カラス対策①ー平成23年12月議会一般質問

2012年3月21日[カテゴリ:環境衛生, 質問

カラスによるゴミ荒らしの対策について、平成15年6月議会以来約9年ぶりに一般質問で取り上げました。

この間、常任委員会で議論を続け、カラス対策用の黄色いごみ袋を導入している杉並区を視察させて頂くなど、調査研究も続けてきました。そしてついに、カラス対策に関する条例を制定して取り組む自治体も出てきました。

一方で、西宮市は、カラス対策について、効果の上がらない「啓発」を続けるという姿勢を変えず、「新しい仕事はしたくない」という「お役所」の発想を貫いています。

そこで、平成23年12月議会では、9年前とは少し視点を変えて、

①ゴミ出しマナーの啓発の効果検証
②他市の対策事例の導入
③条例制定による政策推進

に分けて提案、議論をしました。

=======ここからが、本会議場での議論の概要=========

平成23年12月議会一般質問

2.快適な市民生活の確保について
(啓発の効果検証)
■質問の背景
今回は、時間の都合上、カラスによるごみ荒らし対策についてのみお尋ね致します。
この案件を取り上げますのは、平成15年6月議会、私が初当選した直後の質問以来、約9年ぶりとなります。
クリックすると内容をご覧頂けます。↑

阪急以北の地域では、特に、カラスによってごみが荒らされているところを相変わらずよく目にします。基本的には、ごみステーションの管理は市民の務めとして、市はごみ出しのルール等の啓発に努めるということにとどまっています。

■質問1
市が行っている啓発の効果をどのように客観的に検証しているのか、また、していないのであれば検証すべきと考えますが、市の見解をお尋ね致します。

■質問1に対する市の回答
カラス対策につきましては、住民の皆さんの協力が不可欠であると考えております。市と致しましては、カラスによる被害を受けないために、次の三つのごみ出しの工夫をお願いしております。

○一つ目は、生ごみを減らす工夫をして頂くことであります。

○二つ目は、収集曜日や収集時間、生ごみの正しい出し方などを守って頂くことであります。こういったルールは、1人でも守らない方がいらっしゃれば効果がありませんので、ごみステーション利用者全員の協力が必要であります。

○三つ目は、ネットやシートなどを利用し、カラスや猫の侵入を防ぐことであります。
市内では、既に多くの地域で、ごみステーションを利用される住民が共同でカラスよけネットなどを購入して、カラス対策を講じられています。

市と致しましても、今年度より、カラス対策についてホームページに掲載致しますとともに、要望のある地域に対しまして、ごみ出しルールを記載致しました啓発用チラシの提供を行っております。

カラス被害の苦情の多くは、燃やすごみを午後に収集していた地区から寄せられておりましたことから、平成22年5月より、直営地域におきまして、2割近くありました午後収集の地区のすべてを午前収集に変更し、今年度には、委託地域において、午後に収集を行っていました塩瀬・山口地域の3分の1と阪急神戸線以北の4分の1の地域においても午前収集を実施し、現在は、市内全域におきまして燃やすごみを午前中に収集しております。

市では、このような対策とともに、ごみ減量等推進員と連携しまして、様々な啓発事業に取り組んでおりますが、収集時間変更後のカラス被害の客観的な検証を行うまでには至っておりません。

今後は、ごみ減量等推進員会議を通じてアンケートを実施するなど、検証方法を検討してまいりたいと考えております。

(他市の対策事例の導入)
■質問の背景・田中の主張
市民に対してまちの清掃を促す(クリーン大作戦など)一方で、市がカラス対策に具体的な行動を起こさないのでは、理解を得ることはできないと思います。カラスに散らかされたごみによって道路や水路が汚れ、まちの美観を損ねるとともに、結局、市があとからまとめて掃除することになります。
 
■質問2
カラス対策に有効なごみ袋の導入や入手の方法の情報提供、そして、効果の高いその他の対策を講じるための有効な手だてを紹介するために、市の基準の作成などを検討すべきと考えますが、市のお考えをお尋ね致します。

■質問2に対する市の回答
視覚のすぐれましたカラスによる被害は、主に透明、半透明のごみ袋での被害が多いことから、生ごみを透明、半透明の袋で収集している他都市では、カラス対策用ごみ袋について苦慮していると聞いておりますが、本市では、黒色ごみ袋の使用も可能でございますので、他都市の状況とは異なってくるものと認識しております。しかし、現在、カラス対策用のごみ袋として特殊加工をした黄色のごみ袋が有効といった意見もございますので、今後、その実効性の確認や問題点など、情報収集を致しまして、調査研究を進めてまいりたいと考えております。

■市の回答を受けての田中の主張
これまでも住民さんから苦情を受けて、市にも相談をしたことが何度かございます。そのたびに、市は消極的だと感じてきました。苦情のみならず、自分の目でもごみが荒らされている様子を見ますし、散乱したごみを掃除している御婦人の姿もよく目に致します。また、風や雨の影響で散乱してしまうごみもたくさんあると思っております。

ですので、まちが汚されるということを何とか防げないものか、カラスの被害によるものが多いと思いましたので、今回はお尋ね致しました。

御答弁の中で、まず、これまでの啓発や、ごみの収集を午前中に変えたなど、そうした取り組みをされたことはよくわかりました。その検証方法を検討するということで、実施したことが結局どのように効果として現れたのかということが説明できないという御答弁でした。
もう9年前になりますが、一般質問において、まず実態把握をして下さいとお願いしたのですが、今日も、何ともお粗末な現状が露呈したと感じておりまして、非常に残念でございます。

■再質問1
検証方法を検討するとおっしゃいましたが、少しでもごみの散乱を防ごうという姿勢が見られないと感じました。この西宮市では、環境学習都市を宣言しております。環境局長は、カラスによってごみが荒らされる、そのことでまちが汚されて、迷惑している住民もいるということに対して、どのようにお考えなのか、確認の意味で伺いたいと思います。

■再質問1に対する市の回答
カラスの被害がある現在の状況につきましては、決して好ましい状況ではないと考えておりまして、当然、そのような状況は改善していくべきだと考えております。他都市での取り組みなどを参考に致しまして、先ほども御答弁致しましたように、市民への啓発を基本として、様々な観点から対策を検討して参りたいと考えております。

■まとめ・要望
対策を検討して頂けると御答弁を頂きました。対策を講じた後にどういう効果があったのか、検証も続けていかないといけませんので、その辺もお願いをしたいと思います。

=======ここまでが、本会議場での議論の概要===========

「調査研究する」は、市は「施策を実施しない」ことが多いです。期限が示されなければなおさらです。
「検討する」と言ったことは、市は実施することが多いです。
つまり、質問で追及した上で、「検討する」との答弁が引き出せたことは大きいと思っています。
市の今後の動向に期待したいと思います。

①と②の論点について、掲載しました。
③については、次のコラムに続きます。

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