前回コラムの続きとなります。合わせてごらんください。
協働の促進につきましては、平成17年9月議会一般質問(←クリックするとコラム「ボランティア登録制度の創設を」)におきまして、ボランティア登録制度(コーディネート機能)とボランティアポイント制度の導入を提言していました。
その際に、西宮市は、ボランティアポイントの付与については「研究する」と消極的でしたが、ボランティア登録制度については「検討する」と前向きの回答をしていました。
それから5年が経過し、西宮市参画と協働の推進に関する条例が施行され、改めて今回、その検討と研究の進捗を確認しました。
====本会議場での議論の概要====
平成22年6月議会一般質問
1.協働の取り組みの促進について
ア)協働事業提案制度の課題と協働の意義
■質問の背景及び質問1(田中まさたけ)
今後、協働の取り組みを広めるためには、市民などの参加を促進するさまざまな仕組みが必要と考えます。平成17年9月議会において、総合的なボランティア登録制度及び各事業とのコーディネート機能の創設を提言した際には、「検討する」との御答弁をいただいておりましたが、こちらも、はや5年が経過しようとしています。改めて検討の進捗状況をお聞かせください。
■質問1に対する市の回答
今後、協働事業を広げるためのボランティア登録制度ついてですが、協働の取り組みにおいては、市民等が主体的に活動するボランティアの方々が活発に関わることで、一層の推進が図れると考えております。
本市のボランティアの登録制度につきましては、社会福祉協議会のボランティアセンターにおいて、福祉分野のボランティア活動のコーディネートを行っております。しかしながら、この分野以外の活動については、整備できておりません。
なお、本年10月より、市民局では、団塊世代支援事業の中で、ボランティア等市民活動に興味のある市民の方々に対して、NPO法人やボランティアグループ等を紹介して、その活動を一度体験していただく市民活動コーディネート事業の実施を予定しております。
現時点では、この事業はあくまで市民活動の体験のみをしてもらうことになっておりますが、今後は、この事業に取り組むことによってボランティア登録制度の導入やボランティア活動のコーディネートが進むのではないかと考えております。
■質問2の背景(田中まさたけ)
国が導入したエコポイントや、本市でも行っているEWCのエコカードの効果から窺えるように、ポイントを付与することで政策や活動を促進する効果があるものと私は考えております。
一昨年の2月に視察致しました東京都の稲城市において始まった介護ボランティアポイント制度は、介護予防に主眼が置かれた制度でありますが、開始当初はさまざまな批判があったそうですが、今や全国的に広がりつつあります。
また、市川市や福山市、逗子市などでは、身近なボランティア活動や環境保全活動に対して、公共施設の利用割引券などとの交換が可能なポイントを付与することで、地域貢献活動への参画を促進する取り組みが試験運用も含めて実施され始めております。
■質問2(田中まさたけ)
介護ボランティア制度については、次期介護保険計画の策定に向けて別途本格的に検討されるべきものであると私は考えておりますが、本日は、協働の取組みを促進するにあたって、ポイント付与による政策促進の効果や制度の創設についての市の見解をお尋ね致します。
■質問2に対する市の回答
協働事業を広げるためのボランティアポイント制度につきましては、市川市や草加市などで実施されておると聞いておりますが、本市にとってどのように活用できるのか、関係部局と連携しながら調査研究してまいりたいと考えております。
■意見・要望(田中まさたけ)
市民参加の促進ということで、今年の3月にアンケートの調査報告書もいただきました。
(条例の施行について)かなり認識をしていただいているとも受け取れましたが、今回の協働提案手続に、昨年度手を挙げていただいた件数が12件、パブリックコメントも実際には数件(1件だけ非常に多いものもありましたが)寄せられていないと、まだまだ一部の方しか参画できていない状況だと私は感じています。
協働に関して、もっと市民が参画してみようと思うような仕組みを考えていかないといけないのではないか思いまして、平成17年に、そのときも協働の議論をしたのですが、まず、どこかでボランティア活動をしたい方が、どこに行ったらいいのかという状況をまず解消するのがいいと思いまして、このボランティア登録制度と、登録していただいた方に対して各事業を紹介してコーディネートしていくという機能があったほうがいいと提言しました。
それから5年が経過した今年、その取り組みが、まだ体験という形ということでしたが具体的なご答弁がありました。それをさらに発展させて、ボランティアをしたいという市民の皆さんの気持ちを受けとめられるような仕組みを構築していただきたいと思います。
もう一つ、ポイント付与の件ですが、ボランティア=無償というイメージがありますので、これはそのとおりだと思いますが、ポイントを付与するというのは、参加賞のようなイメージになるかと思います。
自治体によっては、地域で使える通貨を発行している事例がありましたが、最近では、IT技術も発達しまして、ポイントカードのような形で、商業振興、市内の商店の活性化につなげるようなところに派生させて、地域に貢献していただいたらポイントを付与する仕組みができるのではないかと考えました。
そうした仕組みを実現するにあたっての課題等を今日は聞かせていただきたいと思ったのですが、調査研究という御答弁でした。
いろいろ難しい課題はあろうかと思いますが、条例を制定して、参画と協働のまちづくりを進めていこうということですから、介護ボランティア制度とは別の制度にはなりますが、そうしたことも含めて、是非とも新市長にはチャレンジをしていただきたいと思います。要望しておきます。
====ここまでが本会議場での議論の概要====
ボランティアポイントについては、5年前に「研究する」と回答しておきながら、協働の取組みを促進するにあたってのポイント付与による政策促進の効果に対する見解を述べることなく、いまだに他市の事例を「調査研究する」という回答でした。
つまり、「研究する」という市の回答は、「実施する気はない」と言っているに過ぎないことが分かります。
それであればせめて、本会議場での答弁では、実施しない理由くらいは示すべきだと私は考えます。
ボランティアのコーディネート機能については、5年間の検討の末、市民活動コーディネート事業の実施を予定しているとの具体化しようとしていることが分かりました。
まだ、この事業がどのような発展をするか未知数ですが、動向を見守りたいと思います。