2003年12月10日 |
- 第3次行財政改善実施計画について
-
計画策定の進歩状況並びに市長当局のビジョン
計画策定の進歩状況並びに市長当局のビジョン
田中の考え |
私にとって初めての質問になりました6月議会での一般質問でも、
この件に関しては質問致しました。
その際の回答は、
「新たな行政経営改革」を第3次総合計画の期間に合わせて、
平成16年度から20年までの計画を策定するというものでした。
そして、
平成16年度には幾ら、平成17年度には幾らといった
具体的な削減目標金額、
収入増の目標金額は示されませんでしたが、
「新たな行政経営改革」の策定作業の中で
早急に具体的な目標金額の設定作業にも入り、
平成16年度予算編成段階で反映させるのかと理解していました。
しかし、
9月議会での複数の議員からの質問の中で、
今後5年間の具体的取り組みや、
平成16年度の予算編成方針についての市の回答を聞き、
「新たな行政経営改革」がこれまでのような計画ではなく、
行政評価システム、
それを反映できる予算システム、
その他、目標管理システム、
人事システムをつくり上げるという
中期的な、将来に対する投資ともとれる行政システムの創造、改革に
重点を置いていると理解しました。
この計画を実現し、機能させることは、
さらにすばらしいことであることは言うまでもありません。
ぜひとも早急に行っていただきたいと思います。
そして、本市では、
阪神大震災以降、平成8年度から10年度までの3カ年の行財政改善実施計画、
さらに、平成11年度から平成15年度までの5カ年にわたる第2次行財政改善実施計画を
具体的な目標数値を掲げて策定し、取り組まれ、
単年度効果額に過年度実施分の継続効果を加えた累積効果額は
第1次によって123億円となりました。
そして、第2次では計画額が206億円、
実際には計画額を大幅に上回る260億円と見込まれています。
その努力の成果によって、
辛うじて赤字団体への転落を免れたことにつきましては、
評価したいと思います。
しかし、
これらの財政改善が実現したのは、
目標金額を設定し、そこに向かって努力した結果であると考えます。
今回の具体的な数値目標のない「新たな行政経営改革」では、
絵にかいたもちになる可能性すらあります。
また、
第2次行財政改善実施計画の基本方針の中で、
具体的に掲げていた経常収支比率90%未満という目標も
まだ達成できていません。
今後、市民サービスをできる限り落とすことなく、
さらに削っていけるところは、
効率的な行政運営を図ることでの内部経費の削減が中心となるでしょう。
しかし、例えば
人件費を削減するために職員給与の一律カットを実施するだけでは、
何度も繰り返すと限界もありますし、
職員の士気を落とすことにもつながり、
これに頼ることは危険な政策と言わざるを得ません。
今後、人件費を削減していくために、
さらなる新規採用の抑制や早期退職制度の活用による人員の削減を進め、
人員を削減しても事務事業が減少するわけではありませんので、
その際に発生する人員不足をカバーするために、
事務事業を戦略的に民間委託していく、もしくは嘱託化していく、
または、事業全体の民営化を戦略的に図っていくべきと考えます。
試算とはいえ、
平成16年度の予算編成段階でこれまで取り崩してきた財政基金も底をつき、
17年度以降には赤字予算を組まざるを得なくなり、
数年後には財政再建団体の申し出をしなくてはならなくなる事態が危惧されています。
そのような不安を払拭する根拠となるものを
市民に対しても早急に示すべきです。 |
質問 |
新たな行政経営改革の策定にあたっての市長、当局のお考えをお聞かせください。
また、今後どういった行財政改善の具体的な数字を含めた計画を策定するのか、
それとも、そういったものは策定しないのか伺います。 |
回答 |
本市は、震災後、
平成8年度から10年度までの3カ年を対象とする
「行財政改善実施計画」に続きまして、
平成11年度から15年度までの5カ年を対象とした
「第2次行財政改善実施計画」を策定し、
取り組みを続けてきたところです。
第2次の取り組みでは、
5年間で261億円の効果額が生み出せる見込みとなっています。
第2次行財政改善実施計画の主な内容は、
物件費などの節減や遊休市有地の売却など
財政の効果的・効率的な運営で125億円、
職員数、給与の抑制などの人事・組織の見直しで95億円、
使用料等の見直し、市税、国保の前納報奨金の廃止、民間委託の推進などの
事業・施策の見直しで26億円となっています。
人事・組織の見直し、
財政の効果的・効率的な運営といった
内部管理経費が取り組みの大きなウエートを占めています。
こういった取り組みの結果、
今日まで赤字団体に陥ることを免れることができたのではないかと考えています。
しかし、
従来と同じ減量経営的手法に頼る行財政改善を続けていくだけでは、
今後、三位一体改革などの外部環境の急激な変化に対応していくのは
難しいのではないかと考えています。
このため、
こういった変化にも即応できる
行政経営型の仕組みをつくり上げることが必要であると考え、
企業における経営理念、手法、成功事例などを
可能な限り行政部門に導入し、
その効率化や活性化を図ることを目指すという
新しい公共経営の考え方を導入することとしています。
この考え方のもとに、
最適な事業の選択を可能とする行政評価システムを中心に、
予算システム、目標管理システム、人事システムが相互に連携し合い、
人、物、金、情報といった経営資源が有効に活用される仕組みをつくり上げるため、
平成16年度から20年度までの5カ年を対象とした
「行政経営改革の計画」を策定してまいります。
また、財源不足対策としての具体的な数値を含めた計画につきましては、
「行政経営改革」を積極的に進めることとあわせて、新年度において策定してまいります。
こうした行財政の改善に向けた取り組みと
行政を経営するという視点に立った構造的改革と
相まって相乗的な効果が期待できるものであり、
順次具体化を図ってまいります。 |
結論・要望 |
今後の財政改革を
減量経営的手法に頼るだけでは限界があります。
しっかりと「行政経営改革の計画」の策定にも取り組むよう要望しました。
しかし、それと同時に、
