「子供食堂」など、子供の夜の居場所についても課題が指摘されています。
平成28年12月議会一般質問「家庭教育支援について」の中で議論しました。
前回のコラムの続きとなります。
======ここから本会議場での議論の概要======
平成28年12月議会一般質問(平成28年12月7日)
2.家庭教育支援について
(子供食堂などの夜の居場所づくり)
■質問の背景・田中の主張
親が夜遅くまで働いていて家にいない家庭の子供に対する支援として、全国各地で、地域における子供食堂やトワイライトステイのような夜の居場所づくりを実施する団体が増えています。
先日、西宮市青少年健全育成のつどいにおいて、実際にトワイライトステイに携わってきた幸重(忠孝)氏の講演を伺いました。
本市においても、経済的な理由で晩御飯を食べさせてもらえていない子供や、「コ食」と呼ばれていますが、一人もしくは子供だけで偏った食事をする頻度が高い子供たちに対して、民間の関係団体との協働のもと、食育や家庭学習の習慣を身に着ける機会を設ける必要性を感じました。
■質問
家庭教育支援の観点から、貧困家庭、共働き家庭、ひとり親家庭、子育てや教育に不安を感じている家庭の子供たちを主な対象とし、家庭学習や生活習慣を身につけるために、留守家庭児童育成センター終了後の夜の居場所づくりについて、その必要性、課題、今後の市の取り組みをお尋ね致します。
■市の回答
経済的貧困や親の育児放棄などで十分食事をとれない子供たちや家庭の事情により一人で食事をする孤食の子供たちのために、無料や低価格で食事を提供する場所として、子供食堂という活動が広く注目をされております。
最近では、学生ボランティアによる宿題などの学習支援を行っているところもあり、子供の夜の居場所の一つとなっています。
本市が把握している子供食堂は、2つの民間団体が市内の2か所で運営しており、利用者を限定せず、広く子供たちの受け入れを行っております。本市では、この2か所の運営者の意見や相談等も受けながら、地域の児童館にチラシを置いたり、地域へのつなぎや情報提供など側面的支援を実施しております。また、運営者とともに地域や学校関係者との意見交換も行っております。
実際に活動を行っていく中で、貧困世帯や孤食の子供たちなど、本来支援を届けたいと考えている子供たちをピックアップして、子供食堂に参加させることの難しさ等運営上の課題も見えてきたところです。
このように、様々な課題を抱える子供や家庭に対する夜の居場所作りの支援については、ニーズの把握方法のみならず、支援の範囲やあり方、また、その担い手の確保等、いくつもの課題を整理していく必要があります。
そのためにも、本市では、まず今年度に子供の貧困実態調査を実施し、支援体制の整備計画を策定致します。
この実態調査や計画の策定に当たっては、健康福祉局や教育委員会をはじめとする関係部署と連絡会議を開催し、連携を図っているところであり、今後の施策展開につきましても、今ある資源や施策を活用していくにあたり、引き続き、全市的な連携体制の強化を図りながら、必要な支援へと適確につなげていきたいと考えております。なお、
新たに子供食堂を始めようとする市民等からの相談については、食堂運営に支援を行っている関係機関を紹介したり、適宜必要な情報提供を行うなど、引き続き適切に対応してまいります。
======ここまでが、本会議場での議論の概要=======
この時点で、市の回答では、「支援体制の整備計画の策定」まで言及されました。
そして、平成29年3月に、早速、
西宮市子供の生活応援体制整備計画が発表されました。
↑クリックしてご参照ください。
子供の居場所づくりについては、今後の検討となっています。
また、デリケートな問題でもあり、課題を抱えたご家庭の子供は、地域でも発見しにくいことも考えられます。課題が隠れてしまった結果、子供が犠牲となる事件や事故も発生しているのだと思います。ですので、定期的な訪問によって現状把握ができる見守り体制も必要であると考えています。
そのためには、財源や人材が不可欠となりますので、今後も、子供が健全に育つ環境整備について、市との議論を重ねたいと考えています。