令和2年度予算の審査ー健康福祉局

2020年3月13日[カテゴリ:コラム, 地域福祉

連日、新聞やテレビの報道は、新型コロナウイルスに関するニュースでもちきりです。

しかし、どこの自治体もそうかと思いますが、この時期は、4月からの新年度予算について議論し、決めなければなりません。

西宮市議会では、9日の本会議で予算特別委員会が設置され、12日、13日に総務、教育こども、健康福祉の各分科会が開催されました。西宮市議会の慣例により、私は現在、健康福祉常任委員会を担当していますので、予算特別委員会でも健康福祉分科会を担当します。

通常、本会議とは異なり、常任委員会や予算委員会分科会での質疑については、事前通告制とはなっていないのですが、市職員が新型コロナウイルス対策に奔走しているため、予算の審査にあたっては、答弁の準備を最小限にするために事前に通告するよう求めがありました。

予算の内容は、市民の生活、福祉に大きく影響する内容であり、議論しなければならないことは山ほどあるのですが、項目を極力絞って質疑を致しました。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策を担当する保健所は健康福祉局内にありますが、新型コロナウイルス対策については、西宮市議会災害対策支援本部役員会議で協議されていますので、予算分科会では私は取り上げませんでした。

詳細のやり取りは後日掲載するとして、12日に審査した、健康福祉局に関わる質問項目と概要だけ報告致します。

①献血推進協議会運営補助事業経費に関連して

〇近年減少傾向にある市職員の献血への協力について
神戸市では、職員が献血をする時間に関して職務専念義務免除(月に3日を指定)の規定を設けて協力していることから、西宮市でも職員が積極的に献血に協力できる環境をつくるべきと考え、質疑しました。

〇市内での献血推進活動について
・私は普段、西宮甲山ライオンズクラブ主催の献血会に携わっているのですが、近年、献血できる方の条件が厳しくなっていることもあり、献血する方が減少しています。高齢化が進む中、献血推進協議会による活動実績を確認し、新年度の体制強化について質疑しました。

〇献血実施場所の確保に対する市の協力について
・西宮市では平成25年にアクタ西宮内に献血ルームを開設しました。一方で、献血バスによる献血実績が減少傾向にあり、実施場所の確保に苦慮していると聞いていたことから、連絡調整など市の協力を求め、質疑しました。

〇新型コロナウイルスの影響により報道されている献血不足への対応について
・審査した日の前日の血液センターのホームページには、「兵庫県では連日の報道により、血液は確保できた」との情報が掲載されていました。しかし、400ml献血は、一人年間3回までで、期間も男性が12週、女性は16週明けないとできないことから、今回多数協力してくれた方々は、3ヶ月以上できないこととなり、再び、血液不足が懸念されることから、血液センターとの連携強化など今後の対応について質疑しました。

②接骨院等の不適正な広告等の取り締まりについて

〇現在の取り締まり体制と指導実績について
健康保険を扱っている接骨院等は、看板やチラシなどの広告が制限されています。しかし、市内では不適切な広告物や看板を目にし、ずっと是正されていないことがあります。まじめに頑張って人が馬鹿を見るような状態は看過できません。不適切な行為に対する取り締まりが甘いと指摘し、体制強化を求めて質疑しました。

〇今後の取り締まり体制について
・現在、厚生労働省において、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」が開催され、「(仮称)広告ガイドライン」の策定作業が進められています。当初の予定より1年程度遅れている様子ですが、2020年には施行、取り締まりを強化すると聞いています。ですので、本市においても、新年度には、体制の強化など対応を検討しなければならないと指摘し質疑しました。

〇不正請求の防止について
・保険請求における不正請求に関する取り締まり、指導については、市の保健所には権限はありません。市としては、国民健康保険になりますが、各保険者が不正防止の取組みを実施しています。不適正な広告等の取り締まりと医療費不正受給防止対策との連携によって不正の防止を強化することを提案し質疑しました。

③高齢者の居場所づくりについて

〇地域のつどい場推進事業について
・高齢者の居場所づくりは、社会福祉協議会の取組みも含めて、様々な形で実施されています。そのうちの一つとなっている「地域のつどい場活動」について、市のホームページでの情報が平成29年の内容となっており、まずは、最新の情報を掲載するよう求めたうえで、現状と今後の支援等の検討について質疑しました。

〇共生型地域交流拠点事業について
・共生型地域交流拠点開設補助金は、新年度は1ヶ所分の整備費(400万円)が計上されています。4月から2ヶ所がオープン(整備費は令和元年度予算)して合計5ヶ所での実施になる予定ですが、概ね小学校区に1ヶ所、36ヶ所程度という設置目標とは大きく乖離しており、新年度も目標に全く届かないような予算計上となっています。そこで、市が作った制度を地域住民に押し付けるのではなく、地域の自主的な活動、実態に合わせた支援制度を作るよう提案しました。例えば、自発的に立ち上がっている「地域のつどい場」に対しても一定の事業補助をすることで、居場所の確保を促進できると考えられます。新年度において、そうした事業支援を検討することを求め質疑しました。

〇高齢者の居場所づくりと子供の居場所づくりの融合について
・西宮市では、「放課後キッズクラブ」と名付けて子供の居場所づくりも進められていますが、縦割りの非効率を感じることがあります。私は、教育委員会やこども支援局との連携を図り、持続可能性の観点からも、多世代が交流できる環境を整備していくことが効率的かつ効果的であると考えています。昨年秋に視察した江東区でも、ご近所ミニデイ(通所型サービスB)において、子供食堂(別で補助金制度あり)を実施している事例がありました。西宮市においても検討するよう求めました

〇市民に対する「地域包括ケア情報」の提供方法について
・昨年秋に八王子市の「地域包括ケア情報サイト」の活用について視察して参りました。子育てに関する情報については、「みやハグ」など一元化した情報提供がなされていますが、高齢者を主な対象にした情報に関しては、一覧できる環境がありません。
高齢者のみならず、支援する人、子育て世代も含めた市民に向けて、情報を得やすい環境を整備する必要があると考えます。
また、常に最新の情報に更新するなど管理も必要であることから、新年度において、社会福祉協議会と協働して、地域包括ケア情報サイトを構築することを提案し、質疑しました。

④社会福祉協議会に対する補助金・委託料に関連して

〇人手不足の影響について
西宮市社会福祉協議会は、西宮市の地域福祉を担う不可欠な組織となっていることが、市の補助金や委託料が増加していることから明白です。というのも、令和2年度の補助金と委託料の予算は約19億4000万円、昨年度と比べて約2億円増加しています。しかし、人手不足があらゆる業界で大きな課題となり、人件費も高騰しているなかで、社会福祉協議会の人材確保などが懸念されることから、新年度の対応について質疑しました。

〇障害者スポーツの普及に対する支援について
・現在、本市の障害者スポーツの拠点ともなっている総合福祉センターの指定管理を担う傍ら、障害者スポーツの普及推進、指導者の育成などの事業を社会福祉協議会に担って頂いています。新年度において、障害者スポーツのさらなる振興に向けて、市民と社会福祉協議会の協働を推進するための体制づくりが必要ではないかと考え、質疑しました。

市の回答については、正確を期すため、後日、議事録を確認して掲載いたします。

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