「公による情報公開と信頼」も危機管理の重要な要素

2020年3月4日[カテゴリ:コラム, 危機管理

昨日10時より、第2回西宮市議会災害対策支援本部役員会議が開かれ、私は役員ではありませんが、傍聴致しました。
市と議会でどのようなやり取りがなされ、そのやり取りがどのように対応に反映され、議会や市民にどう報告されるのか、関心がありました。

会議の内容については、非公開で行われることが議会運営委員会で決定されていますので、役員会議での質疑応答の内容については、ここでは掲載を控えたいと思います。また、議員は全員本部員となっていますので傍聴はできますが、一般の方は傍聴ができません。

会議の時間は概ね1時間半でした。
市長、副市長をはじめとする市の関係局長、幹部と市議会の役員を拘束して行われる重要な会議ですから、今しなければならないことを最優先して、迅速な対策を講じるために不可欠な情報交換がされなければなりません。

色々と思うところはありましたが、今、あまりごちゃごちゃ言っていてもいけませんし、急ぎの案件ではありませんので、感染が収束したら行われるであろう対応の検証の際に、意見は述べたいと思います。

ただ、今ここに掲載しておきたいこととして、基本的に感染者の特定につながる情報以外は、全て公開した方がいいということがあります。
「情報を公開すると無用の不安をあおることになる」と行政は考えがちです。確かにそうかもしれません。

しかし、例えば、今回の感染症発症者が、市内の3カ所の医療機関を受診していますが、ちまたでは、「どこの病院だろう?」「〇〇病院ではないか。」という憶測が飛び、感染を防止するために「外来の予約をキャンセルして延期した」という話も聞きました。実際には、その〇〇病院ではないかもしれませんし、医療機関の情報を隠しても、結局、不安を与えてしまい、国民は過剰に行動せざるを得なくなるのです。インフルエンザの方が感染の可能性が高く、人によっては新型ウイルスより恐れるべき感染症かもしれないのに。

これも仮に例えばの話ですが、「そういえばあの時、〇〇医院の待合室に、変な咳をした人が待ってた。」みたいなことを噂話されると、その人は別の病気だったのに、間違った情報(デマ)が飛び交ってしまい、後で火を消そうにも、「どうせ、火を消して安心させたいからそんなこと言ってるんでしょ。」と、信用されなくなってしまう恐れがあると思っています。

今問題になっているトイレットペーパーの騒動がその最たるものです。「マスクが手に入らない。」という現実があるので、「トイレットペーパーは十分にある」といくら訴えても、不安に陥った心理から、「とりあえず買っておこう」という心理になるのだと感じています。実際に、買えなかったら非常に困りますから。

であれば、新型コロナウイルスの感染症患者が受診した医療機関とともに、各医療機関がどのような感染防止対策を講じていたのかも合わせて公開することで、「市役所は正しい情報を提供してくれている」という「真の信用」を得るべきだと感じています。

また、外来をキャンセルしても影響のない病状なのであれば、不急の外出は避けてもらった方がいいですが、外来をキャンセルして元々の病気が悪化してしまうようなことになれば、市内の医療環境が低下したと評価せざるを得なくなります。

今回の感染症患者が「どの駅から乗降していたのか」という情報は、隠す必要はないとは思いますが、逆に知ってもらっても、今さら対策を講じようがありません、公開しなくてもいい情報だと思っています。

兵庫県のホームページで、このような情報が公開されています。

「感染が疑われる症状がある人のPCR検査は、しっかりされているのか、今、自分が住んでいるまちの状況はどうなっているのだろう?」
この情報も、市民に安心してもらうためには、必要であると思っています。「適切にやっています。」ということを知ってもらうためにも。都道府県によって、この情報を公開しているところとそうでないところに分かれています。市の単位でみると、和歌山市が、西宮市と同じ中核市ですが、これまでの検査の件数を公表し、すべて陰性であったことも合わせて公表しています。

「知らぬが仏」ということわざがありますが、SNSの普及によって、一刻も早い情報が求められ、デマすら拡散される時代にあっては、「行政による情報の秘匿」は、通用しないのかなと感じています。
中途半端な情報の提供は、かえって混乱するのだと思います。秘匿するなら、感染者を都道府県別で発表することすら、やめた方がいいと思うくらいです。私は、原則公開した上で、冷静に、適切に国民が行動したほうがいいと思っていますが。

