前回のコラムの続きです。
第4波の検証結果の中で、保健所職員の勤務状況や健康管理については触れられていませんでした。
そこで、健康福祉常任委員会では、保健所の機能を維持する上で最も重要な職員の状況について確認し、今のうちに第6波に備えてもらえるよう提言しました。
====健康福祉常任委員会での議論の概要====
令和3年9月13日健康福祉常任委員会
保健所の職員さんの勤務状況が気になっております。職員の皆さんの超過勤務の状況はどうなっていますか。
■保健所副所長の回答
職員の超過勤務の状況につきましては、月80時間を超えるような超過勤務をしている職員が複数いるという状況はございます。細かく何人がということは今数字を持ち合わせておりませんが、現状としてそういう職員がいるという状況でございます。
■質問(田中まさたけ)
超過勤務が月に80時間というと相当だと思います。プラス、そこまでに至らなくても、近い状態の方がたくさんいらっしゃるのではないかということで、その状況が詳しく分かるようであれば教えて頂けたらありがたかったのですが。
第6波に対する備えとして、保健所の皆さんが壊れてしまったらもう機能しなくなりますので、このタイミングがいいのかどうかというのはちょっと難しいところだとは思いますが、ほかの部署の方々から応援を頂いている中で、保健所の職員の方に少し休んで頂くというようなことができないものなのでしょうか。
■健康福祉局長の回答
委員御質問の職員の健康管理、超勤問題につきましては非常に重要なことと考えております。
人事課のほうとも連携しまして、超勤時間が多い職員などは必要に応じて保健所内での人事異動も含めて対応はしているところでございます。
また、担当する業務が多いために超過勤務が増えるわけでございますので、そのあたりについては、その持っている職場、担当する部署に、委員おっしゃるように庁内から応援職員を派遣して、担当する職員の超勤負担をできるだけ減らし、健康管理に努めているところです。
また、併せまして、個別に保健所長、副所長をはじめ職員に面談を行っておりまして、健康管理について状況の変化をきちっと把握しながら、職員の応援、勤務体制については検討しているところでございます。
■意見・要望(田中まさたけ)
今の感染症の類型が第5類にならない限りはまだこの状態が続くのだろうと思いますので、今のうちに、お答え頂いたとおり、備えの一つとして職員の方々の健康管理の部分に注力を、今までよりもして頂けるようにお願いしておきたいと思います。
併せて、(民間委託は)管理が難しいですし、業務の効率化もいろいろ取り組まれているということですが、民間にも専門の方々がいらっしゃいます、例えば医師会の方々に手伝って頂けるのか分かりませんが、そういう専門家の民間団体の方々との協力関係とか、委託することで職員の負担が軽減できるのであれば、そういった方策も取り入れるなど、その辺も併せて第6波に備えて今から準備をして頂きたいと思います。
====ここまでが常任委員会での議論の概要====
月80時間を超える残業は、数か月も続くようであれば過労死レベルと言われています。こうした状況は数か月にも及んでいるのであれば問題です。第4波の検証結果には掲載されていませんが、応援職員も不足していると言えますし、効率化も不足していると言えます。
市民の命を守る機能を維持するために必要な視点が抜けていると感じることが多いです。
早急に対応を検証して、対象職員にはリフレッシュ休暇を取得してもらうようにし、今後は一部の職員に負担が偏らないような体制を準備して、第6波に備えるべきです。
そして、今のままでは、新型コロナウイルス感染症との戦いはまだまだ続きそうですが、以前から、コラム(←クリックすると令和3年5月15日のコラムが開きます。)でも掲載しているとおり、対応を抜本的に見直すべき時だと感じています。