令和2年度補正予算(第6号)②-子育て支援と学校支援

2020年8月23日[カテゴリ:コラム, 子育て・教育

今週の動向

 バックナンバー(チラシ)のページに「田中まさたけ市政・市議会報告第58号」をアップロードしています。本来今年の2月に発行する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により、作成と配付が大幅に遅れてしまいました。8月のポスティングは、日中は暑すぎてできませんが、比較的日差しの緩い早朝のうちに配布しています。


早朝に撮影した市内の駅の様子です。

さて、

 今週は、21日(金)の午前に議会運営委員会が開かれ、28日(金)から始まる「9月議会」と呼ばれている定例議会で提案される議案の確認と運営等について確認致しました。9月議会では、私は一般質問はできませんが、令和元年度決算の審査が予定されているので、そちらに集中してまいります。

 また、21日の午後は、「兵庫県町村会創立100周年記念シンポジウム」に参加しました。元総務省事務次官の岡崎氏による「地方行政の課題と第32次地方制度調査会の答申」と題した基調講演、その後のパネルディスカッションを通じて、兵庫県の「21世紀兵庫長期ビジョン」の概要や島根県雲南市の「ソーシャルチャレンジバレー」の取組みなど貴重な情報を得ることができました。


会場の兵庫県公館。

 最近、新型コロナウイルスの対応に追われ、目先の対応に目が行きがちですが、日本の少子化、高齢化、人口減少は、着実に進んでいます。この課題は、子供の成長と同様、感染症の克服を待ってくれません。少子化は歯止めをかけるどころか、加速度的に進んでしまう恐れすらあります。
 もはや避けられない「人口減少」という深刻な状況を地方行政が乗り切るためには、「地方行政のデジタル化」、「公共私の連携(市民と市役所の協働)」、「自治体の広域連携」をいかに進められるかにかかっていることを確認しました。そして、第32次地方制度調査会の答申には、「地方議会への多様な住民の参画」も含まれています。

今後の政策提言の参考にしたいと思います。

そして、この項目の最後、

 新型コロナウイルスの感染についてですが、16日(日)~22日(土)の間に、23名(そのうち、市外在住の方は3名)の方の感染が確認されました。先週9日(日)~15日(土)も23名(そのうち、市外在住の方は3名)の方の感染が確認されていましたので、全く同じ状況となっています。
 しかし、検査数を見てみると、19日(水)までの数値しか分かりませんので日曜日から水曜日までの4日間の数値を比較すると、先週9日(日)~12日(水)の検査数(保険適用含む)が310件であったのに対して、今週16日(日)~19日(水)の検査数は225件でしたので、検査数は減少傾向にあります。

 なお、23日現在の入院・調整中の方の人数は48名となっています。 

児童福祉施設等における感染拡大防止対策に係る支援(拡充)

 それでは、前回からのコラムの続きを掲載します。

市の説明の抜粋
 西宮市では、児童福祉施設等に対し、これまで感染拡大防止に資する物品購入費について1施設あたり50万円を上限とした補助事業を実施するなど、感染拡大防止対策への支援を行ってまいりましたが、緊急事態宣言の解除により、今後は、適切な感染防止対策を行った上での利用の再開や継続的な事業の実施に向けた支援が求められると思われます。
 この度、令和2年6月12日に可決されました国の第二次補正予算を踏まえ、兵庫県において、児童福祉施設等における感染拡大防止策や施設の利用再開への支援などに対し、財政措置を行うことが示されました。
 これを受けて、本市では、必要な事業費等を補正により予算化して市内の児童福祉施設等に対する補助を行い、引き続き感染防止対策について支援いたします。
【補正予算額】
 1億6600万円(財源:全額県の負担)
【対象経費】
児童福祉施設等が購入するマスクや消毒液等の衛生用品や感染拡大防止用の備品に対する経費及び、職員が感染症対策の徹底を図りながら業務を継続的に実施するために必要な経費。(※ 兵庫県の交付要綱に準拠)
【対象期間】
 令和2年4月1日から県が指定する期日まで
【補助額】
 1施設あたり50万円まで
【対象施設等】
 保育所、幼保連携型認定こども園、地域型保育事業所、認可外保育施設、病児保育施設、子育てひろば、利用者支援事業(子育てコンシェルジュ)、ヘルパー派遣事業、母子生活支援施設、留守家庭児童育成センター

