GoTo事業の見直しー兵庫県は感染拡大特別期

2020年11月22日[カテゴリ:コラム, 危機管理

 この1週間で急激感染が拡大していることが表面化しました。全国では18日(水)に、前日の人数を502名上回り2201名の方の感染が確認され、初めて1日あたりの陽性確認が2000人を超えました。昨日21日(土)には、2592人の方の感染が確認されました。また、20日(金)には、兵庫県では、5段階に設定された警戒指標の最高レベルを超える「感染拡大特別期」に引き上げられています。

 西宮市の動向を見てみますと、先週11月15日(日)~21日(土)の1週間で89名の方(そのうち市外在住の方は17名)の感染が確認されました。その前の週11月8日(日)~14日(土)の1週間では、80名の方(そのうち市外在住の方は3名)の感染が確認されており、確認された人数は増えました。しかし、そのさらに前の11月1日(日)~7日(土)の1週間35名(そのうち6名の方が市外在住)からの増え方と比較すると、35名⇒80名⇒89名ですから、少し鈍化はしています。
 
 年齢で見てみると、(7日~14日)⇒(15日~21日)の変化は、10歳未満:1名⇒0名、10歳代:6名⇒10名(2週間で16名)、20歳代:26名⇒33名(2週間で59名)、30歳代:8名⇒8名(2週間で16名)、40歳代:9名⇒10名(2週間で19名)、50歳代:16名⇒12名(2週間で28名)、60歳代:5名⇒7名(2週間で12名)、70歳代:8名⇒8名(2週間で16名)、80歳代:0名⇒1名、90歳代:1名⇒0名と変化しています。相変わらず20歳代の方の感染が目立ちますが、50代の方も2週間で28名の方の感染が確認され、2番目に多くなっています。また、70歳代の方が10歳代や30歳代の方と同じ人数となっています。

 この間に、西宮市においては、市内の大学の運動部でクラスターが発生しました。11月9日に1名の感染が確認されてから18日までに学生52名の感染が確認されたとの報告があり、10代~20代の人数の大半を占めていたことが分かりました。スポーツ活動における感染防止対策、クラスターの早期検知、早期対策が重要であることが分かります。今後も、感染が拡大しないよう、迅速な濃厚接触者の特定、幅広い検査による早期発見、早期対応が必要です。

 また、先週も18日に市立中学校の生徒1名の感染が確認されましたが、感染の拡大は確認されませんでした。市立中学校では部活動も行われている中、細心の注意を払って対策を講じている結果です。そして、別の学校の先生からは、風邪をひく子供たちが多くなる季節になり、新型コロナウイルスなのか、インフルエンザなのか、普通の風邪なのか分からず、日々、対応に奮闘していると伺いました。先日のコラム(←クリックするとコラム「令和2年度補正予算(第6号)②」が開きます。)で掲載した通り、スクールサポートスタッフが配置されたものの、不足している様子ですので、さらに人員を強化が必要と思われます。

 そして、14日時点の入院患者数は99名、そのうち重症者数は0名となっています。15日~21の間に重症の方が1名、中等症以上の方が1名いらっしゃったとの報道がありました。容体が気がかりです。
 気温の上昇と共に一度春の感染が収まり、夏場に再拡大したものの重症者は目立ちませんでした。そして、夜の街の対策と自粛で再度少し収まっていたように見えましたが、完全には収まらないうちに、気温の低下とともに急激に感染が表面化してきた印象です。そして、重症化の恐れがある年代の方の感染が夏場と比較して高くなり、急速に医療崩壊を心配しなければならない状況になりました。

 西宮市のホームページを確認すると、21日現在の入院・入院調整中の方が162名に増えていることしか分かりません。そこで、兵庫県のホームページを確認すると、事前に備えた通りに感染状況に応じた対応が進められ、県内全体で671床の対応病床を確保していますが、21日現在で468名の方が入院されています。約70%の病床が埋まってしまっていることから、医療機関がひっ迫しつつあることが分かります。
 そして、宿泊療養施設が698室確保され、21日現在で211名の方が療養しており、約30%の稼働となっています。接触確認アプリ「COCOA」を活用して、早期に検査を受けることで、無症状のうちに発見できる環境をつくることの重要性を感じます。
 市民からは、感染に気を付けながら生活をするにあたって、感染状況についてもっと詳しい情報が出せないのかというご意見を相変わらず頂いています。この状況は春とあまり変わっていません。私たちは、全国の数字をもとにして「○○で感染しているケースが多い」といった情報を得てもあまり実感が湧きません。ですので、きめ細かな対応が可能な市として、リアルな情報である積極的疫学調査で得られた情報を集計し、その結果を開示して市民の感染防止行動をもっと啓発すべきです。
 
 そのような中で、20日に感染症対策分科会から提言があり、昨日、詳細は未定ですが、首相がGoToキャンペーンの運用を見直すことを表明したとの報道がありました。

 
令和2年11月20日 分科会提言資料より抜粋

 ↑「GoToトラベル事業が感染拡大の主要な要因であるというエビデンスは今のところ確認されていないものの」とありますが、「同時期に他の提言との整合性が取れた施策を行うことで…結果的に経済的なダメージも少なくなる」と記載されています。


令和2年8月7日 分科会提言資料より抜粋

 ↑今年の夏に新型コロナウイルス感染症対策分科会より指標が示されていました。兵庫県の指標とは異なっているため、現在、兵庫県がどのような状況にあるのか分かりにくくなっています。


200807 感染症分科会資料より抜粋

 ↑ステージに応じた対応も夏場に提言されています。

 11月1日から海外からの出入国については一部緩和されたばかりですが、制限の強化、緩和については、タイミングが非常に難しいと感じます。
 私はGoToキャンペーンはこれまでに全く利用していませんし、しばらくは利用する予定もありませんが、経済と感染防止を両立させるために開始したGoTo事業においては、移動中や滞在先での感染防止対策をしっかりとすることが重要であり、感染防止対策をしっかりしていればむしろ、繁華街で長居して飲食するよりも感染リスクを減らせるのではないかと期待していました。
 感染防止の質を高めるために必要な経費はサービス料金に上乗せせざるを得ませんから、その分を利用者はキャンペーンの割引を受けることで、お得に感染防止の質の高いサービスを利用できるということを、一度立ち止まって再確認し、国民や事業者の協力を得ながら進めるしかありません。

 そして、3密状態を放置する施設やサービスをキャンペーン対象から外すなどの措置は、感染状況に関わらず必要だと思います。また、臨機応変な対応として、土日の旅行や食事を対象外、もしくは割引率や還元率を下げることで、利用者の集中による土日の混雑も抑制できないのものか、平日に休暇を取ってもらうことで会社への出勤日の分散化にもつながらないものか、社会実験も必要だと思います。

 とにかく、国には、国民の命を守るために、経済と医療を同時に守る方策を冷静な状況分析のもとで、感情的ではなく、合理的な対応を期待したいと思います。

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