財政改善の作業も民間に委託-西宮市一般会計補正予算①

2023年8月10日[カテゴリ:コラム, 財政・財政改革

 支援者に情報をいただき、先日4日(金)の午前中、大阪の服部緑地内に整備された野球場で開催されておりました「MLB CUP」という野球教室を視察してきました。
 大変暑い中ではありましたが、小学生や中学生、女子野球の方々など多くの子供たちが参加され、元メジャーリーガーの福留さんと藤川さんが熱心に指導にあたっておられました。

 さて、遅くなりましたが、前回コラムの続きで、第2回定例会で決定しました補正予算について掲載します。

令和5年度補正予算(第3号)

 令和5年度西宮市一般会計の当初予算は、1952億3184万8千円(前年度比5億9651万2千円減)でした。
 そして、1回目の補正予算は4月28日に専決で実施され、5月の第1回臨時会で承認されました。内容は、国による「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金(ひとり親世帯分・その他世帯分)の支給事業」に要する費用で、5億414万8千円の増額でした。
 7月以降に順次、対象児童一人当たり5万円が支給され、予算では9750人を見込んでいます。

 2回目の補正予算は5月16日の第1回臨時会で可決されました。内容は、国による「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金における住民税非課税世帯給付金事業」に要する費用で、17億278万7千円の増額でした。
 
 そして、今回が3回目、総額20億860万6千円の増額で、補正後の一般会計予算は1994億4738万9千円となりました。
 今回の補正予算では、国や県からいただく財源が約21億円の増額となっており、一方で市債(市の借金)の発行を約2.7億円減らす予算となっています。

 それでは以下、6月議会で可決しました補正予算によって行われる事業の概要を抽出して掲載します。

西宮市一般会計補正予算(第3回)

⚫行政経営推進事務経費
●補正内容
歳出:行政経営推進事務経費の委託料3,000万円を増額
令和5年度:3000万円(固定費)
令和6年度(債務負担行為補正):上限4億円
合計4億3,000万円(上限)

市の説明(抜粋)
 経常的な内部経費について、行政サービスの水準を維持しながら更なるコスト削減を図るため、内部経費の適正化によるコスト削減を実施する。なお、事業者の能力・知見を活用するため公募型プロポーザルを実施するとともに、成果連動型民間委託方式を採用する。

●事業の概要
 西宮市が提供する契約書・仕様書等に係る、契約内容の分析、コスト削減策の企画立案、コスト削減に向けた具体的活動支援を行う。
(1)見直しの対象となる経費(約80億円程度)
・委託料(施設管理、清掃、警備など)
・使用料及び賃借料(情報システム)
・消耗品費

・その他(受託者の提案等により本市が選定するもの)
(2)その他
・ノウハウ移管のための職員研修等の実施

●委託料の削減目標額:年間8億円
・この削減額の50%以内を成果報酬として支払う(上限は4億円まで。)。
・事業者へのヒアリングの結果、本市の削減見込み額約8億円と算定。

●スケジュール(案)
・令和5年7月:事業者選定(公募型プロポーザルにより選定)
・令和5年8月:委託業務契約締結⇒コスト削減支援業務開始
・令和6年3月:コスト削減支援業務終了
・令和6年4月~6月頃:成果連動支払額算定⇒最終報告書の提出

 この成果連動型の民間委託は、Pay for Success頭文字をとってPFSと呼ばれていまして、他の自治体でも採用されつつあるそうです。
 先日、8月1日に他市の市議会議員のご紹介により、鎌倉市の事例をオンラインで研修させていただきました。この議案を審査する前に研修を受けられれば良かったのですが仕方ありません。
 鎌倉市の場合は、完全に成果連動型の報酬で、西宮市のように固定の報酬はない契約だったとのことでした。また、まずは令和元年度に市が見直せる対象となる事業の検討を行い、令和2年度に見直し作業を委託、見直し作業によって削減した業務を令和3年度に予算から削減した業務を反映したそうです。