 西宮市ではすでに、国の措置により令和元年度補正予算(←クリックすると3月24日のコラムが開きます。)及び令和2年度補正予算第4号(←クリックすると6月4日のコラムが開きます。)で対応して同じ支援が実施されており、今回は県の事業として再度支給されます。
 全国的に、子育て支援施設でのクラスターの発生が確認されておりますが、西宮市では、7月に留守家庭児童育成センターの職員の感染が確認されたものの、児童には感染は拡大しませんでした。この補助金を有効に活用して頂いて、引き続き、感染拡大を防いで頂かなくてはなりません。
 3月補正、5月補正の際の補助金と合わせて、どのような経費に充当できたのか、また、これで十分なのか、補助金の使途に関する助言は必要ないのかなど、補助金の運用面での課題や効果について至急検証し、さらに対策を検討しなければなりません。

低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金の支給

市の説明の抜粋
 新型コロナウイルス感染症の影響により、子育てと仕事を一人で担う低所得のひとり親家庭については、子育てに対する負担の増加や収入の減少などにより特に大きな困難が心身共に生じていることを踏まえ、こうした世帯を支援するため、ひとり親世帯臨時特別給付金給付事業を実施することとし、必要となる事業費等は、令和2年度予算を増額補正して対応します。
【補正予算額】
 3億8854万5千円(財源:全額国の負担)
(内訳)
・臨時特別給付金 3億7935万円
・事務費919万5千円

補正予算第6号の総額が約7億円ですので、その半分以上がこの事業ということになります。

制度概要
【支給対象・要件】
①令和2年6月分の児童扶養手当が支給される方
②公的年金等を受給しており、令和2年6月分の児童扶養手当の支給が全額停止される方
③新型コロナウイルス感染症の影響を受けて家計が急変するなど、収入が児童扶養手当を受給している方と同じ水準となっている方
【支給額】
(1)基本給付
1世帯5万円、第2子以降1人につき3万円
(2)追加給付…新型コロナウイルス感染症の影響により家計が急変し、収入が減少している方への給付
1世帯5万円
【支給対象者数】
(1)基本給付
①児童扶養手当受給世帯(2660世帯、第2子以降1270名)
②公的年金受給世帯数(375世帯、第2子以降180名)
③家計急変世帯(975世帯、第2子以降465名)
(2)追加給付
①児童扶養手当受給世帯(2660×0.8=2128世帯)
②公的年金受給世帯(375×0.8=300世帯)

↑申請が必要な場合と不要な場合がありますので、詳細は西宮市にお問い合わせてもらうよう呼び掛けてください。

市ではすでに同様の支援を、5月の補正予算(第4号)(←クリックすると6月4日のコラムが開きます。)で実施しており、今回はさらに国の事業として実施され、微妙に対象者も異なっており、申請が必要なものがありますので、十分な周知が必要と感じています。

スクールサポートスタッフの配置

市の議会答弁より
 国が、感染症対策によって増大する教師などの業務をサポートし、子供たちの学びの保障に注力できる環境を整えるため、緊急的にスクールサポートスタッフの大規模追加配置を決定したことにより、本市においても、小学校、中学校、義務教育学校、特別支援学校の各校に1名ずつ会計年度任用職員としてスクールサポートスタッフを配置するため、補正予算を上程しております。
 感染症対策のために新たに発生した消毒や健康管理等に係る業務、また、保護者への連絡や授業準備など増加が見込まれる事務をスクールサポートスタッフが補助することによって、教職員の負担軽減を図ってまいります。
【補正予算額】
 4937万5千円(財源:県補助金4200万円、市735万5千円)

 以前のコラム(←クリックすると5月24日のコラムが開きます。)で指摘していた内容でしたが、国によって財源措置され、県を通じて補助して頂けることで、スクールサポートスタッフ各校1名ずつ配置されることになり、令和2年6月議会の一般質問でも確認しました。

 しかし、スタッフ1人あたりの勤務時間は週に20時間を想定しているとのことで、新型コロナウイルス対策により、保護者に対する広報子供たちの心のケア、家庭での学習支援、補習対応など激増した業務をどこまでカバーできるのか検証が必要です。

 今後も、新型コロナウイルスが終息した後のことも見据えつつ、デジタル化と組み合わせて、適した人材の確保と体制の強化について考えたいと思います。

 次のコラムでも、令和2年度補正予算(第6号)の続きを掲載します。

記事一覧