防災対策について③の続きです。
防災訓練の実施は、準備を含めると本当に大変です。ですので、より多くの市民に参加して頂かなくては、労力対効果が低くなります。より多くの市民に参加してもらうためには、常に工夫が必要であり、よりリアルで、市民にとって「役に立った」と実感してもらえるような内容としなくてはなりません。そうすることで、口コミで広がり、さらに多くの市民の参加が見込めるようになるのだと思います。
平成23年12月議会一般質問では、年に1回開催されている総合防災訓練のマンネリ化、形骸化を指摘し、今後の対応について議論しました。
=======本会議場での議論の概要=======
平成23年12月議会一般質問
1.安心・安全のまちづくりについて
ア)防災対策
■田中の主張
西宮浜地区については、住宅と産業が混在している地域であり、地震の発生の仕方によっては避難行動は異なってくるものと考えます。
■質問5
強く長い揺れによって、大橋や高速道路、側道などの橋脚が崩落した際の最悪の状況下での避難経路も想定して備えるべきと考えますが、市はどのように考えているのか、お尋ね致します。
■質問5に対する市の回答
西宮浜地区の最悪の状況下における備えについてでございますが、西宮浜地区に連絡する道路が地震の影響などにより通行できなくなった場合、一時的に孤立する可能性も考えて、各自が地区内で安全な場所に避難して頂く必要がございます。本市としましては、避難ビルの指定など、今後地区の安心・安全の確立に努めてまいります。
■田中の主張
現在の総合防災訓練は形骸化しつつあると感じます。
特に、市内全域の市民に対して迅速な情報の伝達や避難経路の確認ができる、一層実効性の高い緊張感を持った訓練を実施する必要があると思います。
■質問6
現在の訓練を見直すお考えはないものか、お尋ね致します。
■質問6に対する市の回答
市内全域の市民が迅速な情報伝達や避難経路を確認できる訓練についてでございますが、現在の総合防災訓練は、与えられた条件、シナリオによる関係機関の連携や技術を確認する訓練となっております。このため、今後は、防災行政無線の活用などの情報伝達、さらに訓練に参加いただく市民の範囲など、訓練全体のあり方について検討してまいります。
=======ここまでが、本会議場での議論の概要=======
西宮浜地区が災害時に孤立化した時の想定や対応策が甘いと思います。孤立していることを住民にどのように伝えるのか、どのように伝えることが可能なのか、そのような細かいこと一つ一つを、住民は当然のことながら、地区内にある企業に勤めている従業員一人一人が知らなければ、備えたことになりません。今後、地域の方々と協働しながら、さらに細かく備えを進める必要があります。
例えが下手かもしれませんが、
虫歯については、歯が痛くなってから、歯磨きや歯科検診による軽度での対応など、予防が甘かったことを後悔することが少なくありません。生活習慣病の予防も、いざ病気になってから後悔することが多いと思います。
いつ起こるかわからないこと、実感がわかないことに対する備えというのは、なかなか難しい面があると感じています。学校など公共施設や公共のインフラの耐震化のように、市が主体となってできることは着実に進めていますが、最も重要といっても過言ではない「市民一人一人の防災意識の向上」については、市は、根気よく、工夫しながら進める必要があります。
引き続き、市の動向を注視してまいります。
追記(提案が受け入れられました)。
この質問の翌年、早速、総合防災訓練が見直され、南部地域の全住民を対象にした「津波ひなん訓練」も実施されました。
訓練の実施方法に関する課題や問題点も多数指摘されたそうですが、そうした指摘を受け、課題を解消しながら緊張感をもって取り組むことで、市と共に市民の防災意識を高めていけるのだと感じています。