 通常、このような初めて導入するような契約形態を伴う新規事業は、4月から執行される当初予算で提案されることが多く、それまでに議会で報告もされたこともなかった事業が唐突に補正予算で提案されたことで、本会議でも指摘がありました。昔であれば「議会軽視!」と問題視され、その事業の是非を問う以前の問題になっていたと思います。

 私は、必要と判断する事業については、補正予算を組んででも早急に実施するという姿勢には賛成です。本会議一般質問等で議会から提案された政策や事業についても、こうした迅速な対応を今後も期待したいものです。

 そして、毎年継続的に行われている業務委託の内容を、検証して改善することについては賛成です。
 しかし、この成果連動型の契約によって、契約企業の報酬につながる成果を捻出するために、
①必要な業務までが無理やり削られて市民サービスが過度に低下する、
②見直す内容について、議会や市民、関係者に報告相談されることなく予算に反映されるスキームとなっている
という点を懸念しています。

 また、①については、一度委託料を削って、コンサルタント会社にその削減額の半額が報酬として支払われた後に、市民等からの指摘により、数年後には委託金額がほぼ元に戻る業務が出てくる可能性も残されており、その分のコンサルタント会社への報酬は無駄となるリスクがあります。

 なお、削減の結果が出なくても固定の報酬(予算では3000万円)はお支払いしますので、削減額が年間3000万円に満たない場合は、翌年度も無償で業務が続く、つまり、市の現在の委託料を最低3,0000万円は削るということは確定していると言えます。

 そもそも、年間8億円も委託料を削減することができるようなことになれば、これまで市議会でも財政改革の必要性を指摘してきたにもかかわらず、議会からの指摘は無視し続けてそのような委託を長年続けてきたことと、民間事業者から支援を受けなければ見直しができない市役所運営を猛省しなければならないと思います。

 今後も、学んだ他市の取組みを参考にしつつ、西宮市の対応を注視する必要があると考えています。

⚫新型コロナワクチン接種実施経費
●補正内容
補正額:6億9361万1千円増額
補正後総額: 14億4564万4千円 (当初予算額:7億7611万1千円)
【補正額の内訳】
・旅費:7万円…集団接種会場出務職員旅費等
・需用費(消耗品費):50万円…集団接種用医薬品等
・役務費 :2481万2千円
 ①郵便料:1250万5千円…接種券等郵便料
 ②手数料:331万2千円…集団接種出務医師、看護師紹介手数料
 ③電話・回線使用料:899万5千円…予約システム使用料 他
・委託料:5億5942万3千円
 ①個別接種委託料等:4億6816万円
 ②接種関連事務等業務委託料:1921万3千円
 ③集団接種会場運営等委託料:727万5千円
 ④集団接種会場医療従事者出務委託料:1263万1千円
 ⑤その他委託料(ワクチン小分け配送等):5214万4千円
・負担金補助及び交付金:1億880万6千円…個別接種促進支援事業補助金

 財源は全額、国庫支出金、つまり国の財源となっています。

市の説明(抜粋)
●事業の概要
 令和5年度の新型コロナワクチン接種事業については、令和5年3月7日付事務連絡及び3月9日に実施された国の説明会で具体的にスケジュールが示されました。
 ①追加接種可能な全ての年齢の者を対象として秋から冬(9月から 12 月)にかけて1回接種を行うこと、
 ②新型コロナウイルス感染症にかかった場合の重症化リスクが高い者等については、春から夏(5月から8月)にかけて前倒ししてさらに1回接種を行う
 というものです。
 令和5年度当初予算作成時点では、令和5年度の接種スケジュールが示されておらず、高齢者に1回接種する規模の予算を計上しておりました。そのため、今後ワクチン接種を継続するための予算に不足が生じる見込みのため、必要経費の増額補正を行います。

●令和5年度接種スケジュール
5月8日~8月
・令和5年春開始接種
対象者:初回接種(1・2回目接種)を終了した
①65 歳以上の者
②12~64 歳の基礎疾患を有する者
③医療従事者等
・使用ワクチン:オミクロン株対応2価ワクチン
・接種想定人数:約98,000人
・9月~12 月
・令和5年秋開始接種
対象者:初回接種(1・2回目接種)を終了した5歳以上の者
使用ワクチン:未定
・接種想定人数:約183,000人

