのように処分するのか、何の意向も示していないという状況。
2.市が仮に土地を一部買って、上述の公共施設を建設するとしたら、
土地購入と建設費で概算総額240億円(市の一般会計の予算規模は約1600億円) ということは示されたものの、
それだけの莫大な事業を何年ぐらいかけて実施するのか、
はたまた、一機にやってしまうのかなどは不明。
3.財源をどのように捻出するのか、(今実施している事業の取捨選択が本当にできるのか)
そして、維持管理コストは現在と比べてどのように変わるのか不明確。
4.そもそも、 中央病院の移転も、まだ正式決定していない。
⇒経営改革実現のためには、徹底的な人件費改革が必要であり、
「経営改革について職員組合と交渉がまとまらなければ、移転はない」という姿勢を市も示しています。

ちなみに、 昨年9月議会の特別委員会病院問題分科会での決算審議において、
「今すぐ、経営改革に乗り出すべき」という内容の議会発の決議を可決しました。
昨年下半期に このブログを更新していない間に色々あったと書いたうちの一つです。

そうした状況から、 中央病院の移転先が西宮北口であるというニュースが流れたり、
アサヒビール西宮工場跡地というニュースが流れたりしていますが、
いずれも、まだ全くの不確定事項であり、検討している状況です。

しかし、 正式に交渉事がまとまり始めると急速に動き始めると思われます。
また、土地の売買が絡むことですから、迅速に対応しなければ、機を逸します。(もうすでに遅いですが。)
予算を審議する議会は、これからの速さに着いていかなければなりません。

と色々書きましたが、いずれにしても、今日の傍聴でわかったことは、
現段階では、市民の意見を聞く(議会の意見も含めて)という段階であり、
まだ何も具体的なことは決まっていないということです。

中央病院の移転(「西宮市新病院基本構想(素案)」)に関するパブリックコメントが、現在実施されています。(今月10日締切)
そして、今回公表された「アサヒビール西宮工場跡地における公共施設整備の基本構想(素案)」もパブリックコメントを実施するそうです。
予算規模からいっても、影響する市民の数からいっても、
特に重要な案件だと思っていますので、これを機にどんどんと意見表明をして下さい。

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