西宮市長選挙2022

2022年3月29日[カテゴリ:コラム, 選挙

 27日(日)投開票が行われた西宮市長選挙では、現職が再選されました。

 私は、4年前の市長選挙の際に自民党推薦で出馬した候補を応援し皆さんに投票をお願いしましたが、わずかに及びませんでした。
 そして、その選挙で当選され、12年前の国政の政権交代の際に元民主党の国会議員として活動されていた現職市長を、他党の方と組んで「反維新」を掲げて有権者の方に支持を訴えることはどうしてもできませんでした。
 ですので、自民党公認で当選させて頂いている市議会議員として自分が立候補することも考え、昨年の衆議院選挙が終わってから党の関係者とも協議を重ねました。しかし、私の力不足で協議が調わず出馬を断念せざるを得ませんでした。

 市民の皆さんに選択肢を用意することもできず、「維新」対「反維新」の構図で固まりかけていた中、告示日の10日前に、保守層の選択肢になれればとの強い思いを抱かれた元県議の吉岡政和さんが出馬を表明されました。
 選挙期間中、早朝から晩までお手伝いをさせて頂き、一人でも多くの方に政策をお伝えしたいと思い、街宣計画の立案に携わり、まちなかでマイクも取り、政策ビラも配りました。このコラムで情報を発信する時間が取れないくらいに没頭し全力で挑みましたが、市民の皆様に対して訴える政策を十分に浸透させることができず及びませんでした。

フェイスブック投稿より
■3月26日5時56分投稿
4年に一度の市長選挙。
最終日は雨の予報です。

オリンピックも4年に一度。
寄せられる関心には大きな差を感じます。
住民にとって、西宮のまちづくりを担うリーダーを決める機会は4年に一度しかありません。
リーダーを選ぶのは市民、つまり、自分が暮らすまちの暮らし、まちづくりを選ぶのは市民のほかありません。その結果の積み重ねで現在があります。
偶然出来上がっているのではないことを、特にこの2年間、痛感しました。

吉岡候補は、財政基盤の強化を1丁目一番地に掲げ、子育て・教育環境の向上、防災対策の強化、地域経済の強化を重点的に取り組むことを訴えて参りました。
これまで建設的なことは特に何もできなかったリーダーが急に変わるとは思えません。まちづくりの基盤である財源の捻出という種を植えたとすら思えません。

市民に議員として市政を託して頂いた私も持っているのは1票。
議員初当選以降に関わる市長選挙はこれで5回目ですが、1回目を経験して以降は毎回、リーダーの選択肢を市民に伝えることで役割を果たさなければならないと思ってきました。
最後まで西宮のために頑張ります。

 今回は、いつになくマスコミに取り上げられた影響からか投票率は大幅に上がりました。投票率が40%を超えるのは実に43年ぶりになります。そして、今回の投票結果から、市政に対する関心の低さを改めて痛感しました。

有権者数:392,625人(前回 388,123人)
投票者数:162,067人(前回 145,608人)
投票率:41.28%(前回 37.52%)

 私は、現職市長と4年間、本会議場で議論をし、厳しいと言われるような意見も述べ、多くの政策提案や指摘を続けてきました。その結果、行政経営に関する考え方が大きく異なった市長の、1期目の最後に編成された予算に反対することになりました。その反対理由は以下の通りです。

====本会議場での議論の概要====

 ただいま上程中の議案第455号令和4年度西宮市一般会計予算に、政嵐会は反対致します。

 反対理由を述べます前にまず、昨日の夜11時36分に、福島沖を震源とする最大震度6強を観測する地震が発生し、一時は津波注意報が発令される状況となりました。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災されました方々に対しまして、心からお見舞い申し上げます。

 それでは、以下、反対理由を述べます。
 このたび反対致します内容は一点、西宮中央運動公園及び中央体育館・陸上競技場等再整備事業の事業費の精査に必要とされます、運動施設整備事業費にかかる事業支援・調査等委託料、1800万円の予算でございます。
 当該事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、財政状況の悪化が懸念されましたことから、令和2年6月に予定されていた入札が直前で中止され、現在まで対応が据え置かれております。そして、令和3年10月に示されました財政収支見込みでは、市税の減収はあるものの、地方交付税で措置されることにより、大きな財政悪化は見込まれないとのことでした。にもかかわらず、市はさらに当該事業費の精査を実施するために、この委託料を計上されております。

