前回コラムの続きです。
令和6年度能登半島地震が発生し、市民の防災に対する意識が高まっていると考えられる中で、西宮市では、引き続き、南海トラフ大地震をはじめとする大きな地震に備えておく必要があります。また、気候変動によると考えられる異常気象が毎年のようにもたらす災害に対しても、早めに備えを点検しておく必要があると考えています。
コロナ禍が明けて1年が経過し、徐々に地域での活動も元に戻りつつあると感じており、今年度は、防災訓練、避難訓練についても、多くの地域で実施されると推察しています。
また、これまで、市は多くの企業や団体と、災害時の協力関係を約束した防災協定を結んでいますが、地域に関わりの強い内容の協定については、地域での訓練を通じて、地域住民もその存在を知っておくことでより有効に機能すると考えています。
そこで、令和6年3月議会の代表質問では、地域住民との防災協定に関する情報共有の促進、そして、せっかく策定している防災マップ等の資料を地域住民と再点検することを求め、市の予定を質問しました。
====本会議場での議論の概要====
令和6年3月議会代表質問
3.防災対策について
(イ)地域での防災訓練
■質問の背景(田中まさたけ)
計画の策定も重要ですが、計画や防災マップをつくっても、住民が知らなかったり、ふだん全く見ることがない状況では実効性に欠けると考えます。
また、本市でも防災に関する協定を多くの企業や団体等を締結しておりますが、こちらも住民が活用できるだけの情報が共有されているのかが不明です。
■質問(田中まさたけ)
地域での防災訓練の際に、防災に関する協定を締結した法人等も交えて訓練を実施するべきと考えますが、市の見解をお尋ねいたします。
また、防災訓練の際には、作成した防災マップや地区防災計画を必ず活用すべきと考えますが、実態をお尋ねしておきます。
■市の回答
現在、本市と民間団体等――以下「協定団体」と言います――協定団体との間で162の協定を締結しており、地域の防災訓練においては、協定団体を交えた様々な訓練を行っております。
災害時に地域と協定団体との連携は重要であり、今後も連携を進める必要があることから、地域から訓練の相談があった場合には、協定団体の参加を増やせるよう働きかけてまいります。
また、地域の避難訓練においては、事前に防災マップや地区防災計画等を用いて、自宅地域のハザードを確認した上で、防災スピーカー等の合図により、避難場所へ避難する訓練も多く行われており、避難訓練の一部として、防災マップの見方を確認している地域もございます。
避難訓練などにおいて、避難行動などの防災活動に防災マップを活用することは、自助・共助の備えを考えてもらう絶好の機会となることから、より多くの地域において、防災マップを訓練等に取り入れていただけるよう取り組んでまいります。
====ここまでが本会議場での議論の概要====
一応、協定団体も参加した訓練も、防災マップを使った訓練も、行っている地域はあるということは分かりましたが、どのくらいの割合で使用されているのか、情報共有されているのかは明らかにされませんでした。ごく一部の地域で、まれな事例なのではないかと思います。
というのも、そもそも訓練に参加する住民が少なすぎるという課題も大きいとは思いますが、市民とお話をしていて、防災協定はおろか防災マップの存在すら知らない住民は少なくない、というか、知っている住民のほうが少ないのではないか感じます。
答弁でも、「協定団体の参加を増やせるよう働きかける」とか「より多くの地域において取り入れてもらえるよう取り組む」とのことで、まだできていない地域が多いことが窺えます。
来年1月17日で、阪神・淡路大震災から30年の節目を迎えるにあたって、訓練の実施地域数やその訓練への参加者数に加えて、防災マップの活用状況や協定団体の参加状況など、動向を注視したいと思います。
フェイスブックでの投稿より
■4月21日投稿
【「決める100万円事業」に驚き】
先日17日(水)に、私が委員長として開催するのは最後となる「教育こども常任委員会」を開催しました。来月5月17日には、議会での役職や担当常任委員会等が変わる予定です。
その常任委員会の内容はまず、市立学校施設における包括管理業務委託制度の導入に向けた検討の進捗について、教育委員会から報告を受け質疑を行いました。来年度からの実施が計画されています。
その後、民間のプールを活用した水泳授業の委託に関して、今年の1月に常任委員会から教育委員会に対して提言した内容について市から回答をいただきました。小学校における水泳授業の民間委託については一歩前進だとは感じていますが、実現までにはまだまだハードルがあります。
そして最後に、これまで1年間をかけて調査を進めてきた施策研究テーマ「幼児教育・保育の在り方」と「部活動の地域移行の在り方」について、市に対する報告・提言を確定させ、市の担当者にお伝えする機会を設けました。私からは、市が進めようとしているそれぞれの政策について、目的を見失わないよう、そして、大人の都合ではなく、子供たちのためになる取り組みを推進してもらえるよう強調してお願いしました。提言の内容につきましては、西宮市議会のホームページで閲覧できます。
西宮市のお話はここまでです。
本日21日(日)は、中央体育館で開かれた西宮市体育協会主催の第77回西宮市民体育大会の総合開会式に出席し、午後からは、神戸市のポートピアホテルで開かれたライオンズクラブ国際協会335-A地区の年次大会に出席しました。
その中で、芦屋市長と安芸高田市長によるパネルディスカッションを拝聴しました。
市議会との軋轢については触れられなかったのは予想外でしたが、市長のあるべき姿勢や市民との対話の重要性、そして、教育政策などについて、テレビやYouTubeでは伝わってこないことを知ることができ勉強になりました。
そして、安芸高田市では、公立中学校の生徒会長に無料で短期海外留学ができる機会が付与される取り組みや、高等学校の生徒会長には学校のために自由に使える予算を100万円も用意して、子供たちが主体的に考えて行動する力を養う取り組みを実施されていることを知り大変驚きました。
やはり何歳であっても熱意は大切だと思います。