西宮市幼児教育・保育のあり方についてー令和5年3月議会一般質問

2023年3月27日[カテゴリ:幼児期教育, 質問

3月7日に開催されました教育こども常任委員会で明らかにされました。

西宮市幼児教育・保育のあり方(案)について 方針
西宮市幼児教育・保育のあり方(案)について アクションプラン
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この方針とプランの公表に先立って、令和5年3月議会一般質問で「幼児教育・保育のあり方」を取り上げて、議論しました。

====本会議場での議論の概要====

令和5年3月議会一般質問

2.幼児教育・保育のあり方について
イ)公立認定こども園のニーズ
■質問の背景(田中まさたけ)

 私立幼稚園の入園対象となります3歳児の入園予定人数が、こちらはお手元の資料の図1のほうに推移をお示ししましたが、令和4年度が1,845人であったのに対して、令和5年度は1,553名と292名も減少していると伺っております。
 よって、1号認定の3歳児の受入れ枠としては、現在の幼稚園で十分に確保できていると考えます。むしろ私立幼稚園の認定こども園化を促し、2号認定の3歳児の受入れ枠を増やすことがニーズに合わせることにつながると考えます。(実際に市はその方向で取組みを進め、認定こども園化を促しています。)

■質問(田中まさたけ)
 幼児教育・保育のあり方(中間報告)では、公立幼稚園の認定こども園化が示唆されております。その検討の中で、1号認定の3歳児の受入れについては引き続き私立幼稚園に委ね、2号認定の児童及び特別な支援を要する児童の受入れを強化するべきと考えますが、市の見解をお尋ね致します。

■質問に対する市の回答
 少子化の進展による就学前児童数の減少に伴い、公立幼稚園の園児数は急速に減少しているとともに、保育所につきましても保育ニーズのピークアウトが見込まれる中、公立幼稚園と公立保育所の現在の運営体制や規模をこのまま維持することは、園児数の減少状況や限られた市の経営資源の活用などの観点からは、必ずしも適切でないと考えております。
 そのようなことから、令和4年9月にお示しした幼児教育・保育の在り方の中間報告では、公立園全体としての定員やクラスなどの総量を縮小し、運営の効率化を図りながら、在園児同士の幅広い異年齢交流と一定の集団活動を維持できる機会を提供するための仕組みとして、現在の公立幼稚園と公立保育所の統合による公立認定こども園の設置についての検討を行うとしたものでございます。
 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律、いわゆる認定こども園法では、幼保連携型認定こども園は、満3歳以上の子供に対する教育・保育を一体的に行う施設であると定められております。さらに同法では、認定こども園に入園することのできる者は、満3歳以上の子供及び満3歳未満の保育を必要とする子供とすると定められておりますので、本市が設置を検討している公立認定こども園の1号認定の対象年齢については、3歳児からを想定しております。
 このことにより、幼保連携型認定こども園教育・保育要領に掲げる、保護者の就労の有無に関わらず、ゼロ歳から小学校就学前までの一貫した教育・保育を園児の発達や学びの連続性を考慮して実施するなど、認定こども園の特徴を最大限に生かしていきたいと考えております。しかしながら、私立幼稚園を含む幼稚園ニーズは全体的に減少傾向にありますことから、1号認定の定員設定につきましては、需給バランスに十分配慮するとともに、公立園の役割などを総合的に勘案し、実施にあたっての詳細は整理をしてまいります。
 また、公立認定こども園につきましては、幼稚園と保育所の統合などにより設置することを基本に進めておりますので、公立園全体の総量も併せて縮減を図ってまいります。

■市の回答を受けての意見(田中まさたけ)
 先ほどの御答弁で、公立認定こども園の1号認定の対象児童は3歳児を想定しているという御答弁がございました。ということは、公立で1号認定の児童の3年保育を実施するということを意味するんだと思います。これまで1号認定児童、配布資料には1号、2号、3号の用語解説をつけておりますが、この1号の認定児童を受け入れる公立の幼稚園では、4歳と5歳児の2年保育を実施してこられました。
 これらは、幼稚園における公立、私立のこれまでの歴史、役割分担に関する長い歴史があってのことだと私は理解しておりました。それを、公立幼稚園を保育所と統合して公立認定こども園に集約する際に、どさくさに紛れて1号認定児童の3年保育を公立が実施するとなれば、全体としては縮小と言いつつも、1号認定の3歳児の受入れという観点では、ゼロから1以上に拡大することになるわけですから、それなりの理由がなければ関係者から反発があるのは当然だと思います。