平成16年度で基金の残高をほとんど使い尽くす計算となり、
平成17年度には予算を組めない状況に陥ることも危惧されていることに変わりありません。
これまでは、具体的な数値目標があってこそ、
現在まで赤字団体に陥ることなく、
苦しいとはいえ、何とか運営ができていることも事実です。
財政改革は待ったなしの状況です。
行政経営改革計画の策定と共に、
着実な財政改革の必要性を訴える必要があります。
|
-
近年の財源不足対策
近年の財源不足対策
田中の考え |
「新たな行政経営改革」では、
ここ1、2年の大幅な行財政改善は望めないと考え、
近年の単年度収支についても質問致します。
6月の一般質問で
第2次行財政改善実施計画の引き続きとしての行財政改善計画を策定し、
平成16年度から基金の取り崩し額を減らせるための計画を
早急に策定しなければならないのではと指摘したにもかかわらず、
伝わっていなかったことを残念に思います。
そして、平成16年度の予算編成方針が
10月31日付で市長より各所属長に通知されていますが、
歳入では、市税収入は伸びず、
地方交付税と臨時財政対策債は15年度の実績額が当初予算額を5億円も下回っており、
歳出面では、公債費が一般会計ベースで264億円とピークを迎えています。
人口増による
─先ほども指摘ありました保育所待機児童の解消や
高齢化社会における扶助費等の増加などにより、
収支不足は解消できず、基金残高も減少し、
赤字団体への転落が危惧される深刻な状況が続いているとされています。
|
質問 |
(1点目)
実際に予算編成作業段階に入った現在、
平成16年度の財政収支見通しをどのように見込んでいるか、再度お聞かせください。 |
回答 |
まず、平成16年度における現時点での財政収支見込みです。
歳入の根幹である市税収入は、
個人所得の落ち込みなどによりまして、
前年度、つまり本年度の予算額779億円を確保することが困難な状況でして、
地方交付税も7億円減少する見込みです。
さらに13年度から3カ年の時限措置とされていました臨時財政対策債は、
財務、総務両省の協議によりまして、3カ年の延長が決まっていますが、
地方の財源不足対策がない限り、減少するものと考えています。
一方、歳出におきましては、
公債費が一般財源ベースで償還のピークを迎え、
人口増に伴う保育所待機児童の解消や高齢化の進展による扶助費の増嵩、
電子自治体に向けた情報化施策経費の増大などによりまして、
歳出全体では増額になるものと見込んでいます。
このような歳入、歳出の見通しから考え合わせますと、
平成16年度の財政収支の見込みは、
前年度が55億円の財源不足であったのと同様に、
大幅な財源不足が予測されます。
よって
残る財政基金や減債基金35億円を全額取り崩し、
さらに土地開発基金の現金部分31億円の一部も取り崩すことによりまして、
収支不足を補う措置が必要であると考えています。
なお、
国では、三位一体の改革において、国庫補助負担金の1兆円の削減、
それから、地方への税源移譲や地方交付税の見直しが検討されています。
その動向によっては、本市の予算、収支見込みに相当の影響を及ぼし、
財政計画の見直し、修正も必要となってまいります。
|
-
財政収支見通し
財政収支見通し
田中の考え |
「新たな行政経営改革」では、
ここ1、2年の大幅な行財政改善は望めないと考え、
近年の単年度収支についても質問致します。
6月の一般質問で
第2次行財政改善実施計画の引き続きとしての行財政改善計画を策定し、
平成16年度から基金の取り崩し額を減らせるための計画を
早急に策定しなければならないのではと指摘したにもかかわらず、
伝わっていなかったことを残念に思います。
そして、平成16年度の予算編成方針が
10月31日付で市長より各所属長に通知されていますが、
歳入では、市税収入は伸びず、
地方交付税と臨時財政対策債は15年度の実績額が当初予算額を5億円も下回っており、
歳出面では、公債費が一般会計ベースで264億円とピークを迎えています。
人口増による
─先ほども指摘ありました保育所待機児童の解消や
高齢化社会における扶助費等の増加などにより、
収支不足は解消できず、基金残高も減少し、
赤字団体への転落が危惧される深刻な状況が続いているとされています。 |
質問 |
実際に予算編成作業段階に入った現在、
平成16年度の財政収支見通しをどのように見込んでいるか、再度お聞かせください。 |
回答 |
まず、平成16年度における現時点での財政収支見込みです。
歳入の根幹である市税収入は、
個人所得の落ち込みなどによりまして、
前年度、つまり本年度の予算額779億円を確保することが困難な状況でして、
地方交付税も7億円減少する見込みです。
さらに13年度から3カ年の時限措置とされていました臨時財政対策債は、
財務、総務両省の協議によりまして、3カ年の延長が決まっていますが、
地方の財源不足対策がない限り、減少するものと考えています。
一方、歳出におきましては、
公債費が一般財源ベースで償還のピークを迎え、
人口増に伴う保育所待機児童の解消や高齢化の進展による扶助費の増嵩、
電子自治体に向けた情報化施策経費の増大などによりまして、
歳出全体では増額になるものと見込んでいます。
このような歳入、歳出の見通しから考え合わせますと、
平成16年度の財政収支の見込みは、
前年度が55億円の財源不足であったのと同様に、
大幅な財源不足が予測されます。
よって
残る財政基金や減債基金35億円を全額取り崩し、
さらに土地開発基金の現金部分31億円の一部も取り崩すことによりまして、
収支不足を補う措置が必要であると考えています。
なお、
国では、三位一体の改革において、国庫補助負担金の1兆円の削減、
それから、地方への税源移譲や地方交付税の見直しが検討されています。
その動向によっては、本市の予算、収支見込みに相当の影響を及ぼし、
財政計画の見直し、修正も必要となってまいります。
|
-
財源不足額の状況
財源不足額の状況
田中の考え |
昨年12月に財政当局が策定した「西宮市の財政を考える(Ⅴ)」の中で、
平成20年度までの財政収支見込みが試算されていることは、
これまでの議会でも何度も取り上げられ、それに関する質問も多々ありました。
