現市政に対しては、7年前から、本市の人件費比率が異常に高いことを指摘(←クリックするとコラム「人件費に関する新市長の見解」が開きます。)し、財政改革の必要性を訴え、具体的な提案(←クリックするとコラム「行政経営についてー連携公立幼稚園」が開きます)をいくつもしてきましたが、ことごとく無視をされ続けてきました。
その結果、西宮市の財政状況は悪化し、「財政構造改善」に取り組まざるを得ない状態に陥りました。

県立西宮病院と市立中央病院の統合新病院(令和8年開院予定)
そこで、昨年の啓誠会の代表質問(←クリックするとコラム「真に「財政構造を変える」とは」が開きます。)において、「単なる収入の増加、そして経費削減による収支改善にとどまることなく、時代と行政課題の変化に合わせて、人員の配置とお金の使い方を計画的に変えていくようにしなければならない」と指摘した上で、具体的には、学校給食調理業務と用務員業務の改革など、歳出削減に関する議論をしました。
令和7年3月議会の一般質問では、再び財政問題について取り上げ、今回は歳出の削減ではなく、収入増加による財源の確保、経済政策、産業振興による増収に視点を置いて議論しました。
前回の選挙の際に重点項目に掲げておりました「地域経済の活性化による財政改善の実現」が急務だと考えています。前回の選挙から3回目の一般質問の機会でようやく取り上げることができました。
===本会議場での議論の概要===
令和7年3月議会一般質問
3.経済対策がもたらす財政効果について
■質問の背景(田中まさたけ)
これから本市で実施される財政構造改善の取組みにつきましては、市税収入や地方交付税の増減に一喜一憂するなど、目先の収支改善に取り組んでいるにすぎないと捉えております。ですので私は、これからの超高齢社会、労働人口の減少など社会情勢の劇的な変化に柔軟に対応できる財政構造へと変革することこそが、今、市が市民のために取り組むべき財政改革であると考えております。
そのためには、経常収支比率を少なくとも中核市の平均である93%までに抑える(西宮市の令和5年度決算では98.3%)ことを目標に取組みを進めることが私は不可欠だと考えておりまして、これまでにも、人件費の削減や事業のスクラップ・アンド・ビルド(既存事業の見直しと浮いた財源を新規事業の財源に充てること)について指摘をし続けてまいりました。
しかし、これらもいずれ限界が訪れるのではないかということも懸念しております。
そこで今回は、質問時間の都合上、戦略的に市税収入を増加させることができないかというところに焦点を当てて議論をしたいと思います。
ア)投資的経費の経済効果
■質問の背景(田中まさたけ)
まずは、投資的経費の経済効果を踏まえた予算編成についてお尋ねしたいと思います。
本市の事務事業評価や、本日の資料に一部掲載いたしましたけれども、財政状況資料集によりますと、施設、インフラの老朽化に伴い、今後、投資的経費や維持補修費の増加が予想されております。
一方で、投資的経費にあたります普通建設事業費、住民1人あたりの普通建設事業費は、令和4年度決算において、中核市61市中48位と低位(投資的経費を抑制している状況)にありまして、近年その傾向が続いております。
さらに、施設の老朽化度の指標となります有形固定資産減価償却率につきましても、68.8%と中核市平均64.8%を大きく上回っておりまして、こちらも61市中50位と西宮市は低位(他の自治体よりも施設が老朽化している)にあります。
ちなみに、兵庫県の産業連関表分析によりますと、建設の県内需要が1億円増加した場合、県内の経済波及効果としては1.51倍の生産額を誘発し、税収効果として1,360万円の増収が見込まれるとされております。これは県のほうの分析です。
このような経済効果の分析などを踏まえた予算編成も私は重要だと思っております。
また、工事に携わる技術者や職人の不足も深刻な課題となっております。
近年、本市でも入札不調が頻発し、その兆候が既に現れていると推察されます。国は外国人労働者の活用を進めておりますが、その効果がどこまで期待できるのかは不透明です。仮に市内企業が技術者の育成を進めたくとも、需要が見通せなければ、人材育成への投資に踏み切ることも難しいのではないでしょうか。
