一転、市立学校の臨時休業延長ー決断に対する信頼

2020年4月7日[カテゴリ:コラム

小・中学校、義務教育学校、特別支援学校の始業式が行われる朝の掲載となってしまいました。

というのも、3日(金)に市立学校再開の決定が発表された後、かなりの数の不安の声も寄せられた様子で、土日を挟んで、6日(月)の朝になって決定が変更されました。そして、文書で私たちに通知があったのが15時過ぎでした。

「やっぱり市立学校の臨時休業を延長します。。。」

大阪市長のお花見に対する対応の「朝令暮改」とはわけが違います。
影響を避けられない方が多すぎるからです。

「始業式、入学式はそのまま実施します。。。」

今回の判断の遅れが、学校現場と保護者に混乱をもたらしたことは、想像に難くありません。
これだけでは、場当たり的な感じが拭えず、かえって、ますます不安を募らせている方も多数いらっしゃると推察されます。

始業式は、規模を少しだけ縮小して実施されています。
もっと早くに方針を決定していれば、3月下旬に実施された登校日のように、時差通学による「密集」の回避も可能だったと思いますが、急ですので、大きな変更はできなかった模様です。

入学式はもともと規模を縮小して行われる予定でしたが、今のところ(4月7日(火)朝)、実施日の変更はありません。

2月27日に総理大臣の突然の発表があった時に、混乱も含めていろいろなことを経験してきたはずです。1日、2日で対応を決定したときに出てきた課題を知ることができたはずです。あの時の経験が全く活かされていないと言っても過言ではありません。

感染者がこの2日で6人増えましたが、そうした事態を想定できなかったかというと、そうではなく、春休みが終わる日は確定していたわけですから、いくつかのケースを想定して子供の学習環境への影響を考慮した指導計画のパターンをシミュレーションして準備を進めていれば、あとは、その時の客観的な状況分析によって、迅速な判断と対応が可能だったはずです。

昨日、およそ2週間ぶりに開かれた「西宮市議会災害対策支援本部役員会議」を傍聴しましたが、今回大きな決定を覆した理由を「多くのご意見を頂き」、「周辺の首長との意見交換」の中で、「状況認識の感覚に変化があった」と説明されました。そして、3月の臨時休業を経験として前向きに理解しようとしていなかった様子で、今回も客観的かつ具体的な事象ではなく、「感覚」の一言で済まされてしまいました。

やっぱり。。。

行政のトップとして一度決定した方針を変更するのはよほどのことです。行政のトップがちょっと突っ込まれると説明がつかない、批判によって変わるような判断をするようでは信頼を失います。今後は、今回決定を覆したことも含めて、客観的なデータや事実、法的根拠を具体的に用いた説明がなされるよう求めていきたいと思います。

そして、3日のコラムにも掲載した通り、子供たちにはまったく学習をさせないわけにはいきません。10か月後に受験を控えた最高学年は特にです。それぞれ始業式・入学式実施の後に学校を臨時休業するということは、子供たちの学習活動は始まっていると理解すべきだと思っています。
ですので、今後、約1ヶ月間の自宅での学習を最大限フォローしていく体制が絶対に必要です。それらもセットにして、これまで様々なケースを想定して検討・準備していたのか、これから更に問われると思っています。

これからが勝負。

これまでも、情報開示の重要性をコラムで再三訴えてきましたが、市の姿勢は大きくは変わっていません。
市は、「知りたければ、文書で質問をして来い」という姿勢を貫いています。
金曜日に提出した質問にどのように回答されるのか。土日を挟んだ昨日は回答がありませんでしたが待ちたいと思います。

当然、やらなければいけないことは、学校の対応だけではありません。
私たち市民と課題を具体的に共有して頂いていれば、もっと早くから様々な方面から提案が集められたと思っています。
市が変わらないのであれば、これからは文書による質問を繰り返してでも課題を共有し、解決方法を考えていきたいと思います。