そこでは、平成20年度までの財源不足額を272億円と見込み、
第2次行財政改善実施計画が計画額を大幅に上回って達成されたにもかかわらず、
引き続き厳しい財政状況が続くと予想されています。
|
質問 |
財政計画については、
毎年前年度の決算が確定し、12月補正予算が策定された時期に修正、見直し作業を行うと聞いていますが、その進捗状況はどのようになっているのか、
また、
現段階において、平成20年度までの財源不足額はどのように見込んでおられるのか、その対策とあわせてお聞かせください。 |
回答 |
この12月において平成14年度の決算が確定し、
12月補正予算案を上程申し上げております。
現在見直し作業に取り組んでいますが、
人件費の給与改定、減額分が確定します12月末には作業を完了いたしまして、
平成16年1月には修正後の財政計画を公表させていただく予定でございます。
昨年12月に策定いたしました財政計画では、
平成20年度までの財源不足額を272億円と見込んでいましたが、
修正後の財政計画ではこの272億円を若干下回るものと予測いたしています。
また、財源不足額の縮減対策につきましては、
新たな行政経営改革を積極的に進めることとあわせまして、
具体的な数値を含めた計画を新年度中に策定してまいります。 |
結論・要望 |
財源不足の解消計画(具体的な数値を含めた計画)については、
ようやく、新年度において策定するとの回答を得ました。
「新たな行政経営改革」の計画を策定するにあたって、
人員の配置、強化を行うと同時に、
財源不足対策の解消計画を策定するにも、
それなりの組織や人員、体制が必要となることを指摘し、
来年4月の人事異動、組織改正の際には、
計画を策定する部署を設置して取り組まれるよう要望しました。
|
- 行財政改善のための提案並びに計画について
-
行政コストの可視化(活動基準原価計算(ABC手法)分析の導入)
行政コストの可視化(活動基準原価計算(ABC手法)分析の導入)
田中の考え |
アクティビティー・ベースド・コスティング、(以後「ABC」と呼びますが)は、
製造業においては、製造原価計算をするに当たって、
製造間接費を製品へ正確に割り当て、
その合理性を追求するために用いられた手法でした。
その手法を行政サービスに当てはめ、市民サービスを提供するにあたって、
業務区分ごとに間接経費を割り出し、見えない経費も行政コストに組み入れ、
コストを視覚的に把握するための手法です。
【ABC手法の説明】
この手法を自治体に適用して試算し、
注目された例は、公共図書館業務に当てはめたものでした。
配布資料1をご覧ください。
本市の数値等とは異なることは御承知おきください。
これまでの伝統的分類では、
施設管理費、図書購入費、職員人件費、施設減価償却、情報システム運営費、事務連絡費のような分類になっていました。
それぞれ金額が
1,600万円、1,400万円、7,200万円、900万円、3,800万円、300万円、
合計しまして1億5,200万円となっています。
これを業務ごとに、
開館準備業務(閲覧のためだけに来るお客さんのためにあけておくという業務)、
カウンター業務(貸し出しと予約の業務)
レファレンス(問い合わせへの対応業務)、
図書管理、返却・督促の手続業務
文化事業業務(イベントやその告知の業務)、
と区分して、
業務区分ごとに費目を振り分けます。
その結果、
3,120万円、7,460万円、2,530万円、670万円、220万円、1,020万円になります。
合計は同じく1億5,200万円です。
そしてこれを、それぞれ利用者数、件数で割ると、単価が出てきます。
閲覧しただけで279円、
本を1冊借りて176円、
探していた本が貸出中だったので1冊予約して562円、
うっかりと返却日を忘れてしまい督促状を受け、
次の用事のついでに行った際に返して1,833円、
これは十分想定されるシチュエーションだと思うのですが、
この一連の行為に2,850円の行政コストがかかったという具合に
コストの可視化が図れます。
そして、
もし借りてもらった本が1冊1,500円のものであれば、
本の購入費より高い1,833円をかけて督促をかけていることもわかってきます。
そこで、督促に関して、
まず客観的な数値に基づいた議論が可能になります。
本の購入金額によっては督促をかけないのか、
それとも、「もし返していただけなければ、今後、一切本市の図書館の利用はできません。」
といった通知だけは行うのか。
そしてまた、
それをどのタイミングで行えばコストは安く済むのか、
例えば1カ月後がいいのか、3カ月後まで待つのがいいのかといった議論ができます。
あと、カウンター業務から問い合わせ業務を切り離し、
手続だけのカウンター業務ならば非専門的な業務と考えられますので、
この部分だけでも嘱託化、委託化を図ることは可能ではないか。
また、もし委託するのであればその委託金額はどの程度が妥当なのか。
そういった 議論の段階で具体的な数値を用いることができるようになります。
もちろん、
この図書館業務のように直接お客さんの目に触れる事業、
市役所、支所の窓口業務や介護保険にかかわる業務などから、
直接市民の目には触れられない業務、
市役所内での意思決定過程における会議にかかるコストや連絡業務にまで、
全庁的に適用することが可能です。
このABCの具体的な計算方法については、
配布資料2をご覧ください。
まず、実施目的の明確化(ABCを適用する目的を設定)を行います。
例えば、サービス別原価を出したいのか、
それとも顧客別の原価を把握したいのか、
それとも過程の原価を把握したいのかといった具合です。
こちらの例では、
一般的な市役所の窓口業務を例にしています。
そして、
その実施目的の明確化ということで、
住民票発行サービス、戸籍謄本発行サービス、印鑑証明発行サービス、
人口動態まとめといった具合に設定します。
これが「原価計算対象」となります。
そして、それが決まれば、次に業務区分を設定します。
業務フローで具体的に割り出してから設定します。
これを「活動」と呼んでいます。
先ほどの「原価計算対象」に対して考えられる活動、
受付、届け出処理、各種証明書作成、交付、人口動態の調査、
といった業務区分を設定します。
