令和2年度補正予算(第6号)①ー令和2年6月定例議会

2020年8月20日[カテゴリ:コラム, 子育て・教育

令和2年度補正予算(第6号)

今回のコラムから、先月9日まで開かれていました定例議会で、令和2年度補正予算(第5号、6月22日提案)と同時に審査し、可決しました令和2年度補正予算(第6号)について掲載します。

補正予算(第6号)は、6月の定例議会中である7月1日に提案され、全て新型コロナウイルス感染症対応のための予算となっています。
総額7億87万4千円の増額補正です。
そのうち、
4億3679万1千円は国が負担、
2億1701万円は県が負担、
残りの4707万3千円が市の負担となり、市の財政基金を取り崩して対応されます。

以下、事業ごとに掲載します。

子どもの食サポート事業(子ども食堂による居場所づくり)(拡充)

市の説明の抜粋
子どもの食サポート事業(令和2年5月補正予算)(←クリックすると6月4日のコラムが開きます。)では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、家庭事情等により支援が必要な子どもたちに対し、4月から6月迄の間に、子ども食堂が昼食等を無償提供する場合に経費の一部を補助しています。今回の拡充は、学校給食再開後も引き続き支援を行うため、7月以降子ども食堂による場所を定めた食事提供及び、学習支援等子どもの居場所づくりに資する事業を実施する場合に経費の一部を補助します。
【対象事業】
年間を通じて概ね月1日以上、場所を定めて以下の事業を新規、又は継続して行う場合に補助対象とします。ただし(1)の食事を提供する事業は必須とします。
(1) 食事を提供する事業(小・中学生の食事代は、無料もしくは安価な額とします。)
(2) 学習支援、地域との交流その他の子供の居場所づくり事業(学習支援とは、学習習慣の定着や基礎的な学力の向上のために宿題や自主学習を支援するものとします。)
【対象経費】
 (1)食材の購入に要する経費
 (2)調理に必要な施設等の使用に要する経費
 (3)消毒液・マスク等の感染症対策品、容器・調理器具等の消耗品の購入に要する経費
 (4)当該事業の実施のために必要な保険に要する経費
 (5)学習支援、地域との交流その他の子どもの居場所づくりに要する経費
 (6)(1)~(5)に掲げるもののほか、市長が特に必要と認める経費
【補助基準額】
 (1) 食事を提供する事業に要する経費(1回実施につき1万円、上限15万円/年
 (2) 学習支援、地域との交流その他の子どもの居場所づくり事業に要する経費(1回実施につき5千円を加算し、上限5万円/年
【対象期間】
 令和2年7月10日(金)から令和3年3月31日(水)までの期間
 7月中旬から申請受付開始
【補助金額】
 対象経費の総額から寄附金その他収入を控除した額と補助基準額のいずれか少ない方の額(但し、補助金額の上限は最大20万円とします)
【補正予算額】
 300万円(財源:全額市の財政基金取崩し)
 @20万円×15 団体=300万円(既存12 団体+新規3 団体)

 兵庫県は、「ふるさとひょうご寄附金」を活用して、「『子ども食堂』応援プロジェクト」と題して平成28年度から財政的支援を実施してきました。このプロジェクトの補助額は、月1回の実施に対して年間上限10万円、月2回以上の実施で上限20万円となっていますが、西宮市内の団体への交付実績はこれまで4年間で1件のみでした。

 子ども食堂については、何度か現場を見学させて頂き、平成28年12月議会一般質問(←クリックすると内容を掲載したコラムが開きます)で取り上げて、拡充に向けて議論したことがあります。
 また、西宮市のふるさと納税を通じて支援したいというご意見も頂き、平成31年3月議会の代表質問では、西宮市でも、子供食堂の運営に対する支援をふるさと納税のメニューにするよう提言し議論しましたが、まだ、西宮市のメニューにはなっていません。

 これまでは、地域等の自主的な活動に依存してきたため、費用面や労力の面でどうしても二の足を踏む方が多く、コロナ禍によって、ようやく市も財政的な支援に乗り出すことになりました。補助の対象団体は、既存の団体だけではなく、新規で「子ども食堂」を実施して頂ける団体も対象となっていますので、これを機に、子ども食堂が増加することが期待されます。
 