現在、西宮市内の正確な情報は、西宮市ホームページに掲載して頂いていますので、ご確認頂ければと思います。

そして、本部役員会議の報告として、西宮市議会災害対策支援本部本部長から、全議員あてに以下の内容の報告がありました。

一昨日のコラムでは掲載していない情報を赤文字で記します。

==========ここから報告内容のコピー(3月3日開催分)==========

西宮市議会災害対策支援本部役員会議報告(第2報)

本日、 午前10時より第2回西宮市議会災害対策支援本部役員会議が開催され、本部長の挨拶の後、市長から午前8時に開催された「新型コロナウイルス感染症対策本部会議」の次の通り報告を受けました。

報告

1.感染状況について
陽性となった男性の同居人2人については 昨夜、陰性と判明。会社関係者等他の濃厚接触者についても症状なし。

2.相談窓口について
☆新型コロナウイルス感染症に関する医療的な相談について(3/2受:141件)
 西宮市帰国者・接触者相談センター(健康医療相談)
【電話】0798-26-2240 【受付時間】 8時45分~21時00分(平日・土・日・祝日)
新型コロナウイルス感染症が疑われる方やご自身の症状に不安がある方の相談を受け付けています。同センターでは、相談内容から同感染症の疑いがあると判断した場合、その方へ適切な診察を行う「帰国者・接触者外来」への受診調整を行います。

☆新型コロナウイルス感染症に関する一般的な相談について(3/2 受:169件)
【電話】0798-35-3456 【受付時間】 8時45分~19時00分(平日・ 土・日・祝日)

3.西宮保健所のPCR検査について
ハードルを下げて受け付けています 。件数の推移については明日お話しします。

4.留守家庭児童育成センターの開所について
・対象期間
令和2年3月3日(火曜)から 3月25日(水曜)までの小学校臨時休業日(ただし、土曜日については通常通り運営致します。開所時間は午前8時です。

・対象者
3月1日現在、育成センターをご利用されている児童が対象となります。(今回の小学校臨時休業に伴う急遽の利用申請はできません。)

・注意事項
今回の小学校臨時休業は、感染予防が本来の目的のため、風邪、咳、発熱などの症状、その他体調がすぐれない場合は、登所を控えるようにしてください。育成センターの利用児童や指導員が罹患した場合、又は地域で感染が拡大している場合は急遽閉所とすることがあります。その他詳細については決まり次第、市ホームページ等でお知らせする予定です。

5.市立小学校臨時休業に伴う児童の学校での預かりについて
下記の条件を満たす児童を対象に、現在通学している学校での受け入れ対応を行います。ただ、基本は自宅待機による感染拡大の防止を呼び掛けていることから、本事業の利用は極力控えていただくようお願い申し上げます。

・対象期間
令和2年3月5日(木曜)から3月25日(水曜)までの小学校臨時休業日(ただし、土曜日、日曜日、祝日を除きます)
受け入れ対象者(以下の条件を満たす児童に限ります)
(1)市立小学校1~3年生の児童(育成センターに通っていない児童)
(2)両親共働きかひとり親家庭等で近隣に親類等、子供の世話を頼める人がいない児童

・時 間
(1)登校時間は8時30分から9時まで、下校時間は15時とします。
(2)原則、1日の受入れとします。

・持ち物
弁当(必ず持参させてください)、水筒、上履き、筆記用具、自分で学習できる準備、本(読書をしたい人のみ)

・受け入れにあたっての注意事項
今回の小学校臨時休業は、感染予防が本来の目的のため、風邪、咳、発熱などの症状、その他体調がすぐれない場合は、登校を控えるようにしてください。なお、今後の感染状況の変化によっては、受け入れを停止する場合があります。

・申し込み方法
メール、ファックス、電話のいずれかの申し込み方法でお願いします。なお、 3月4日(水曜)12時00分で〆切とさせていただきます。それ以降は受付ができませんので、ご了承ください。

6.議会から教育委員会へお願い
子供達への生活指導の徹底、密室(例えば友達の家に集まる、カラオケ等)は避けてほしいが、友達と公園で遊ぶことなどは認めてほしい、ということを要望しました。

7.今後の議会での当局への質疑について
従来通りで問題ないが、今後の展開によっては配慮が必要になります。

8.その他、やり取りがありましたが、詳細は各派代表者等にお聞きください。

9.次回開催日
令和2年3月4日(水)午前10時から

以 上

==========報告の内容はここまで=======

収束を願いつつ、引き続き、注意して動向をみていきたいと思います。

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