これが「活動基準原価計算」の「活動」に当たる部分です。
そして、その活動に費やされる人員、
ABC分析の中では「人工」と呼ばれていますが、
その他、場所、時間等を割り出します。
例えば、人件費については、
その業務に当たった人数、
一人の職員がその目的だけに従事しているわけではありませんので、
インタビュー方式で時間を割り出し、これに時間単価、
これもその業務に当たった職員給与の平均で算出する等の計算をし、
ある程度厳密な人件費を割り出します。
そして、その他、需用費、役務費、委託料、こういったものを設定します。
これらは、「資源」と呼ばれます。
従来の決算の事業費プラス人件費や減価償却を必要に応じて加え、
まず、原価計算対象のトータルコストを把握します。
そして、これを活動コストに配分します。
そして、その活動コストを原価計算対象にさらに配分するという計算をします。
余りに厳密に、時間で言えば例えば1分単位とかで計算すると、
細かくなり過ぎて、かえって正確さを欠くことも指摘されています。
説明はこれぐらいにさせていただいて、
【説明終了】
まず、
この手法の導入に当たって考えられるデメリットは、
業務区分の割り出しなどのシステムづくりに人員が割かれるということ、
情報収集や計算作業自体に経常コストがかかることだと考えられます。
しかし、
このデメリットは、
次に示されるメリットに対しての投資と考えれば、
決して大きなものとは思えません。
ABC分析手法がもたらすメリットとしまして、
まず一つ目、
行政の業務区分ごとにコストを可視化する、
さらに、総合比較により効率化のための業務改善に向け検討すべきポイントが導き出せる、
そして、二つ目、
従事時間の把握のため、職員一人一人が日々従事した業務区分を記録することにより、
プラン、ドゥー、シーのマネジメントサイクルによる継続的な業務改革が可能となります。
そして、三つ目、
業務のアウトソーシングについての検討や
IT関連投資による業務効率化の効果測定などにも用いることができます。
これまでの行政運営では、
現金主義をとってきた性質上、
初めはなじみにくい分析方法になるとは思いますが、
実際に自治体バージョンとして取り入れている自治体も出てきているのが現状です。
本市では、バランスシートや行政コスト計算書を作成し、
より企業会計に近づけようと努力なされています。
さらに、一つ一つの業務に対するコストの可視化を図り、
現在策定中の事務事業評価における
行政改革の判断材料としても使えるようになると考えられます。
これはあくまでコストの可視化を図るための一手法ですので、
使い方によっては、さまざまな分野で活用できるようになるわけです。
もちろん最初から全庁的に取り組めればいいのですが、
時間のかかることは望ましくありません。
そこで、これまでの経験則で
ある程度非効率的だと予想される行政サービスや事務事業で試算し、
具体的な数値を見て
民営化や民間委託化を検討することができる可能性も秘めています。
|
質問 |
■1点目
市は、これまで「効率的な行政運営」という言葉を使っていました。
「効率的であること」を具体的数値によって説明をする用意があるのか、お聞かせください。
■2点目
活動基準原価計算(ABC分析)を行うことで
さらにわかりやすく説明責任を果たせるようになると考えられますし、
西宮方式に応用することも可能です。
これまで幾つかの自治体が導入していますが、
この手法について市長、当局のお考えをお聞かせください。
|
回答 |
御提案の趣旨は、民間企業におけるコスト管理の手法の一つです
活動基準原価計算を行政サービスに当てはめ、
行政コストを視覚的に把握することによって、
市民への説明責任と効率的な業務改善に資するため、
導入してはどうかというふうに受けとめております。
本市におきましては、行政評価の取り組みの第1段階として
事務事業評価を導入することとし、
昨年度、50のモデル事業を選定して試行実施いたしました。
また、本年度は、1課1事業を対象に実施しているところです。
事務事業評価システムは、計画、実行、評価、改善という
マネジメントサイクルの中に評価を位置づけまして、
予算編成から予算執行、決算に至る一連の過程において決算を評価、分析し、
その結果を予算に反映できる仕組みを目指しています。
この事務事業評価では、さまざまな指標により事業を評価するとともに、
■1点目の回答
事務事業に係る事業費に人件費、退職給与引当金繰入額、
減価償却費を加えて総コストを算出し、
可能な限り正確なコストを把握するようにしております。
また、個別のサービスに係ります単位当たりコストも算出しています。
これは、事務事業に係るコストを公表し、行政の説明責任を果たし、
透明性の向上を図るとともに、コストを把握することによって、
事務事業の効率化につなげていくためでございます。
■2点目の回答
御提案の活動基準原価計算もコスト分析の有効な手法と思われますが、
多くの時間と手間がかかることが想定されることから、
今後、事務事業評価の定着を図るとともに、研究をしてまいりたいと考えています。
|
結論・要望 |
まずは、事務事業評価システムの確立が先ということです。
確かに、現体制でさらに新しいシステムをつくり上げるのは
困難であることは理解できます。
そこで、他市の事例にもある通り、
(市の回答では研究するということでしたので、)
庁内で公募し、自主的な研究グループを立ち上げる方法や、
若手研修の場での課題にするという方法を提案し、
早期に研究が着手されるよう要望しました。
これは、若手の方に行政コストを把握してもらうことは有意義です。
コスト意識は全庁的に持っていただかなくてはならないことで、
現場での研究も含めて取り組んでいただけるのが理想であります。
議会に対してもABC分析の結果が示されるようになれば、
もっと議論の幅も広がると考えられます。
動向を注視したいと思います。
|
-
保育所の民営化計画
-
保育所民営化による財政効果
保育所民営化による財政効果
田中の考え |
平成13年に甲東保育所が、
そして、今年度より安井保育所が民営化されました。
民営化によって保護者への直接の費用負担が増加することはありません。
そこで、今後も民営化を推進していくのか、