市長には、今回の顛末に対する猛省と今後の名誉挽回を期待したいと思います。

以下、教育長から発出された文書の内容です。

=====変更後の方針(4月6日(月)15時過ぎ)=====

新型コロナウイルス感染拡大防止のための臨時休業等について

本市では、「新ガイドラインを踏まえた教育活動の再開 短縮授業期間の設定等について」(4月3日付文書)で、教育活動の再開と準備について通知したところです。
しかしながら、県内では、依然として多くの地域で、感染が見られます。このたび、本市は、県の協力要請や新型コロナウイルス感染症対策専門会議での状況分析・提言に鑑みて、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、市立学校園を下記のとおり、臨時休業します。つきましては、貴校関係教職員への周知願います。

引き続き、各学校において、今後、国や県が発信する情報に注意しながら、冷静に対応願います。

1.対象及び臨時休業期間
(1)小学校、中学校、義務教育学校、特別支援学校 4月8日(水)~5月6日(水)
(新1年生は入学式の翌日、新7年生は進級式の翌日からとする)
(2)高等学校4月9日(木)~4月19日(日)
<※週1日の午前中の登校日を設定する>
(3)幼稚園4月11日(土)~5月6日(水)
(新入園児は入園式の翌日からとする)

2.学校行事、校外学習等について
(1)始業式:実施する
(2)入学式・入園式:実施する

(3)1学期中に予定している集団感染リスクが考えられる学校行事は中止または延期とする
例 離任式、授業参観、オープンスクール、家庭訪問など

(4)修学旅行:1学期実施予定分については、8月下旬以降に延期する

(5)自然学校:全小学校 2泊3日に短縮する。
また、1学期実施予定分については、8月下旬以降に延期とする。

(6)校外学習:不急の校外学習は自粛する。年間を見通した精選が必要である。
それでも、欠かせない計画については、情勢を注視し、9月以降に延期する。ただし、幼稚園はこの限りではない。

(7)運動会・体育大会
3つの条件が重なることのないよう、実施内容や方法(例えば、半日での開催等)の工夫が必要である。特に、密集・密接する場面が多い運動については、安全な実施が困難である場合は、実施を見合わせる。

(8)その他の県関連行事及び全市的行事等の開催・実施の可否
<4月>
①【小・中・義・高校】春の市民体育大会:中止する
②【小学校】環境体験事業:実施する
<5月>
③【中・義・特別支援学校】トライやる・ウィーク:延期する
<6月>
④【中・義】わくわくオーケストラ:後日連絡する
⑤【小学校】西宮市小学生陸上競技大会:中止する
⑥【中学校】西宮市の公立高等学校合同説明会:中止する
<7月>
⑦【小学校】合同音楽会:中止する
⑧【中学生】中学生米国生活体験派遣:中止する
(9)部活動について
①中学校・義務教育学校後期課程:実施しない。
②高校
・活動場所は学校内とする。
・登校日のみ実施する。
・活動時間は2時間を上限とする。
・対外試合・合同練習・合宿は自粛する。

3.その他
(1)欠席調査について
学校保健安全課より「始業式・入学式の電話による欠席調査について(依頼)」(4月1日付C4th文書連絡3200015)で依頼したところですが、「新型コロナウイルス感染症拡大を懸念し、登校に不安・心配を感じる場合」の人数を把握するため、送付文書「電話による欠席調査(差替版)」に差替願います。
(2)教育実習などの受け入れについて
西宮市立学校園が5月6日までを臨時休業としている状況及び市立学校園の施設閉鎖の目安等については、教育委員会を通じて、大学等関係者に連絡します。各学校園は、引き続き、予定期間での受け入れ準備の継続をお願いします。
(3)臨時校園長会議
5月7日以降の教育活動の再開について、4月中に開催します。日時などについて後日連絡します。

=====変更後の方針(4月6日(月)15時過ぎ)=====

学校での教育活動だけでも、多数課題があることがわかります。今やるべきことを懸命に考えていきたいと思います。

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