家庭の教育力の向上のために④-幼児期の家庭教育支援

2017年5月7日[カテゴリ:幼児期教育, 質問

私は子育てを始めて17年ですが、親にとっては、誰もが初めての経験であり、1人の子供に対して、親として子育て・教育に携われることができるのは一生に一度です。

ですので、親には、子供の教育に迷いや不安が必ずあると言っていいと思います。

昔は同居していた父母がいろいろと相談に乗ってくれたり、助けてくれたりしていたのかもしれませんが、時代がどんどん変化していき、昔のやり方も通用しないことが多くなり、情報も溢れかえっているので、常に選択、決断が求められます。

また、子供が幼い時期、特に幼児期の教育は大変重要と言われていることからも、幼児期の子を育てる保護者に対して、手厚い家庭教育支援ができれば、その後の子供の成長にとって大きな効果をもたらし、結果的に子供のために、延いては社会のためにもなると考えています。

そこで、平成28年12月議会一般質問「家庭教育支援について」の中で、幼児期の家庭教育支援について議論しました。

前回のコラムの続きとなります。

========ここから、本会議場での議論の概要=======

2.家庭教育支援について
(幼児期の家庭教育支援)

■質問の背景・田中の主張
家庭教育支援は早い時期から実施する方が効果的であると言われています。

子供の幼児期において、保護者に対する家庭教育の支援を強化することで、子供に対する幼児教育の役割の理解を一層深めるとともに、その後の子育てや家庭教育に対する意識の向上に大きな影響を及ぼすものと考えられます。

そして、義務教育の準備期にあたる、4歳、5歳の幼児の約95%が、幼稚園、保育所に通園していることから、幼稚園や保育所を通じた保護者の家庭教育に関する意識向上を図る取り組みや支援が有効と考えます。

■質問
公立幼稚園での家庭教育支援の取り組みの現状をお尋ねいたします。

■市の回答
公立幼稚園では、教職員が毎日、登園や後援の際に、保護者とコミュニケーションを図ることで、子供の特性や健康状態等をより深く把握し、必要な支援の在り方を共有しています。

日々の保護者との関わりの中で、保護者の思いや願いを受け止め共感し、寄り添うことを大切にしています。また、定期的に行うPTA活動では、幼稚園がコーディネーターとなり、PTA主催の講座や地域と連携した幼児教育講座など、専門的な視点から自分自身の子育てを振り返る機会を提供しています。

■意見・要望
まず、公立幼稚園のほうで、家庭教育の支援や先駆的な取り組みを研究していただきたいと思います。そして、市内の私立幼稚園や保育所での参考にしてもらえるような取り組みとしていただきたいということを、教育委員会には要望致します。
 
また、幼児期の家庭教育の支援というふうな切り口で質問しましたが、今そういう発想を持っている部署がないということもわかりました。

先ほど壇上で述べました、幼児期のお子さんの95%が幼稚園か保育所に通っています。

しかし、保育所に家庭教育支援という概念がなく、「親御さんに対する情報提供に関しては本来業務としてやってます」というようなことを教えていただきました。しかし、果たしてそれで本当に家庭の教育力が低下しているということに対して、政策が考えられるのかということをすごく不安に感じました。

もう一つが、先ほど4歳・5歳児の幼稚園や保育所に通園していない、残りの5%のお子さんが、どのような生活をし、教育を受けているのか把握できていません。今日この場でできていないことを確認しても仕方がないので質問はしませんでしたが、そういう現状がございます。

ですので、今の家庭の教育力が低下しているということに対して取り組むためには、まず、現状を把握してもらわないと困りますので、現状把握から取り組んでいただけるよう要望致します。

=======ここまでが、本会議場での議論の概要========

市役所内に、幼児期の家庭教育支援について担当している部署がなく、事前の調査もままならない状態で、掘り下げた議論はできませんでしたが、それなりに収穫(市役所内に担当を作らなければならないことが分かるという初歩的なことですが、大きな問題です。)もあったと思っています。

そこで今回は、市が唯一直接幼児教育を担当している公立幼稚園の取組みを質問しましたが、「家庭教育支援」というにはあまりに具体性に欠ける回答が返ってきました。幼稚園が終わって帰ってから、家庭ではどのように過ごさせるのがいいのか、アドバイスがある様子もありません。

ですので、家庭の教育力の低下が問題視されている昨今、幼児期の家庭教育支援の取り組みについて、まずは、担当する部署を決め、現状と課題を把握し対策を講じる必要性があると指摘せざるを得ませんでした。

そして、市が唯一直接幼児教育を担当している公立幼稚園が、幼児期の家庭教育支援の先駆的取組み、他の幼稚園や保育所等子育て施設の手本となるような取り組みを展開できないかと考え、取り組んでもらえるよう要望しました。

もし、今後具体化できないようであれば、私立幼稚園や民間保育所に委託することも考えなくてはなりません。

また、機会を得て議論したいと考えています。

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