それともこの2園でとどめるおつもりか、
今後の考え方について質問したいと思います。
民営化される際には、保護者、職員からの反対、
甲東で7万5,000筆、安井で4万2,000筆、137団体もの署名が集まるほどの
反対がありました。
もしここでとどめるのであれば、
民営化された保育所に子供を通わせていた保護者にとっては、
その場の行財政改善のためだけに犠牲になったのかとの誤解を生み、
行政に対して不信感を募らせる結果ともなり得ます。 |
質問 |
実際に民営化してちょうど1年がたった時点での
甲東保育所の民営化前後の効果額、
そして、民営化してまだ1年に満たない安井保育所の方は効果額の見込みを伺います。
|
回答 |
平成13年4月に民間移管しました甲東保育所は、移管時60人定員でしたので、
60人定員規模の公立保育所の12年度決算の運営経費と
新甲東保育園の13年度決算の運営経費を一般財源の差を効果額として見ますと、
約3,700万円でございます。
本年4月に民間移管いたしました安井保育所の効果額見込みにつきましては、
安井保育所が定員60人で、
移管後の安井保育園は定員を90人に増員いたしましたので、
90人定員規模の公立保育所の平成14年度決算見込みの運営経費と安井保育園での
経費を平成15年度予算の運営経費の一般財源で比較し、
その差を効果額見込みとして試算いたしますと、約6,400万円でございます。 |
-
民営化の選定基準
民営化の選定基準
質問 |
なぜこの2園が選ばれたのか、その選定基準をお教えください。 |
回答 |
まず、 恒常的に待機児童の多い地域にあって、
施設の老朽化により建てかえや改修を要する施設で、
敷地面積から定員の増加が図れる施設であることを基本とし、
市民ニーズの高い延長保育や障害児保育など特別保育事業の実施拠点の拡充を図ること、地域の子育て支援事業を推進することなどと、
民間移管をすることで行財政の効率的運営を図れることなどを
基準に選定いたしたものです。 |
-
民営化後の利用者の反応
民営化後の利用者の反応
質問 |
民営化された後に保護者からの意見があればお聞かせください。 |
回答 |
職員の配置や給食などについて保護者の意見を運営に反映させるため、
懇談会の開催を求められるなどの声が寄せられ、
園の日常保育に関するものが主な意見でございました。 |
-
今後の民営化計画
今後の民営化計画
田中の考え |
現段階では、私の方では、
民営化そのものによる保育の質の低下を初め、
民営化がもたらした不都合が生じているようなことは聞いておりません。
保育所の場合、
設置当初は、特に福祉の観点を重視し、
公立が主導して運営されてきた経緯がありますので、
これまで培ってきた保育の質、内容を確保することは前提となりますが、
民営化によって、これが保たれるのであれば、
どうしても硬直化しやすい行政がこのまま保育園の運営を維持する必要性は薄れており、
今後も公立保育所を民営化した場合の財政効果と質的なシミュレーションを行い、
さらなる民営化を図っていくべき ではないかと思います。
|
質問 |
今後の保育所の民営化はいつごろが可能で、どの保育所の民営化が可能か、
計画がおありでしたらお教えください。
|
回答 |
本年4月に安井保育所の民間移管を行ったことで、
第2次行財政改善実施計画の実施項目は完了いたしました。
また、その後の待機児童解消計画に基づき、新設保育所につきましては、
すべて民間活力を活用いたしまして、民設民営で整備することにしています。
また、今後の保育サービスの供給計画の取り扱いでございますが、
平成15年10月1日現在の保育所などへの入所児童は全市で4,884人、
その内訳は、認可保育所で、公立23園、私立19園、合わせて42園、計4,206人、
認可外の保育所では、本市が運営費助成を行っております家庭保育所、
保育ルームなど19カ所で99人、
株式会社やNPOなどが独自の運営をいたします一般の認可外保育所には16カ所に440人、事業所が設置いたします病院内保育所や職場内保育所が9カ所で139人など、
合わせて44カ所の認可外保育所に678人が入所しています。
このように、保育サービスは、国費など公的助成が行われる認可保育所、
また、認可外保育所でも、市が一部助成を行うもの、公費助成はなく、
民間が自由に運営するものなど、保育サービスは多様な形式で供給されています。
したがいまして、今後の保育サービスの供給に際しまして、
民営化など民間活力をどのように活用していくかでございますが、
待機児童の解消、延長保育、一時保育などの保育ニーズにこたえる対策は、
次世代育成支援の行動計画策定に向けての調査をする市民ニーズへの対応とも
関連しますことから、
全市民的な議論をもとにした計画づくりを行います。
このため、公立保育所の民間移管に際しまして、
市民、保護者の方から提起されました保育士の配置基準などの保育水準の問題や
公立保育所が果たすべき役割、
NPO、学校法人など設置者の規制緩和の問題、
民間保育所への助成のあり方など、
総合的に検討する場を設け、
保育サービスのあり方についての方針を取りまとめたいと考えています。
|
結論・要望 |
2園(の民営化)に関して、財政効果はあったものの、
今後の民営化計画は今のところないというお答えでした。
今後も効率的な運営、経費削減には取り組まなければなりませんが、
効率化以外にも、現在の保育所の課題は多数あります。
課題を一度整理して、検討する必要性があります。
回答にもあったとおり、
待機児童や延長保育、一時保育の問題を初め認可の規制緩和、
補助金の意義、公立の果たすべき役割、そして真の民間活力の導入等、
検討する場を設け、保育サービスのあり方についての方針を取りまとめ、
公立保育所の民営化に取り組むよう要望しました。
|
-
幼稚園の民営化推進
幼稚園の民営化推進
田中の考え |
公立幼稚園に関しては、
民営化(民間委託)の議論がされたことはなかったようです。
もちろん、幼稚園の民営化は、
保護者、つまり市民の直接の負担がふえることが予想されるため、
慎重な議論が必要であることは言うまでもありません。
現に民間事業者からの引き受け手がなかった、見つからない、
だから実際には困難だという理由も伺いました。
