未来自治体

2017年9月3日[カテゴリ:コラム

■将来を見据えた政策コンテスト―30年後の社会
私は初当選以降、
春と夏に約2か月間ずつ、大学生を対象に議員インターンシップを実施しています。
今夏も実施中で、今活動している学生が25期生となります。
そして現在、
「未来国会」という政策コンテストに向けて準備しています。

一昨年春から、
NPO法人ドットジェイピーが主催する「未来自治体」「未来国会」という政策コンテストに、
私の事務所に来ているインターン生が挑戦するようになりました。
春のインターン生は30年後の西宮、
夏のインターン生は30年後の日本の理想の姿を描き、
それを実現するための政策を提言してもらいます。

「未来事業」のことを簡単に説明すると、
・30年後の理想の自治体・国の姿を実現するための政策を提言する日本最大の政策コンテストである。
・そして、それを実現するために、10年後から何を始めるべきなのか、何ができるのか必要となる予算も含めて考える。
・将来を担う”若者らしい発想”かつ”実現可能な範囲”で、既成概念を取りはらった大胆な政策を立案する。
となるかと思います。

関西ブロックでの地域予選が行われ、
各地域予選通過チームを対象としたWEB上での投票で上位4チームが、
東京で行われる全国大会に出場できます。
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■政策を考え抜くということ
取り組む学生に対してアドバイスする上で重視していることは、
・他人事ではなく、自分事として考えること。
・暗い未来ではなく、自分たちで明るい未来を築けるような内容であること。
・人前で発表して恥ずかしくない程度まで政策を磨くこと。
・プレゼンテーションの魅せ方の勉強もすること。
・パワーポイントの作成のテクニックのみならず、どのように政策を表現すれば自分の提言の魅力が伝わるかも考えること。

あとは、学生の力で、たった1か月半で提言する政策を作り上げます。
1か月半ですので、提言した政策の内容は粗削りです。
また、政策を考えながら、インターン活動もしてもらいます。
私と一緒にまちに出て現地視察をし、
私の活動報告書をポスティングしながらまちを見て、
私と一緒に地域活動に参加して市民、大人と接して話を聞かせてもらい、
私と一緒に勉強会に参加して勉強させてもらい、
議会を傍聴して私以外の議員の主張や政策提言の仕方を参考にさせてもらい、
週に5日程度の頻度で事務所に来て、
1日平均14時間位、考えて考えて考え抜きました。
これらの活動は、私が強制したものではなく、
学生たちの意思で、政策に本気に向き合うようになった結果であると思っています。

そしてまた私は、
週に1回、調査や企画の進捗を聞き、質問攻めにして、
調査の甘いところや観点の浅さを指摘し、
更に翌週までにブラッシュアップする。

これらを、学生自らの意思で、自らの力で、乗り越えてもらいます。

■政策と選挙
この事業は、
NPO法人ドットジェイピーがインターンシップ事業とは別に、
3年前から始めた取り組みです。
私は、
これまで実施してきたインターンシップのメニューの中で、
インターン生一人一人に政策を本気で考えてもらおうと
独自に政策立案活動を約10年間続けてきました。
そのこれまでの取り組みに
全国規模のコンテストで評価を受けるという要素を加えられる、
つまり、自らが掲げた政策をもって
実際に選挙まで体験できる機会を加えられると大変うれしく思いました。

しかし、未来事業に参加すると
未来事業に関心の薄い学生をインターン生として受け入れることができなくなるという問題点があり、
これまでの政策立案活動やその他の活動が続けられなくなってしまう可能性を危惧して、
1年目は悩んだ末に見送ることとし、
2年目となる昨年から参加することに決めました。

平成28年春、
初めての挑戦となったインターン生が提言した政策も、
私から見て、上々の仕上がりで、
私自身にとっても大変参考になる内容であったと感じていました。

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地域予選は1位で通過したものの、
インターネットで資料を見て投票してもらうWEB予選では12チーム中6位で敗退し、
決勝大会には進めませんでした。
2名で構成されたチームでしたので、
知り合いに声をかけるにも限界があり、
twitterを使っても、なかなか関心を持ってもらえず。。。
こうした部分は、実際の選挙に通じる部分が多かったと思います。
将来、実際に行われるかもしれないインターネット投票を模擬的に体現したもので、
色々と問題点も見出すことができました。

ここで彼らは、
たとえ素晴らしい政策を提案できたとしても、
地道な選挙活動をしなければ政策が日の目を見ることがないことを、
身をもって体験することができ、ある意味、貴重な経験をしたと思っています。

必死で取り組んでいただけに
彼らの落胆も悔しさも非常に大きかったとは思いますが。

■全国制覇
そして、平成29年春。
今年の春のインターン生も、
関西ブロックの地域予選を通過し、
WEB予選でも10チーム中2位で通過し、
目標としていた決勝大会進出を決めました。

ここで、目標は達成。
「あとは、東京での大人数の前でのプレゼンを楽しんできて下さい。」
という気持ちで送り出しました。

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東京で開催された決勝大会の結果も、見事優勝。
会場に来ていた聴衆(であるとと同時に有権者)から
2位のチームとはダブルスコアに近い得票を得ての勝利でした。
61チーム、169名の学生が参加し、
参加した学生が活動する議員事務所が所在する自治体を背景にして
政策が提言されたなかでの全国制覇です。

私も会場に行って各チームのプレゼンを見ていたのですが、
さすがに予選を勝ち上がってきたチームで、
どのチームのプレゼンも魅力的で、
大胆な発想や若者らしい発想も多かったのですが、
明るい未来を具体的かつ実現できそうなことを提案できていた点が
多くの人から支持を得られたのではないかと感じました。

優勝メンバーは、4人で構成されていたのですが、
1名は、身体に重度の障害があり車いすで生活をしている学生。
1名は、活発で明るく積極的に物事に取り組む女の子。
1名は、大学で福祉を学び、福祉の向上に意欲を燃やすスポーツマン。
1名は、最も活動時間が多かったいじられキャラのムードメーカー。

多角的に政策を考えられ、
非常にチームワークの取れた明るいメンバーだったと思います。
立案された政策テーマは、
少子高齢化が進み、暗い将来が叫ばれる中での、
音楽の力を活用した明るいまちづくり。
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彼らは、インターンシップを終え、
一段と自信をつけて、また各々の活動を展開し始めています。

■新たな挑戦
今取り組んでいる学生は、2チームに分かれて挑んでいます。
しかも今回は、30年後の国の姿を考えています。
春に優勝したメンバーのうち2名が、
今回挑戦している後輩の指導にあたっています。

現在、地域予選を3日後に控え、両チームとも大詰めを迎えています。
今日も、勤労会館を借りて本番までの最終ミーティングを行いました。
彼らには本番を想定した発表をしてもらい、
私の最終の指摘を受け、
本日の23時59分が提出期限となっている政策の完成に向けて、
23時55分現在も
軽食をとりながらパソコンと向き合っています。

【追伸】
努力が実り、見事両チームとも地域予選を突破し、
その後のWEB予選も突破して、
全国大会に両チームともが出場しました。

色々と課題を抱えたチームでしたが、
最後まで、よく頑張ったと思います。

WEB予選を突破した
4チームで争われた全国大会は、
私は見には行けませんでしたので、
得票などの詳細の結果は分かりませんでしたが、
2位と4位という結果をもって、活動を終了しました。

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