こうした状況を踏まえますと、市内企業の技術者、労働者の育成の観点からも、老朽化したインフラの更新に必要な投資的事業を先送りせずに実施していくことが重要だと考えます。
そのためには、後年度の公債費負担の上昇に備えて、経常収支比率を戦略的に改善する目標を設定することが不可欠だと考えております。
これは、住民の快適な生活環境の維持のみならず、将来にわたる安心・安全を確保するための重要な政策 でもあります。
■質問(田中まさたけ)
代表質問での御答弁において、公共施設の老朽化対策など必要な事業を実施するための予算規模の確保に努めると御答弁されましたけれども、どのようにして現在の予算規模を確保するのか、そして、経済効果や雇用創出効果を踏まえた予算編成、財政運営に対する市の見解をお聞かせください。
■市の回答
本市において公共施設の老朽化が進んでいることにつきましては、先般の坂本議員からの代表質問でも答弁しましたとおり、大きな課題として認識しております。
そのため、令和7年度の一般会計当初予算案では、国庫補助金や地方債、公共施設保全積立基金などの財源の活用により、投資的経費を前年度から大幅に増額したところでございます。
令和8年度以降も、公共施設の総量縮減を図りつつ、引き続き財源を確保し、公共施設の老朽化対策など必要な事業を実施するための予算規模の確保に努めてまいりますが、その際には、経済効果や工事の担い手確保という観点も踏まえて検討してまいります。
なお、議員御提案の投資的経費による経済効果や雇用創出効果の検証は難しい面もございますが、その手法について研究するとともに、今後、財政運営上のガイドラインの指標を検討するにあたりましては、本市の公共施設の老朽化度合いを示す有形固定資産減価償却率が中核市平均よりも高いということにも留意する必要があると考えております。
■意見・要望(田中まさたけ)
財務局長から公共施設の老朽化対策など必要な事業を実施するための予算規模の確保に努めると述べられている点につきましては評価をしております。
しかし、財政状況が厳しい中、経常収支比率も高止まりしているのにどうやって財源を確保するのかというところが気になりました。
御答弁では、国庫補助、それと地方債(借金)、それと、公共施設保全積立基金を活用して、昨年度大幅に増額したと御答弁を頂きました。
貯金を取り崩しと借金で進めるとなれば、昨年の代表質問(←クリックするとコラム「財政規律を維持する仕組み」が開きます)でお答えいただきましたが、財政規律ガイドライン(恒常的に堅実な財政運営を可能とできる仕組み)の策定は急務であると考えます。
しかもそれは、昨年も申しましたが、「作って終わり」の理念的なものではなくて、予算編成の基準となる具体的な数値目標や指標を示した実効性のあるガイドラインでなければなりません。
御答弁では、有形固定資産減価償却率が中核市平均よりも高いことにも留意する必要があるとお答えをいただきました。その点も評価をしております。
この指標のほか、実質単年度収支の黒字の維持、これは当然のこととして、基金残高の基準や、経常収支比率の改善目標、こうした具体的な財政指標を盛り込んだ財政規律ガイドラインを作成した上で、御答弁のとおり、経済効果や工事の担い手の確保という観点を踏まえて、金額のみならず事業の件数も考慮して投資的事業の予算の確保をお願いしておきたいと思います。
老朽化が進む公共施設の再整備については、平成27年度から積み立ててきた公共施設保全積立基金(令和5年度決算時点での残高は約51億円)と地方債、そして国庫補助を活用して進める方針が示されました。
公共施設の再整備は、一定の経済効果が期待される一方で、「貯金」を取り崩し、「借金」を増やして対応する形となります。そのため、将来世代が借金の返済に苦しむことのないよう、現在の硬直化した財政状況(経常収支比率の高止まり)を改善するとともに、計画的な財源の確保と財政規律の維持が欠かせません。
また今後は、地域経済の活性化に重点を置き、政策を提案してまいります。
議論は続きますので、次回以降のコラムに掲載いたします。