教育、保育の質の観点から、単純にコスト論を先行させるのは、
先ほどの保育園の民営化同様、危険な政策であるかもしれません。
しかし、
公立幼稚園の運営に関して効率化を図る必要性がないわけではないと思います。
|
質問 |
■1点目
なぜこれまで幼稚園に関して民営化の議論がなされなかったのか、
このことに関して当局のお考えをお聞かせください。
■2点目
効率的な運営に向けての取り組みは必要であると思います。
幼稚園行政での具体的な経費削減の取り組みをお聞かせください。
|
回答 |
■1点目に対する回答
本市の幼稚園教育は、
公私共存の原則を基盤にしてきた経緯があるからでございます。
現状を申しますと、市立幼稚園22園は2年保育、
私立幼稚園40園は3年保育でございます。
平成15年5月1日現在、市立幼稚園に1,590名、
私立幼稚園に7,971名の園児が通園しております。
市内の全幼稚園児の中で市立幼稚園児の占める割合は16.6%となっており、
幼稚園教育希望者の8割以上の方は私立幼稚園に通っております。
現在幼児の急増地域におきまして
私立幼稚園での受け入れが困難な状況が生じておりますが、
この対応には、公私共存の原則に立ち、急増対策として、
平成16年度には
市立幼稚園の募集幼児数を臨時的に増員にするなどの対応をとっております。
幼稚園の民営化につきましては、
今後、市立幼稚園の適正規模、適正配置、公私負担の公平化等の
これからの幼児教育のあり方を検討していく中で、
視野に入れざるを得ない大きな課題と考えております。
■2点目に対する回答
毎年出されます予算編成方針の内容に基づき、
幼稚園運営経費、光熱水費などの経費につきまして、
節減に努めているところでございます。
また、平成10年の全園2年保育実施の際、
増築をしないことや休級、休園の規定などを設けるなど、
幼稚園運営の効率化に努めているところでございます。
|
結論・要望 |
民営化(民間委託)の計画はないものの、
公私負担の公平化等の幼児教育のあり方を検討する中でも
民営化を視野に入れたいということでした。
県による許認可や
保護者の直接の負担増を考慮すると、
民営化が難しい問題であることは理解します。
しかし、
私立、公立に通っている児童数の割合を考えたときに、
「保育料が安い」とか「近い」という理由で公立に通わせたいけれども入れず、
仕方なく私立に通わせている保護者も多数おられます。
そんな格段に安い保育料となっている公立に対して、
私立幼稚園は、自己努力で魅力を出しながら経営しておられるわけです。
そのような中、私立幼稚園と競合して、
かつ公私負担の不公平もそのままということでは困ります。
一方で、財政難の中、
私立幼稚園就園奨励金だけを上げるわけにはいかない状況にあるのも現実です。
であれば、民営化の計画がない現段階では、
公立の保育料の値上げに理解していただく等の努力も必要となります。
実際の民営化までにはまだまだ議論が必要であることから、
内部経費の削減の努力と合わせて、
民営化の検討も、積極的に行うよう要望しました。 |
-
学校給食一部民間委託の導入
-
直営による経費削減
直営による経費削減
田中の考え |
民営化の議論が出てきて検討委員会が立ち上がってから
ようやく具体的な対策に乗り出した形になってしまいましたが、
今年度より、学校給食検討委員会での答申を踏まえ、
引き続き、直営で経費削減を実施するということで続行されました。
|
質問 |
まずは、予算額で結構ですので、
経費削減の具体的な取り組みと効果額をお教えください。 |
回答 |
平成13年度の西宮市学校給食検討委員会におきまして、
直営方式の中で正規調理員を嘱託調理員に切りかえるとともに、
給食数や調理作業の実態に即した効率的な配置基準に改正する
などにより、
人件費を削減されたい旨の提言をいただいております。
その提言をもとに西宮市学校給食基本方針を策定し、
平成15年度より新体制に移行いたしました。
ご指摘の効果額につきましては、
旧体制による平成12年度の決算額と新体制による平成15年度の
決算見込み額を比較いたしますと、
平成12年度の人件費は約21億円で、
それに対しまして平成15年度の人件費の決算見込み額は18億2,000万円で、
差し引き約2億8,000万円減少すると考えられます。 |
-
民間委託との比較
民間委託との比較
質問 |
検討委員会での議論の際に、
民間委託した場合にかかる経費のシミュレーションは行ったのか、
行ったのであれば、
直営で行財政改善を行った効果額が民間に委託した場合に比べて
どの程度まだ高い状態なのか、お示しください。
|
回答 |
民間委託した場合の試算は、
検討委員会の中で他都市の学校給食業務において
実績のある4社の見積もりに基づいて行いました。
それによりますと、
平成15年度では、
民間委託約17億7,000万円に対し直営では18億2,000万円で、
直営が約5,000万円程度高くなります。
また、平成20年度では、
民間委託16億8,200万円に対し直営が17億1,300万円で、
直営が3,100万円高く、
平成25年度では、
民間委託15億800万円に対し直営が14億9,300万円で、
直営が1,500万円安くなります。
このように、試算上では年度により
民間委託と直営による経費が退職者の数などにより前後しています。
一方、民間委託を10年以上前から実施しております自治体の例では、
年数を経るに従い委託経費が増加する傾向も見受けられます。
これらのことを総合しますと、
長期的に見れば、
本市の直営は民間委託に近い経費で運営できると考えています。
|
-
今後の効率化-調理業務の民間委託
今後の効率化-調理業務の民間委託
田中の考え |
衛生面や栄養面、アレルギー対策等、
安全面に十分配慮した運営をしていかなければならないことは言うまでもありません。
そうした努力をしながらも、新規採用の抑制による職員の嘱託化等を行い、
職員のアイドリングタイムを減らすなど、
年間契約ではなく、業務日数契約が可能となれば、
もっと効率的な運営が可能となります。
民間委託すれば、さらに柔軟な運営が期待できますし、
安全面に関しても、
もし事故を起こせば民間事業者にとっては死活問題ともなりますので、
むしろ公立で行うよりも
