甲子園球場があるまちとしてー平成25年6月議会一般質問

2013年8月8日[カテゴリ:スポーツ推進, 質問

 スポーツ推進政策については、平成20年3月議会でスポーツ振興に関する基本計画を、西宮市でも策定して、この計画策定を通じて、政策目的や将来ビジョンを示すことを提案しました。

 その後、平成23年6月に国会で、スポーツ基本法が制定され、自治体でもスポーツ推進計画を策定する努力義務が規定されました。

 努力義務ということで、法律では策定することが義務とはなっていませんでしたが、西宮市でもスポーツ推進計画を策定することとなりました。法律で努力義務となっている場合は、西宮市ではやらないことが多いイメージでしたが、今回の西宮市の判断を高く評価しています。

 提案から5年が経過して実現することになりました。

 しかし、計画の策定は目的ではなく、あくまでも政策目的を達成するための手段です。
 これからは、計画の中身を精査し、目的の達成に向けて取り組む必要があり、そのためには、まず、多くの市民がスポーツに取り組むための環境整備が重要であると考えています。

 市民がスポーツに取り組むためには、当然のことながら、活動場所が不可欠となります。

 そこで、都市化が進み、住宅が増えるにつれて、その場所の確保が難しくなっていることから、平成25年6月議会一般質問において、日ごろ、市民や関係者から課題や情報をいただいている「野球」を取り上げて、練習場所の確保について議論しました。

===本会議場での議論の概要===

平成25年6月議会一般質問

2.スポーツ推進について
(スポーツ施設の整備のあり方)
■質問の背景

 今からもう5年前となりますけれども、こちらも平成20年3月議会におきまして、スポーツ振興の目的や方向性の明確化について質問し、一層の推進を図るために、スポーツ振興基本計画を策定することを提言致しました。
 その後、平成23年にスポーツ基本法が成立したことをきっかけに、西宮市でもようやく昨年度からスポーツ推進計画の策定に着手され、先般、スポーツ推進審議会において計画の概要が示されました。

 また、今年度には、文教住宅都市宣言50周年を記念して、にしのみやスポーツフェスタも開催されます。
 
 本市では甲子園球場があるまちということをしきりにPRしておりますが、甲子園球場のある文教住宅都市として、子供たちの野球の競技力の向上に対してもっと支援するべきであると考えております。

 そして、特に学校の耐震化や施設更新が相次いでいる現在、少年野球の練習場所の確保に苦労している地域の指導者の意見を伺う機会が増えております。
 そのような中、現在は、スポーツ施設の稼働状況や抽せん倍率について、曜日や利用時間ごとの状況がわからず、どの程度不足しているのか客観的な現状分析ができていません。
 また、限られた財源の中で施設の老朽化対策すらままならない状況の中で、新たな施設を整備していくには財政的に限界があります。
 よって、既存の学校体育施設の一層の活用、学校のグラウンドの夜間利用に向けた環境整備や、しばらく利用する見込みのない公共用地を暫定的に活用するなど、行政の努力が必要と考えます。
 
 また、昨年、市民文教常任委員会の管外視察において、さいたま市のスポーツ振興まちづくり条例と計画について研修してきました。その計画の中では、財政的な観点から、市所有の未利用地、遊休地を暫定的に簡易の整備をして多目的広場として活用したり、小学校に夜間照明設備を整備するなど、市民がスポーツをする環境整備の方針が示されております。
 
 本市では、平成23年度に実施されました運動・スポーツに関するアンケート結果によると、裏面の図3のとおり、気軽に使えるスポーツ施設を増やしてほしいという意見の割合が、前回の平成18年度の結果を大きく上回り、約40%から約62%に増加しています。そして、体育館以外にあればよい施設については、45.5%の方が多目的運動場とお答えになっています。

■質問1(田中まさたけ)
 野球の練習ができるグラウンドの不足を補うために、一層の学校の活用や、長期間利用される見込みのない公共事業用地の暫定的な利用などを検討するべきと考えますが、市の見解をお尋ねいたします。

■教育委員会の回答
 現在、市内には、市の野球場が、甲子園浜野球場や津門中央公園野球場など、全部で7カ所9面ございます。土曜・日曜・祝日には、市内の各野球場で多くの大会や練習が行われており、高い稼働率となっております。
 また、山口町多目的広場など公共用地の暫定利用につきましては、可能な限り実施しており、市民の皆様に御利用いただいておりますが、新たな場所の確保については困難な状況でございます。そのため、今後、既存の体育施設以外の施設といたしまして、学校体育施設の利用状況を集約するとともに、活用の可能性と課題の把握に努めてまいります。

