今年も、西宮市にある「阪神甲子園球場」で熱戦が繰り広げられた全国高等学校野球選手権大会が終わり、多くの感動と元気を頂きました。いろいろと課題が指摘されていますが、いつまでも続くことを願っています。
さて、以前のコラムの中でも掲載しましたが、私は、今年の6月から教育こども常任委員会の委員を担当することになりました。教育や子供の政策を担当する委員会の委員になるのは、市民文教常任委員会の時から数えて9年ぶりとなります。
そして、常任委員会では「施策研究テーマ」を設定して、市の政策や取組みについて集中的に調査し、市に対して政策提言を行うことになっています。
私からは、
・家庭教育支援の取り組み
・部活動改革
・市立保育所民間移管計画
を提案していました。
そして、約1ヶ月にわたる委員間での協議と正副委員長による調整の結果、今年度のテーマは、「学校支援について(応答的な関わりができる環境づくり)」と「保育所整備の将来像と今後求められる保育所のあり方について」に決定しました。
「学校支援について」の項目では、主に不登校など学校で生じている課題に迅速に対応できる体制について調査し、改善・補強するべき点などを提言する予定となっています。
核家族化が進み、昨今では、共働きやひとり親世帯も増加しています。保育所不足の対応もそうですが、不登校対応の遅れは、日本の社会環境の変化に制度が追い付いていない、追い付こうとしていないことに原因があると感じてきました。
そして、保育所不足の対応の遅れによって、もちろんそれだけが原因ではありませんが、少子化に歯止めがかかることはありませんでした。そして、不登校児童生徒に対する対応は、遅れると一人の子供がもつ無限の可能性を閉ざしてしまうことにもなりかねません。
教育支援センター「あすなろ学級みらい」が整備された
「西宮市こども未来センター」
私は、より早期の対応を可能とする体制が必要ではないかと考えており、令和4年6月議会の一般質問では、不登校の対応について取り上げる中で、ご家庭からの相談の現状について教育委員会に質問しました。
====本会議場での質問の概要====
1.不登校の対応について
ア)家庭教育支援
■質問の背景(田中まさたけ)
(再掲)本市では、少子化が進行する中、資料のグラフ(←クリックすると不登校の状況に関する資料がご覧いただけます。)にも示しましたとおり、小・中学校における不登校児童生徒の人数は増加傾向にあり、令和2年度の不登校児童生徒は、小学校で296名、2クラスに1名の割合となっています。中学校で585名、こちらはおよそ1クラスに2名の生徒が不登校の状態にあるという状況でございます。
そして、小学校では約46%、中学生では63%の不登校児童生徒が90日以上欠席しているとのことでございます。
また、児童生徒全体に占める割合が、小学校においては平成29年度以降、中学校においては平成30年度以降、兵庫県及び全国のいずれの割合よりも大きくなっております。そして、平成28年12月に教育機会確保法が成立し、本市においても、国の基本方針に従って、あすなろ学級の拡充やオンライン学習の対応、居場所の情報提供など、支援の取組が強化されてまいりました。
この基本方針に基づいた取組は大変重要と考えますが、私はさらに、未然防止・早期対応が可能となる環境を整備する必要があると考えております。(再掲終わり)
■質問(田中まさたけ)
不登校の児童生徒と保護者が孤立することのないよう、相談体制を強化するべきと考えますが、市は現在どのような取組を進め、効果を上げているのか、お尋ね致します。
■教育委員会の回答
西宮市では、不登校児童生徒や保護者の相談窓口として、こども未来センターに電話窓口を設置しており、令和3年度は1,366件の相談に対応しました。また、学校においても、教育相談担当者を中心に、年度初めに3日連続の欠席者を不登校の初期段階と捉え、学校体制で対象となる児童生徒の情報を収集し、共有しております。
教育委員会としましては、令和3年度、全ての学校を対象に30名のスクールカウンセラーを派遣し、3,269件の相談に対応しています。
また、5名のスクールソーシャルワーカーが209件の家庭内の問題等に対応しており、課題解決に向けた取組みを進めています。さらに、オンラインによる相談体制も設けており、その相談には、教育支援センターの支援員が対応することとなっています。
このように、不登校児童生徒や保護者を孤立させないよう、個々の状況に応じたきめ細やかな支援に努めております。
====ここまでが本会議場での質問の概要====
一般質問では、限られた時間でもありますので、概要のみ回答を受けました。
令和3年度の1年間で、スクールカウンセラー1名あたり平均約108件の相談を受け、令和3年度の1年間で、スクールソーシャルワーカー1名あたり平均約42件の課題に対応していることが分かりました。
この体制で、1000人を超える市立小中学校の不登校児童生徒に必要な対応がどの程度できているのか、こども未来センターに設置された電話相談で受けた相談の対応の状況、30名のスクールカウンセラーが受けている相談内容や5名のスクールソーシャルワーカーが対応している「家庭内の問題等」とはどのような問題なのか、今後、教育こども常任委員会での議論の中で課題の洗い出しをしなければならないと考えています。
質問の続きは、次回以降のコラムで掲載して参ります。
====田中まさたけフェイスブック投稿より====
昨日16日(火)には、教育こども常任委員会が開かれました。
今年度の教育こども常任委員会の施策研究テーマは、「学校支援について」と、「保育所整備の将来像と今後求められる保育所のあり方について」の2項目に決定しました。
学校支援については、不登校児童生徒の急増や教員の働き方改革などが課題となっている中で、学校が子供や家庭としっかりと向き合える環境づくりについて考えます。
保育所については、西宮市でも子供が急激に減少する中で、保育所の待機児童が一向に解消しない西宮市の政策を検証します。
国では来年4月に「こども家庭庁」が創設され、中学校の部活動の地域移行が本格的に進めれる見込みです。西宮市の現場での情報や国の情報も収集しながら、研究を進めたいと思っています。
写真は15日(月)に撮影したものです。
毎年「戦没者を追悼し平和を祈念する日」には、西宮市遺族会主催の戦没者慰霊祭が開催されていますが、急激な感染拡大により中止されました。昨年は、雨天のため中止でした。
震災記念碑公園に設置されている戦没者慰霊塔前にて黙祷、献花し、神戸の護国神社をお参りしました。