安全に十分注意した運営を行って頂ける可能性は高いです。
ですので、
学校給食に求められている衛生面や栄養面の優位性を
民間事業者よりも効率的に保てているのかどうかの検証は、
今後もさらに行う必要があると思います。
現在の西宮市の学校給食は、
各校の調理室で調理を行う単独調理方式をとっていることから、
学校給食会からの食材の調達業務の効率化の課題は残されるものの、
まずは、小・中学校それぞれ数校を選定して、
当面は、労務管理を含めた調理業務を入札で業者を決め、
単年度もしくは2年ごとくらいの契約更新を行う方式の一部民間委託をすれば、
常に民間との比較ができ、直営部のより効率的な業務改善にもつながると予想されます。
|
質問 |
今後の学校給食業務の効率化についてお考えをお聞かせください。 |
回答 |
学校給食検討委員会の提言を尊重し、
引き続き、直営の中で効率的な運営に努めてまいりたいと考えており、
御指摘の一部民間委託は、これまでの経緯から難しいと考えています。
|
結論・要望 |
一部の学校での調理業務の民間委託については
検討すらしないという回答でした。
確かに御答弁どおり、給食業務すべてを委託すれば、
試算上、10年もたてば民間でも硬直化してくる可能性はありますので、
当然効果額がひっくり返ってくる可能性もあります。
だからこそ、
短期の契約更新が可能な状態で入札によって一部の学校の調理業務を民間委託し、
競争し続けるべきではないかと提案したわけです。
ようやく嘱託化による経費節減等に取り組め、
しかも、今年度から新体制を組んだばかりという現在、
すぐに答えを求めても時期尚早なのかもしれませんが、
経費削減に消極的な回答と言わざるを得ません。
今後も経費節減に取り組み続けるよう求めました。 |
-
食肉センターの運営改善策
-
兵庫県からの支援
兵庫県からの支援
田中の考え |
現在、第三者機関である検討委員会において
存廃を含めた議論が行われていると、
9月議会の厚生常任委員会でも報告があったばかりです。
内部努力による経費削減を行う必要性は言うまでもありません。
現場では民間事業者からの経費削減についての提案があるなど、
外部から見ていて、無駄な部分がまだまだあるようです。
そして、
使用料の見直し、つまり引き上げも検討しなければならないでしょう。
民営化するにしても、ほぼ100%近い稼働率が実現しているにもかかわらず、
全く採算がとれていない状況では、
当然それを引き受けてくれる民間事業者が出てこないことも容易に想像ができます。
その際には、先ほど挙げました幼稚園や学校給食同様、
直営で行うことも視野に入れておかなければならないと思います。
食肉センターの耐用年数は60年と聞いていますが、
まだ(開設から)15年しかたっていません。
これを民間事業者の引き取り手がないからといって廃止してしまうのであれば、
この建物自体は使い道がなくなり、15年前の投資に意味がなくなると同時に、
建物の解体経費がさらに発生してしまいます。
そしてまた、この土地の(跡地)利用に関しても、
なかなか進まないのは容易に想像がつきます。
また、食肉センターへの市税の投入によって
市民にどれだけ還元されているのか、
現実的につかみにくく、
食肉センターの運営は広域的な取り組みであると考えられます。
これまでも兵庫県への移管や補助金の申請を行ってきた経緯もあるようですが、
いまだ受け入れられていません。
近隣他市への負担を求めようにも、
県に指導してもらわなければできるはずもありません |
質問 |
今後も引き続き、兵庫県や近隣他市への助言等も含めて、
広域行政の観点から兵庫県に協力してもらえるよう強く要望していくべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。
|
回答 |
西宮市食肉センター特別会計に
一般会計より多額の繰り入れを行っていることに対し
市議会での厳しい御指摘を踏まえまして、
平成15年6月に西宮市食肉センター検討委員会を発足させました。
この検討委員会は、
各分野専門の立場から利害関係のない第三者である
学識経験者など7名により構成されております。
検討委員会の目的は、食肉センターの経営状況を分析し、
存廃も含めた食肉センターのあり方、方向性を定めていくことであり、
市長に提言をいただくことになっております。
現在まで6回の委員会を開催しております。
提言については、年内に提言をいただく予定でございましたが、
解体業者の方々の意見聴取などもあり、
検討委員会での議論の回数がふえ、年を越すことになりました。
そのよう中で、兵庫県に対する要望につきましては、
毎年、食肉センターを設置する
兵庫県下の3市2町1事務組合で構成する兵庫県食肉センター設置市町連絡協議会として、
県に直接出向き、広域的な立場に立った再編成等の要望を行っております。
現在まで度重なる要望に対しましても極めて厳しい状況で、
県から前向きの回答は得られておりません。
しかしながら、食肉センターは広域的施設としての必要性から、
引き続き県に要望してまいります。 |
-
経費削減の取り組み
経費削減の取り組み
質問 |
同時に、内部経費の大幅な削減を断行し、
使用料の引き上げ等も検討しなければならないでしょう。
赤字の削減のための取り組みについてお考えをお聞かせください。 |
回答 |
この間、人件費を初め運営経費などの歳出の削減を行い、
さらに、
歳入面では、平成13年度に使用料を牛2,950円を4,000円に、
豚880円を1,000円に大幅改定をいたしました。
その結果、平成11年度と平成14年度決算額の比較では、
約9,000万円の削減となりましたが、現行の大幅な赤字を解消するには至っておりません。
今後、検討委員会の提言をいただき、
市としての基本的な考え方をまとめてまいりたいと考えております。 |
結論・要望 |
現在検討委員会で議論していただいている段階ですので、
今後の方向性についてはそこでの提言を待つしかない状態にあることは理解できます。
現状では、民間の引き取りはなく、
開設から15年しか経過していない事から、
当面は、直営で運営しない限り継続できないことは明白です。
また、現状を見たときに、赤字の削減だけはせざるを得ない状況になっているわけです。