⚫合同部活動の推進に関する実証事業
●補正内容
補正額:150万1千円増額
 現在、浜甲子園、鳴尾南、高須中学校の3校の一部部活動を合同で行っています。この3校は、歩いて10分以内の場所に所在していることから実現している取組みです。
 生徒にとっては、自分の通う学校にない部活動の競技が選べることにもなり、部活動の選択の幅が増えます。
 3校ともに部活動競技の種目があった場合には1校に絞ることも可能で、教員の負担軽減にもつながる可能性もあります。

 こちらも、8月21日(月)に教育こども常任委員会の管内視察を行う予定をしており、現場での使用状況を確認に行く準備を進めています。

フェイスブックでの投稿より

■7月23日投稿

今月5日(水)に西宮市議会第1回定例会は閉会し、19日(水)に、閉会中の教育こども常任委員会を開催しました。
内容は、施策研究テーマ「幼児教育・保育の在り方」と「部活動の地域移行の在り方」について現状確認をするとともに、秋に実施する管外視察や市内の管内視察先について協議しました。 
この委員会を開催するために、副委員長、議会事務局担当書記、市の幼児教育保育と部活動の担当職員の出席のもと、「所管事務懇談会」という名称の会議を10日(月)に開きました。
この会議では、委員会での調査に必要な資料について協議するとともに、現状の確認をしました。
そして、委員会前日の18日(火)には、私と副委員長と議会事務局書記とともに、「調整会」と呼ばれる会議を開いて、委員会の進行について確認することになっています。
次回は、8月21日(月)に委員会の開催と管内視察を予定しています。
写真は、昨日の朝、市政報告チラシを配布した際に撮影した香櫨園浜です。1枚目の写真の右側には、民間のテニスコートがあり、雰囲気の良いゾーンですが、写真のヤシの木の存続が課題になっていると聞いています。

■7月26日投稿

先週22日(土)に、関西学院大学内にあるレセプションホールで行われました関西学院大学体育会スケート部創部100周年の祝賀会にお招きいただきました。
昔は、関学の校舎は現在の西宮市ではなく、神戸市の王子公園付近にあったそうです。そのころ、冬になると六甲山頂にある池に張った氷でスケートをするようになり、100年前にクラブの発会式が行われたそうです。
100年の間に、フィギュアとスピードで合わせて4人のオリンピック選手を輩出され、現在も現役の選手が国際大会に出場して優秀な成績を収めておられます。
錚々たる方がご出席の中ではありましたが、私は、兵庫県スケート連盟の会長として、乾杯の音頭を取らせていただきました。
写真は、妻がお世話になっている先輩が撮影してくださり、ご提供いただきました。
西宮市は今年、文教住宅都市宣言から60年の節目を迎えました。現在の関西学院大学の校舎がある上ヶ原地区は、市の条例で文教地区に指定されています。市のまちづくりに大きな貢献をいただいている大学のクラブの記念すべき節目に立ち会わせていただいたことを光栄に思います。
そして本日、48歳になりました。
たくさんのお祝いメッセージをいただきました。
ありがとうございました。

■7月30日投稿

23日(日)に、西宮神社会館で行われました、西宮市軟式少年野球連盟の前期反省会に初めてお招きいただき、出席しました。
そして、連盟顧問をさせていただくことになりました。世界的に活躍する選手をどんどん輩出している日本において、少子化の影響、共働き世帯の増加も相まってか、小学生の競技人口が大きく減少しています。
私は野球大好き少年でしたし、今でも野球を観るのもするのも大好きです。子供の育ちのために、顧問の役割を果たせるよう努力して参ります。
1枚目の写真はやまだ賢司議員の事務所の方にご提供いただきました。
また、当日は、「てづくりサーカス」というイベントが開催されていました。初めて知りましたが、手作り市ということで、毎月開催されているそうです。
その後、面談が2件あり、陳情を伺いました。

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