防災対策について③-防災マニュアルの作成

2012年3月13日[カテゴリ:質問, 防災対策

防災対策について②の続きです。
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私のことを熱心に応援して下さっている市民から、阪神淡路大震災の後に市民向けの災害時行動マニュアルが配られたという情報とともに実物を提供して頂きました。
私は、1999年に西宮に引っ越してきましたが、マニュアルの存在を初めて知りました。これから転居してこられる方のためにも、改めて、情報を刷新して作成する必要性を感じ、一般質問で取り上げ、実物を本会議場で紹介しました。

=======本会議場での議論の概要========

平成23年12月議会一般質問
1.安心・安全のまちづくりについて
「ア」防災対策
(マップ付き「防災マニュアル」の作成)
■田中の主張
また、
表に示しましたが、
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過去の巨大地震の年表を見たときに、100年に一度とか、1,000年に一度、また発生確率とか、そういった数字は余り当てにならず、いつ巨大な地震が起きてもおかしくないと思うほうが正しいということが確認できます。

津波被害のみならず、阪神・淡路大震災の教訓も生かして、海溝型の地震のみならず、近隣での直下型の地震にも備えなければならないという思いを強く抱きます。
 
また、地域防災計画は、一般の市民の方は目にしないものと想定すべきであり、もっと読みやすく、各家庭に1冊配布できる程度のマニュアルが必要であると考えます。そして、発生場所や発生の時間帯など、様々な条件を想定して、繰り返し防災教育や訓練を行う必要があると考えます。
 
■質問4
市民向けに小学校区単位ぐらいの地域別のハザードマップつき防災マニュアルを作成、配布し、自主防災組織での訓練等に役立てるべきと考えますが、市はどうするお考えなのか、お尋ね致します。

■質問4に対する市の回答
防災マニュアルを作成、配布についてでございますが、本市では、地域住民がみずから住むまちの災害危険箇所や安全な箇所を認識するため、まちの細かな災害情報を自分たちの手で作成し、自分の命は自分で守る、あるいは地域で守るという防災意識や地域防災力の向上と啓発を進めております。概ね小学校単位で作成する地域防災マップの作成は、平成18年度から現在まで、津波や洪水の浸水が予想される五つの地区で取り組んでいるところであります。また、これら五つの地区のマップにつきましては、新たな災害想定をもとに修正を加えることとしております。今後、地域防災マップを地域の防災訓練で活用するとともに、全市域を対象に地域防災マップの作成に取り組んでまいります。

■まとめ・要望
防災マニュアルについてですが、地域防災マップと市は呼んでいるそうですが、答弁では、平成18年から作成に取り組み始め、地域の方々とともに、小学校区ごとに作っているとのことでした。5年が経過した現在で5地区しか完成していないということで、1年に1地区のペースと計算しますと、本市には40小学校区がありますので、すべてが津波対策ではなく、直下型を想定したものなど、地区によって変わってくるかと思いますが、現在、市が目標としている全地区に、地域防災マップを作ろうと思えば何十年もかかるということになります。仮にペースを上げたとしても、住民さんとともに作るものですから、一定の限界があると私は思いました。

この地域防災マップの作成の目的ですが、もちろん、いざというときに避難行動のマニュアルとなるものだと思いますが、主に、マップづくりに参加した住民さんの防災意識の向上という目的が強く、そういった面では非常に有効な取り組みであるとは思います。
しかし、実際に多くの市民(マップ作りに参加していないほとんどの市民)にとっては、本当に役立つ防災マップになるのかといえば、時間の問題からしても、少し違うのかなと思いました。

今、必死で津波避難ビルの指定をお願いして回っているということで、その努力は、評価できます。しかし、せっかく指定したビルが、どこにあるのかわからないとか、自分の家の近くのどこにあるかわからないようでは困ります。また、走って逃げられる人は、津波避難ビルに行かなくても、想定としては(津波到着まで)2時間あるわけですから、より遠くに逃げていただく方がいいと思います。より遠くに逃げられない人のための津波避難ビルがあって、そうした人たちのためにそのビルは空けておいてもらいたい。ですので、できるだけ遠くに逃げて欲しいというようなことが、そのマニュアルで広報されていたほうが私はいいと思っておりまして、迅速に対応されるべきだと感じています。

昔からお住まいの方に、こういった防災マニュアルがあったという情報と実物を頂いたのですが、こんな立派なものをいきなり作ってほしいとは言えないところではありますが、簡単なことでも、日頃意識できていなければ、いざというときに行動に移せないのではないかと思っております。

地域防災計画は、市の行動マニュアルという性質もございまして、一定の時間を要するということは理解をしておりますが、兵庫県が、暫定的なものですが、ハザードマップ、浸水予想図を作りましたので、それらを付けて、「市民向けの行動マニュアル」を作成して配布して頂きたいと思います。
これは時間をかけずに作っていただきたい。市政ニュースで先日広報されていましたが、その保存版みたいな形で作ってはどうかと私は思いました。
 
私自身が、阪神・淡路大震災の時の地震を大阪で経験しまして、西宮では体験しておりません。その年に、私は大学に入りまして、ちょうど被災した神戸に住む友人から、体験談を聞かせてもらい、実際に家を見せてもらったりしました。私自身がそうなのですが、最近の西宮市の人口増加、また、17年が経過しているということを鑑みると、そういった被災体験をしていない市民が、かなりいらっしゃると思います。
ですので、改めて地震、津波に対する対策を、しっかりと意識づけできるような形で、迅速に対応しなければいけません。そういった意味合いで防災マニュアルの作成をお願いしているので、そうした情報をきっちり意識づけできるような形で広報して頂きたいと思います。

======ここまでが本会議場での議論の概要========

私が必要性を主張している避難行動マニュアルは、市の回答にある「概ね小学校単位で作成する地域防災マップ」とは異なるものです。今後も、作成を求めていきたいと思います。

次のコラムでは、避難訓練の形骸化に関する議論について掲載します。

追記(提案が実現)。
平成26年度に、市内を3地区に分けた防災マニュアルが作成され、全市に配布されました。
市政・市議会報告41号に掲載し、市民の皆様に報告しています。クリックしてご参照ください。

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