 私たちはこのような余分な経費と時間をかけず、新年度においては、コロナの前に時間を戻し、現在の要求水準書などのまま入札を再開するべきと考えております。

 事業費の精査を行う理由として、市は事業費が多額であることを挙げておられます。そもそも、再整備事業は、財政状況に余裕があれば実施するというような事業ではないはずです。現に、事業を中止していた最中の令和3年6月議会では、市は施設の必要性は認めておられまして、存廃の検討する予定はないと明言されています。
 つまり、事業費は多額となりますが、いつかは実施しなければならない事業であり、財源を確保しなければならない事業と言えます。

 そして、入札に至るまでに、約6年の月日と職員人件費を除いて約9000万円の費用を投じ、途中、石井市長就任後にも、西宮ストークスの撤退方針を受けて事業規模を縮小するなど、修正を重ねながら計画を練ってきた事業であります。また、令和3年12月議会では、市が考えている精査とは、目標を定めて事業費を圧縮するものではなく、環境への配慮や観覧席数、諸室の配置の見直しなどをお考えであることが分かりました。
 こうした精査は、PFI事業者の選定を行う入札の機会などに民間事業者の発想で提案を受け付け、取り入れた方が時間的にも費用的にも効率的であると考えられます。

 もし、原案(市が提案する予算案)のまま進めた場合、さらに約1年半の月日をかけて3800万円もの税金を投じなければならないと見込まれています。そして、事業の着手が1年半以上遅れることで、さらに職員2名の人件費と人材が余分に取られますし、南海トラフ大地震の発生が懸念される中、指定避難所ともなっている中央体育館は一刻も早く再整備しておくべきと考えております。

 よって、予算特別委員会民生分科会では修正案を提出し、修正部分を除く原案には賛成をするという立場で審査に臨みましたが、修正案が否決されたため、他には評価できる点も多数含まれた原案ではございますが、反対せざるを得ないということでございます。

 これより後は、2点指摘をしておきたいと思います。
 一つは人件費の高騰についてです。
 約4年前、石井市長の所信表明に対する代表質問では、当時から経常収支比率の人件費の割合が中核市の中で最も高い比率となっていることを指摘し、改善を求めました。その後も、たびたび人件費の高騰、特に職員数が増加傾向にあることに対しまして警鐘を鳴らしてまいりましたが、この4年間、改善の兆しは見られず、新年度予算におきましても前年度当初予算をさらに約10億円、前年度比で2.7%も増加する内容となっております。
 私たちは、限られた財源と人材で、いかに住民福祉を向上するかが重要であると考えます。膨らんだ職員数、人件費は、いずれ重たい負担となって市民にのしかかることを懸念しております。新年度におきましては、人件費の抑制に向けて結果を出せるよう取り組むべきと指摘しておきたいと思います。

 もう一つは、県立となります統合新病院の建設についてです。
 新年度予算におきまして、建設費にかかる債務負担行為が設定されました。その額は、金利を除いても、基本計画で示された市の負担金よりも大幅に増加しております。今後、機器購入費に対する市の負担金や開院後の運営費に対する市の負担も大幅に増加することを懸念しております。
 また、4年後に控えました統合新病院開院後の市立中央病院の職員の処遇の対応など未だ大きな課題は残されたままであり、中央病院を閉院するために必要となる費用の財源の捻出など早期の準備が必要であると考えております。
 新年度におきましては、兵庫県との連携を一層強化して頂いて、市の負担金がこれ以上計画を大幅に増えることないよう協議して頂き、中央病院の閉院に向けた準備も含めまして事業を進めて頂きたいと思います。
以上指摘しておきます。

====本会議場での発言の概要====

 約22000人の方が吉岡候補に投票して頂いたことを忘れず、また、この選挙での市民の皆さんのご意思を脳裏に刻み込み、残された任期の間「子供たちに誇れる西宮をつくる」ために、全力で市政にぶつかっていきたいと思います。

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