前回コラムの続きです。
前回コラムでは、市民がスポーツに取り組むためには活動場所が不可欠であり、活動場所の確保の方針について、策定中のスポーツ推進計画に盛り込むことについての議論を掲載しました。
一般質問では、場所のことだけではなく、チームであったり、団体であったり、大会等を運営するための人、組織も重要であると考えて、議論しましたので、今回掲載します。
もちろん、一人でジョギングやウォーキングをすることもでき、スポーツ推進という面では効果はあります。しかし、大半の競技は一人ではできないスポーツであり、市民がスポーツに取り組むための組織が重要であると考えています。
兵庫県では、県民が豊かなスポーツライフを実現し、スポーツを通した地域コミュニティづくりを進めるため、平成12年度から法人県民税の超過課税を財源として、全県下の小学校区に地域スポーツクラブを設置する支援事業が展開されました。
そして、西宮市では現在、全小学校区にスポーツクラブ21が設置されて活動されており、スポーツクラブ21でスポーツに取り組む市民は、会費を支払って活動しています。
しかし近年、西宮市では、この会員数が減少の一途をたどっています。
そこで、平成25年6月議会一般質問で、スポーツクラブ21の会員数の増加を図るための取り組みについても議論しました。
====本会議場での議論の概要====
平成25年6月議会一般質問
2.スポーツ推進について
(スポーツクラブ21の会員数の減少)
■質問の背景(田中まさたけ)
こちらは、資料の表2のとおり、平成17年度に全ての小学校区でスポーツクラブ21が設立され、その平成17年度の会員数1万6,899人と比較して、平成24年度は1万3,843名となり、会員数が大きく減少しています。
この会員数の減少を食いとめなければ、財政的自立を前提に設立されたクラブの存続すら危ぶまれる事態になりかねません。そして、子供の体力向上、大人の健康保持、障害者や高齢者の社会参加の観点から、市としてもっと積極的にスポーツクラブ21の役員や指導者、会員から意見、要望を聴取しながら、実効性のある支援をしなければならないと考えます。
■質問3(田中まさたけ)
スポーツクラブ21の会員数の減少の原因をどのように分析し、今後どのような対策を講じるお考えなのか、お尋ねいたします。
■教育委員会の回答
スポーツクラブ21の会員数減少の原因分析と今後の対策につきましては、地区体育振興会からスポーツクラブ21に移行いたしました平成17年度の会員数は1万6,899人でございましたが、24年度では1万3,843人となり、3,056人の減少となっております。
平成23年度に実施いたしました運動・スポーツに関するアンケート調査結果からは、好きな時間に個人で気軽にできる運動をする人が多い状況がうかがえ、バレーボールやソフトボールなど、集団で活動する種目の多いスポーツクラブ21への加入が促進されにくい状況となっていることが、会員数減少の原因と考えられます。
そのような状況の中、各スポーツクラブ21では、会員の確保のため、参加しやすい種目を増やしたり、親子や一般の参加を促し、スポーツクラブ21の周知にもつながる地区運動会を開催したりするほか、スポーツクラブ21の広報紙を発行し、地域で配布するなどの工夫を行っておられます。
教育委員会といたしましては、スポーツ推進計画の策定において、会員数の減少した原因の分析を進めるとともに、それに対する施策をまとめてまいります。
その一つとして、就学前の子供が体を動かした遊びに取り組む習慣などを身につけ、体を動かすことの楽しさを知り、小学校に入っても運動を敬遠することのないよう、親子体操教室などを充実させるための施策が必要と考えております。
また、魅力的な活動を行っている地区の実践内容の紹介や、他の地区との交流を促し、活性化につなげるなど、スポーツクラブ21に対するさまざまな支援を今後も継続し、会員数の減少に歯どめをかける方策に取り組んでまいります。
■質問4(田中まさたけ)
この項目の最後に、地域や大学、民間事業者との協働も含めて、市は、今後、スポーツ推進計画を策定することでスポーツによるまちづくりをどのように進めていくお考えなのかお尋ねいたします。
■教育委員会の回答
最後に、4点目のスポーツ推進計画における大学や民間事業者との協働も含めたスポーツによるまちづくりについての御質問にお答えいたします。
大学や民間事業者との協働事業といたしましては、関西学院大学の学生による小学生へのサッカーなどのスポーツクリニックや、JTマーヴェラス女子バレーボールチームによる小学生バレーボール教室などを開催いたしております。
スポーツ推進計画におきましては、さらに、アスリートを抱える企業や大学等との連携を進めるほか、市内に有する企業や大学等の人材やスポーツ施設など、ソフト、ハード両面の資源を掘り起こし、公共と民間とで横断的に活用することにも言及する予定でございます。
また、本市のスポーツ施設の利用状況やスポーツ施策の現状と課題を踏まえ、今後の取り組むべきスポーツ推進の方向と具体的施策をまとめてまいります。
今後、スポーツ推進計画でまとめられた施策を着実に推進していくことで、青少年の健全育成はもとより、スポーツに関心を持つ市民の裾野を広げ、少子高齢化の進行する社会においても、健康で長生きできる、スポーツで心身ともに豊かなまちの実現に努めてまいります。
■意見・要望(田中まさたけ)
スポーツクラブ21につきましては、るる御答弁いただきましたが、これまでの取り組みでは効果が上がっていないというのは数字が示しております。ぜひとも、関係者の御意見をいただきながら、取り組みを進めていただきたい、効果を上げていただきたい、会員数を増加していただきたいと思います。
===ここまでが本会議場での議論の概要===
スポーツクラブ21の会員数は、8年間で約3800人、2割も減少してしましました。
しかしこの間、各地域では会員確保のための努力がなされていたことが市の答弁の中で披露されました。
今後は、広報の中で、スポーツクラブ21等の団体に加入して、スポーツに取り組む意義やメリットについても伝える必要があると感じました。
今後も、提案する政治姿勢を貫き、市民との対話によって得られた情報をもとに、具体的な提案をしながらスポーツ推進について取り組んでまいります。