■質問2(田中まさたけ)
 平成19年には、スポーツ振興審議会より公共スポーツ施設の整備のあり方について答申が出されております。スポーツ推進計画にその内容を反映しなければならないと考えますが、計画を策定する中で、施設整備、維持管理に関して、市は今後どのような取り組みを考えているのか、お尋ね致します。

■教育委員会の回答
 平成19年のスポーツ振興審議会答申を踏まえたスポーツ推進計画における施設整備や維持管理の取り組みについてお答え致します。
 スポーツ推進計画につきましては、平成23年8月に施行されましたスポーツ基本法第10条において、都道府県及び市町村の教育委員会は、国の策定したスポーツ基本計画を参酌して、その地方の実情に即したスポーツの推進に関する計画を定めるよう努めるものとされたところでございます。

 本市におきましても、今後10年間を見通したスポーツ推進に関する基本的な考え方や主な施策の方向性を示す西宮市スポーツ推進計画について、今年度中の策定を目途に作業を進めております。
 スポーツ施設の整備につきましては、平成19年6月にスポーツ振興審議会で公共スポーツ施設の整備のあり方についての答申が出されており、このたびのアサヒビール西宮工場跡地でのプールを備えた新中央体育館の整備に向け、用地の確保などの取り組みを計画の中に盛り込む予定でございます。
 また、その他体育施設の老朽化対策などの維持改修につきましては、市長事務部局とも協議しながら、中長期修繕計画に基づき、安全・安心に施設を利用していただけるよう、計画的、合理的な修繕を推進してまいります。

 その他、本年夏にオープンいたしますひょうご西宮アイスアリーナにつきましても、市民がウインタースポーツに触れる機会やスケートを通した交流、健康増進の場としての活用方策を検討するなど、市の体育施設以外の施設の活用を通したスポーツ推進にも努めることとしております。

■意見・要望(田中まさたけ)
 私は、スポーツ振興に関して、これからどういった方向性で進めていくのかということを計画の中でも示していただきたいと思っております。
 これはいろいろな考え方があると思いますので、行政としては各競技満遍なく推進を図らなければいけない、それは重々理解しているつもりです。
 それを前提に、「甲子園球場のあるまち」をPRしているこの西宮市においては、「甲子園球場に近いんだけれども遠いまち」みたいなイメージを持たれるのは好ましくないと思いますので、野球にもう少し力点を置いていただいて、競技力の向上や野球選手の育成のための環境整備に努め、野球というスポーツを都市ブランドの一つとして確立するのがいいと思っております。
 
 スポーツ環境については、スポーツ推進審議会のほうで随時検討していただいていると聞いておりますので、そうした観点を審議会のほうでも検討していただいて、結論を見せていただければと思います。

 西宮市のスポーツ推進計画は、おそらく平成26年度から約10年間の計画になると思っておりますが、施設については、アサヒビール西宮工場の跡地に、プールを備えた新体育館の整備を盛り込むことを考えているというお答えをいただきました。
 アサヒビールの西宮工場の跡地の取得がまだ明確となっていない状況ですので、この取得の有無によっては大きな影響を受けるとは思っております。

 そうした中、随分前からスポーツ振興審議会の答申の中でも触れられておりましたが、隣の陸上競技場も老朽化しておりますし、また、陳腐化しております。こちらも早期に建替えが必要である、再整備が必要であると考えております。スポーツ振興計画に整備の方針を示すべきであり、また、財源の問題もあると思いますでの、民活の手法、(効率的な)整備手法等も検討しながら、この計画の期間内に方針が示されるように努力をお願いしたいと思います。

 また、施設につきましては、新しく何かつくるということは、公共施設マネジメントを実施する中でも非常に厳しいということは理解をしております。
 そして、既存の施設、特に(小)学校の体育施設については、現在、土、日については、スポーツクラブ21がかなり利用されていると思われます。
 グラウンドの利用状況の把握、利用方法の検討については、結果を見てみないと分かりませんが、もし学校のグラウンドに余裕がないということになれば、施設が不足していると言われている中で、「どうするか」ということを考えていただきたいと思っています。
 学校体育施設を夜間に利用するための環境整備も検討しなければいけないと思いますし、市内の公園、一定の面積を備えた公園も、危険な球技については禁止されているというような状況にありますので、(フェンスを設置するなどの対応をして)こうしたところをもっと活用できないかということを、環境局と連携しながら、検討していただきたいと思います。

 既存のものを使うしか方法がないということですので、その点、行政の努力をお願いしたいと思います。

===ここまでが本会議場での議論の概要===

 一般質問の議論は続きますが、長くなりましたので、次回以降のコラムで掲載いたします。

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