2018年11月30日[カテゴリ:議会改革]
平成30年9月議会におきまして、
今期は、議員定数が変わらないことが決定しました。
ちなみに、
次期の議員の任期が変更されます。
つまり、
次の西宮市議会議員選挙、並びに兵庫県議会議員選挙で
当選した方の任期は4年ではなく、約3年9ヶ月に縮小されます。
阪神淡路大震災から7回目の選挙にして(28年で)ようやく元に戻ることになります。
詳細はこちら
以下は、議員定数の議論について討論した内容です。
====ここから、本会議場での発言の概要====
ただいま上程中の議員提出議案第10号
西宮市議会議員定数条例の一部を改正する条例制定の件につきましては、
政新会は反対をいたします。
以下、理由を述べます。
議員定数につきましては、
これまで、議会運営の課題に関する検討会議――以下「検討会議」と呼びますけれども、
この検討会議において一定の時間を割いて集中的に議論をしてきましたが、
意見の一致は見られませんでした。
そして、
提出者から議了の申し出があった時点で、
削減すべきとした意見も少数でした。
このような状況下で今回の条例を提案する意図につきまして、
議会運営委員会において提案者に確認をしたところ、
検討会議では表決がとられなかったことから、
議員定数1名を減じて40名にすることについて
議員の賛否を明らかにするためというお答えでした。
そして、減ずる定数を1名とすべき理由としては、
西宮市議会ではしばらく40名の状態が続き、
それでも議会の機能に支障がなかった、不都合がなかったということで、
実数に定数を合わせて1名だけ削減するということでございます。
しかし、
この論理をもって40名とするのには少し無理があると思います。
仮に
議会の機能に支障をきたさないという理由から定数を実数に合わせていくという、
この論理に立った場合、
今期は、約半年間ではありましたけれども、
39名であった時期がありまして、その体制で予算審査も致しましたし、
施策研究テーマの提言もなされております。
それでも議会の機能自体には支障があったとは言えない状況でありましたので、
39名としても問題はないと言うことができると思います。
なぜ40名への減員なのか。
仮に先般の市長選挙に出馬された議員さんが自動失職ではなく、
補欠選挙によって現在の実人数が41名に戻っていたら
今回の提案はなされなかったのか、その点の説明に欠けております。
さらに申しますと、
単に議会運営に支障がないという判断基準で定数を決めるのであれば、
本市では、建設常任委員会において年度途中に委員数が6名となったことがございまして、
その体制で予算を審査したこともございます。
つまり、この論理で決めるのであれば、
本市議会では、6名掛ける5常任委員会プラス議長、
つまり、
31名でもチェック機能、意思決定を担う議会としての機能を果たせるということも
証明されたのも同然だと考えております。
つまり、ここで、可決しないことを承知の上でも、
ちょうど10名を減じる31名とする条例提案をすることもできたと思いますが、
そうした行動をほかの会派の方がとった場合、
提出者はどのように感じて、そしてまた、どのような採決態度をとるおつもりだったのでしょうか。
現在、提案人数こそ違うにせよ、
それとあまり変わらない提案がなされていると感じております。
次に、
40名とすることについてのメリットについてです。
1名削減されれば約1,600万円が節約できることは、これは明確でございます。
これは時に効率化と呼ばれております。
しかし、
憲法に定められていますとおり、
住民自治の実現のために議会を置き、地方議員を住民が直接選挙で選び、
議会では住民の多様な意見を反映することが求められております。
この経費削減と引きかえに失われるのは、
削減しなければ住民が選べた約1万1,000人を代表する議員1名の意見表明権であったり
議決権であるという論があるわけですけれども、
私たちは、その分の役割を残された議員が果たすように努力しなければならないと考えております。
つまり、
効率性だけではなくて、
西宮市議会にとって、議員一人一人が役割を果たし、
それを住民に理解してもらえるような取り組み、環境を整備する必要があると考えております。
また、
平成23年の地方自治法の改正によりまして
議員定数の上限規定が撤廃されて以降、
いよいよ適正な議員定数を算出することが困難となりました。
当時は、
本市議会の議員定数は法定上限よりも4名減じた42名でありましたが、
そこから前回1名を減じた際も、
今回の議会運営の課題に関する検討会議でも、
適正な議員定数について検討はしたものの、
考え方がまとまらないうちに議論は打ち切られています。
検討会議では、
人口が40万人以上の中核市との比較が示されました。
現状を調べましたところ、
本市は平均の定数よりもわずかに下回っており、
人口に対する議員定数の割合については22市中8番目に少なく、
人口1人が負担する議員報酬についても14番目に低くなっており、いずれも中位と言えます。
これを仮に40名にしても、
既に平均を下回っておりますし、
人口割合は8番目が6番目に、
議員報酬は14番目が10番目にしかならず、
余り状況が変わるとは言えません。
人口割合で一番少なくなるためには、
現時点での西宮市の議員定数は34名とすべきとなりますし、
これは、ほかの自治体の人口や議員定数が変化すれば、
この状況はまた変わります。
また、歳出に占める議会費についても、
これは5番目に高い状況にはありますけれども、
これは職員の人件費の水準にも左右されるものでありまして、
単純に比較・評価がしにくいものであります。
つまり、こうした比較は、一定の参考にはなるものの、
定数を適正化するための決定的な判断材料とはならないということであります。
いかにして議会の機能を高めるのか、
議員の質を高めるのかという観点で、
1名削減することでどのような効果が生まれるのか評価すべきであると言えます。
そして、今回、定数を1名削減したとしても、
他市との比較において、また、議会内部においても、
状況が余り変わらないと言えます。
なので、40名とすることには賛同ができませんでした。
ここで明確に申しておきますけれども、
政新会は、議員定数を削減することには反対するものではございません。
実際に、西宮市議会議員の議員定数につきましては、
これまで、平成22年に3名を削減、
そして、平成26年には1名を削減する内容の条例案の提出者になってまいりました。
これはいずれも、
議会の機能向上であったり活性化を図るために必要な取り組みの財源確保が目的、
つまり、明確に議会改革のためでした。
そして、
その後、議会の透明性の向上や委員会活動の活性化など、
さまざまな改革に取り組んでまいりました。
当然、議会の機能向上であったり活性化、
これは、憲法が定める住民自治の強化のためにということではございますが、
今後もこの目的を果たすために必要な財源が生じる場合には
定数を削減しながら捻出すべきと考えておりますし、
今後、議員定数を削減しないことで
議会の活性化を妨げるようなことがあれば、
これはさらに削減しなければならないとも考えております。
つまり、
私たち政新会は、定数削減それ自体を目的とするものではなく、
住民自治の強化、議会改革を達成するための手段とするのであれば削減するべしと考えているわけでございます。
今後も、議会基本条例の理念にのっとりまして、
住民自治の進展に寄与する議会の機能向上、
議会の活性化、透明性の向上を初めとするさまざまな議会改革に
不断の挑戦をすることを宣言しまして、反対討論といたします。
=====ここまで、本会議場での発言の概要=====
引き続き、
議会の活性化、市民から信頼される議会づくりに向けて、
今年度は、民生常任委員会において、委員長としてアクションを起こしてまいります。