西宮中央運動公園及び中央体育館・陸上競技場等再整備事業費

2022年8月14日[カテゴリ:コラム, スポーツ推進

 令和4年度の当初予算において、事業者選定の直前で中断した当該事業を、余分な予算と時間をかけず、当時の要求水準書などのまま入札を再開するべきという考えのもと、計上されていた基本計画等の見直しに要する予算1800万円を削除するという予算の修正案を提出(←クリックするとコラム「西宮市長選挙2022」が開きます。)しましたが議会では否決されましたので、基本計画等は見直されることが決定しました。


避難所に指定されている市立中央体育館

 そして、令和4年7月25日に開催されました民生常任委員会及び7月28日に開催されました建設常任委員会において、その予算を使って再検討された内容について、主な変更点等の概要が示されましたので掲載致します。

 元の基本計画についてはこちらの基本計画をご覧ください。

主な変更点


現在の体育館(バスケットコート2面相当)
現在はサブアリーナはなく、現在の体育館の観覧席は1344席です

新体育館
・延床面積:約13,000㎡⇒約11,000㎡に縮小
・メインアリーナ:バスケットコート3面分=変更なし
・サブアリーナ:バスケットコート1面分=変更なし
メインアリーナ観覧席:3000席以上(固定・移動席合計)⇒1500席以上(固定席)
・武道場:柔道・剣道場合計4面/観覧席200席=変更なし
・諸室:会議室・談話室(控室)⇒会議室(控室兼用)

↑この事業はPFI(建設、維持管理、運営等を一貫して民間事業者の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う事業手法)により実施されることに変更はありません。
 観覧席の席数については、当初の基本計画では3500席以上となっていましたが、その後も過剰な規模とならないよう事業者の公募を実施する直前まで入念に検討し、3000席に削減していました。
  
 今後、入札で決まった民間事業者の提案により、落札額の範囲内で増席も可能となります。サブアリーナの観覧席についても民間事業者の提案に委ねられています。

 体育館供用後の維持管理コストや稼働率、利用者の利便性を総合的に判断して提案されることが期待されるところがPFI事業の利点と考えています。

 観覧席は、市民大会運営時の選手の荷物置き場にも使われますし、当然付き添いの方々の観覧の場としても使われますので、公共体育館の整備や運営の経験が豊かな民間事業者による、利用者の利便性を考慮した設計となることを期待しています。


現在の陸上競技場

新陸上競技場
トラック:第4種公認・全天候型舗装・400m×9レーン⇒レーン数見直し
・インフィールド:人工芝(投てき競技対応)=変更なし
・照明設備:あり=変更なし
・スタンド席:1000席(一部屋根付き)=変更なし
・トラック外周部:トラックと同じ平面にし、観覧スペースと選手の練習待機場所としての活用を検討(計画変更)

↑数十年に一度の再整備事業ですから、大会のみならず陸上競技の練習にももっと活用してもらえる内容にならないか、改めて陸上の利用者の意見も聞かせて頂きました。
 インフィールドの活用については、陸上競技のみならず、サッカーなど他の競技の利用により施設の稼働率を向上するために投てき競技が可能な人工芝での整備を予定しています。


インフィールドではサッカー等の競技で利用されています

その他
環境性能:省エネ技術の積極的な導入/ZEB化(高環境性能・低環境負荷)を検討
・再生可能エネルギー:事業者提案⇒太陽光発電の導入(必置)
駐車場:約400台以上⇒300台以上(平面のみでも可)に縮小
・駐輪場:約450台以上=変更なし
・公園施設:指定なし⇒インクルーシブ遊具の導入
・防災施設:備蓄倉庫・マンホールトイレ等=変更なし
・雨水貯留施設:既設450㎥+新設3500㎥=変更なし
・道路改良:西側道路右折レーン・歩道整備=変更なし
・民間提案施設:基本的に変更なし

太陽光発電の設置については、周辺の住環境への悪影響や維持管理の観点からも、慎重に検討するべきではないかと考えています。
 管理運営を担う民間事業者に環境評価や費用対効果の計測を委ね、設置の可否を判断をした方がよいと考えています。

 また、駐車場についても、プロバスケットボールの試合回数は減少する見込みですが、アメリカンフットボールの試合等が行われるようになった場合は、駐車場が不足しないのか心配されます。過剰な施設整備は必要ありませんが、周辺の交通環境にも配慮して慎重に検討するべきだと考えています。

整備費用
物価変動による影響
入札公告時点(令和2年)で整備した場合:126.6億円

令和4年に計画を見直さずに整備した場合:146億円

 ↑入札を中止したことにより、事業費が約20億円増加したと言えますので、市の財政に対して大きな損害を与えた判断だったと言わざるを得ません。
 上記のとおりに、基本計画を変更して施設の規模を縮小した後の整備費用については、今後試算されることになっています。

今後の予定
令和4年度:入札公告(令和5年3月)
令和5年度:落札者決定
令和6年度:設計・解体(多目的グラウンド)
令和7~8年度:新体育館建設
令和9年度:新体育館供用開始
令和10年~11年度:新陸上競技場建設・供用開始(旧体育館等解体)/公園全面供用開始

令和3年12月議会一般質問(←クリックするとコラム「市立中央体育館の再整備のゆくえ」が開きます)で回答された事業スケジュールより、さらに全面供用開始の時期が遅れています。

 もたもたしている間に、プロバスケットボールチームの西宮ストークスは、ホームアリーナを神戸市に新設して移転することを発表されました。西宮市は、地方創生の機会を一つ喪失し、中央運動公園内に整備される予定の「民間提案施設」の提案の幅も狭めてしまったのではないかと考えています。

 PFI事業の利点の一つである民間提案施設によって、管理運営する事業者の利益が確保できれば、その分、運営費に対する税金投入額を抑えられることも期待していましたので、事業を延期したことによりその可能性を低下させたとなれば、その分も市に対して損害を与えることにもなります。

 次は、今年の10月に報告が予定されていますので、動向を注視してまいります。

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