内部経費の削減の一層の努力と、使用料についても使用者の理解を求めながら検討し、
広域的な事業であることからも、
県への粘り強い要望をさらに強化するよう要望しました。 |
- 組織について
-
各課・部・局の名称(要望に変更)
各課・部・局の名称(要望に変更)
田中の考え |
今ある組織、名称の中に
市民にとって親しみにくい名称が多数あります。
先日、お隣の芦屋市では、
市民の方が身近なことで困ったことがあったときに相談に応じる担当の課に
「お困りです課」という、
一目でわかる市民にとっても親しみやすい名称が採用されたことは、
記憶に新しいことであります。
本市には、ずっと市役所にいる人たちにとってはなれ親しんだものであっても、
時々しか用事がない一般の市民の方にとっては
わかりにくいものが多数あるように感じられます。
実際に新人の私も、問い合わせたいことがあるときに、
どこに問い合わせたらいいのかわからず、
間違えて職員さんに御迷惑をおかけすることがしばしばありました。
私の場合、仕事ですので、それではいけないとは思うのですが、
一般の市民の方にそれぐらいは知っておくようにと言うには不親切です。
市役所はあくまで市民のものであり、その市民が利用しやすい、
親しみやすい名称が使われるべきであると考えます。
例えば、
高齢者生活の支援について担当している課は幾つかありますが、
長寿福祉課といった漠然とした名称では、
何をしているのかわかりづらいですし、親しみにくいとも思います。
本市の目指すものの一つに市民の協働・参画を掲げている以上、
市民にとって親しみやすい市役所をつくっていくためには、
まず、名称一つから検討する必要があると考えます。
この改善には、多額のコストを要しません。
各課に自分たちの仕事を市民にわかってもらえる、
しかも親しみやすい名称を提案してもらえば、候補は幾つも挙がり、
検討ができるものと推察されます。
今後、積極的に検討するよう要望します。 |
質問 |
なし |
回答 |
なし |
結論・要望 |
細かいところですが、利用者(市民)目線で考えることが重要です。 |
-
中央病院への地方公営企業法の全部適用
中央病院への地方公営企業法の全部適用
田中の考え |
西宮市立中央病院では、
現在、地方公営企業法のいわゆる財務適用を行っているわけですが、
兵庫県では、昨年度より県立病院に対して地方公営企業法の全部適用を行いました。
この措置が経営状態に影響を及ぼすのはもう少し先のことと考えられますが、
高度医療、特殊医療の不採算部門を除く医療に関してより効率化を図るという意味では、大変効果のある措置であることが期待されております。
国では、平成16年度より、
高度かつ専門的な医療センターを除く国立病院を独立行政法人化し、
経営は各病院にゆだねることが決まっております。
また、地方財政健全化のための手段ともとれる地方独立行政法人法がことし7月に成立し、本市では、水道事業、病院事業への適用の可能性が出てきました。
公立病院の果たすべき役割、
つまり、
市民に対して高度な医療を安心して提供できる状態を保つという役割を果たしながらも、
一般の医療部門に関しては独立採算制を原則とすべきですし、
そのためには診療科別もしくは疾病別の収支計算をする必要もあるかと思います。
今年度から実施されている3カ年の健全化計画を見守ることも必要かもしれませんが、
その責任者を明確にするためにも、
また、現場での柔軟な対応を可能とするために、
例えば、医療サービスや組織づくり、
経営改善策の実施ができるよう権限を現場に移譲する必要があると考えます。
また、自立した経営を職場全体に広めるためにも、
最終的には地方独立行政法人法の適用も視野に入れた
地方公営企業法の全部適用を行うべく、
検討委員会を立ち上げる等をして検討を始めるべきです。
|
質問 |
国の動向を見ての全部適用についてお考えをお聞かせください。
また、検討をする意思がないのであれば、その理由もお聞かせください。 |
回答 |
全部適用いたしますと、
法律上は任意適用とされています組織及び身分取り扱いに関する規定を
条例で定めることにより、
病院事業の組織を独立させ、
職員の任免、給与等の取り扱いなどの権限が管理者に付与されることになります。
全国の自治体病院1,076病院のうち全部適用しているのは137病院であり、
全体の12.7%と低い割合にとどまっている現状にありますが、
最近では、病院経営の責任の明確化を図る上で、
全国的に法の全部適用の導入が推進される傾向にあります。
また、御指摘のとおり、兵庫県でも、平成14年度から全部適用を行い、
県立12病院の経営に当たっているところでございます。
地方公営企業法を全部適用することによりまして、
経営責任をより明確にするとともに、
人事システムなどを見直すことで現状の改善を図る余地は
大きくなるものと考えられますが、
他方、全部適用することで直ちに収益の増や収支の改善につながるなど、
即効的な解決が図られるものではございません。
こうした状況から、当院といたしましては、
まず、経営の状況を短期的に改善していくことが
当面の最善の策であると考えていまして、
将来的には、経営健全化計画の進捗状況を検証していく中で、
地方独立行政法人法の適用の可能性も探りつつ、
地方公営企業法の全部適用について検討してまいりたいと考えています。 |
結論・要望 |
将来的には、
地方独立行政法人法の適用も視野に入れて地方公営企業法の
全部適用も検討したいとのことでした。
「将来的には」ではなく、
経営健全化計画の進捗状況の検証の最中にも、
この全部適用についての検討も前向きに行うべきです。
たとえ全国での適用実態が13%であろうとも、
国や県の動向を鑑みると、
前向きに検討するに値すると思います。
自治体病院の果たすべき役割を
いま一度認識していただきたいと思います。
私が6月に質問しました件についてもそうですが、
第1にあるのは、政策的医療、そして高度医療、
特殊医療といった不採算部門の医療を提供するということであるはずです。
兵庫県が始めたとおり、経営健全化と同時に構造改革が必要です。
院内全体への意識改革を浸透させていくためにも、
全部適用について、検討するよう要望しました。 |
配布資料1
配布資料2 |