 子供食堂事業は、子供の貧困対策という限定的な取組みではなく、家庭教育に対する支援と捉えて幅広く子供を対象にして実施すべき事業であると考えてきました。今後、利用者の視点で「子ども食堂」のあり方と持続可能な支援の方法を考えていきたいと思っています。

ウェブ就活支援事業 (新規)

市の説明の抜粋
 新型コロナウイルス感染症の拡大防止措置の一環として、企業の採用活動が急速にインターネット環境を利用したウェブ説明会・ウェブ面接等に移行しているか、または移行を検討されており、求職者でウェブ就活環境を利用できない場合に、無償で環境を提供するものです。
 また、市内事業所で、ウェブ説明会やウェブ面接に必要な設備やノウハウを有しない場合に、採用担当者へ無償で提供します。
【補正予算額】
 137万1千円(財源:全額市の財政基金取崩し)
【実施方法】
 西宮若者サポートステーション(一般社団法人キャリアエール)に委託して実施。

以下の2つの事業が実施されます。
今後、利用実績と効果について検証しなければなりません。

(1) ウェブ面接環境提供支援(新規)

事業内容
 ウェブ説明会への参加・質疑応答、企業とのウェブ面接を行うための環境を無償で提供する事業。
(日時・時期)
月・水・金曜日 10時00分~17時00分
(場所)
勤労青少年ホーム 2階 労働相談室
(対象)
・市民または市内大学等卒業者で求職活動中であること
・市内に事業所のある採用担当者
(支援内容)
・ノートパソコン1台、ヘッドセット無償貸出(希望者)
・Pocket Wi-Fi 無償貸与
(その他)
予約制

↑会議室の空き時間を活用するため、曜日時間が限定されています。ニーズによっては、火曜日や木曜日の実施場所の確保や部屋数の増設も検討する必要があります。

(2) ウェブ就職活動支援(新規)

事業内容
 ウェブ説明会の視聴、ウェブ採用面接エントリー、求人情報の検索、履歴書・エントリーシート作成環境を無償で提供する事業。
(日時・時期)
月~金曜日 10時00分~17時00分
(場所)
勤労会館1階 談話コーナーほか
(対象)
市民または市内大学等卒業者で求職活動中であること
(支援内容)
・ネット接続ノートパソコン2台、ヘッドセット無償貸出(希望者)
・作成した履歴書等を印刷するためプリンターを使用可
(その他)
予約制

高齢者就業機会確保事業 (新規)

市の説明の抜粋
 新型コロナウイルス感染症の拡大による事業自粛等により、公益社団法人西宮市シルバー人材センター(以下、「シルバー人材センター」と略する。)が受注している業務が減少し、高齢者の就業機会が制限されています。
 シルバー人材センターは、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に基づき、設置されている公益社団法人で、これまで高齢者自身の生きがいや生活の充実を図ることを目的とし、企業や家庭、公共団体等から高齢者にふさわしい仕事を引き受け、会員の多様なニーズに応じた就業機会を提供してきました。
 現在、勤労福祉政策の拠点である勤労会館窓口には、施設利用者に加え、労働相談利用者、雇用継続相談会相談者、就職支援窓口利用者、住居確保給付金相談者、生活困窮者等が多数来館しています。
 勤労会館来館者の増加に伴う窓口案内業務・電話応対業務・施設予約業務等の急増に対応するため、当該業務を高齢者の就業機会として確保し、シルバー人材センターに発注します。
 事業の実施を通じて、高齢者に就業の機会を提供し、健康で生きがいある生活ができるよう支援します。
【補正予算額】
158万円(財源:全額市の財政基金取崩し)
【実施方法】
 公益社団法人西宮市シルバー人材センターに委託して実施。
事業内容
 勤労会館の受付・案内、施設管理システムによる施設予約、市民からの電話問合せ対応等業務。
(日時)
月~金曜日 9時00分~17時00分
(時期)
令和2年7月予定
(場所)
勤労会館 1階 事務室

 コロナ禍において、仕事を失ったり、内定を取り消された方々に対する就労支援はさらに必要だと感じています。一方で、仕事が増えて、外国人の移動も制限され、人材不足に悩まされている事業もあります。西宮市は平成31年3月に「西宮市働きやすいまちづくりプラン」を策定して取り組んでいますが、雇用のマッチング機能を始め、雇用対策についてさらに考えなければなりません。

令和2年度補正予算第6号の事業について、次回以降のコラムに続きます。

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