 ましてや、お手元の資料の表にも示しましたけれども、児童の減少がもうここ数年ずっと続いております。そのような中で、幼稚園に入園する3歳児は、先ほども言いましたけれども、新年度においては激減することが確定しています。
 ニーズは明らかに2号認定児童の受入れであって、公立はその多くのニーズに応える義務があると私は思ってます。法律では、認定こども園が必ず1号認定児童を3歳から受け入れなければならないわけではないということも、先ほどの御答弁からは理解をいたしました。
 配布資料には公立幼稚園での人件費も示しましたが、こちらのほうも決して安いわけではございません。

■再質問(田中まさたけ)
 このような状況下で、今さらなぜ公立において1号認定児童に対する3年保育を実施する必要があるのか、公立で3年間幼児教育することでどのような効果を生み出せると考えているのか、御説明いただきたいと思います。

■再質問に対する市の回答
 公立認定こども園の検討にあたりましては、公立幼稚園と公立保育所を再編して公立園の総量を縮小していくという方針を今定例会中にお示ししたいと考えております。また、幼保一元化という大きな流れの中で、幼稚園や保育所のまま運営を続けていくのではなく、認定こども園に再編して、保護者の就労の有無に関わらず、その地域の子供たちが同じ施設で共に学び共に育つ環境を整えていくことが望ましいと考えております。
 幼稚園の3年保育につきましては、私立幼稚園が担ってこられた歴史があることは認識しております。幼児教育・保育の無償化によって3歳児から保育料が無償となるなど、子供を預ける環境や保護者ニーズは大きく変わってもきました。そういった中、本市で初となる公立認定こども園を設置するにあたりましては、支援が必要な子供や家庭に対するセーフティーネット、また、地域における幼児教育・保育ニーズの受皿など、公立園としての役割を果たしながら、国の示す原則にのっとり、認定こども園としての特徴を最大限に生かしていきたいと考えております。
 本市における教育・保育施策の大きな転換期となりますけども、公立園の再編によって総量を縮小し、生み出した人材と財源を持って未来の子供たちの健やかな育ちを支えられるよう、子供・教育施策を強力に推進してまいります。

■意見・要望(田中まさたけ)
 こちらは、繰り返しになりますが、認定こども園は、1号認定児童を必ずしも3歳から受け入れなくてもいい、最近、NATSと呼ばれる自治体と取組みをいろいろされてまして、その中の豊中市さんも公立の認定こども園を設置されているのですが、1号認定児童については4歳児と5歳児の枠のみということで設定されております。それにもかかわらず、ただいまの御答弁では、まずは国が示す原則にのっとるということがお答えにありました。

 もう一つは、支援が必要なお子様や家庭に対するセーフティーネットの役割があるだろうということでございました。
 そうした公立としての役割を果たすということであれば、その辺はしっかりとまず説明して、そこの役割を果たすのだということを示していかないと、関係者の理解は得られないのではないかと思いますので、最初の御答弁にございましたとおり、しっかりその辺、整理をしていただいて、納得がいくといいますか、なるほどと思ってもらえるような説明ができるように関係者の方々とは協議を進めていただきたいと思います。

 ニーズの調査も、もう少し詳細にされたほうがいいと私は思っておりますので、その点も併せてお願いしておきたいと思います。

 仮にこの公立で3年保育が始まったら、いいことばっかりかというと、そうではないと思っていまして、もちろんいいこともあるんだと思いますが、1号認定の児童が3歳から受入れとなりますと、保護者にとったら、お子さんによっては発達には個人差がありますから、4歳から幼稚園に通わせようかな、実は、私はそうだったのですが、私の子供は全員2年保育でした。皆さん3年保育をしている中で、2年保育でした。それは、2年保育がいいと思ったからなんです。
 私の場合は、たまたま私立幼稚園で空きが出て入れて、その後は兄弟枠で入れましたので、2年保育で行けたのですが、3年保育を始めると、3歳から応募しないと4歳では入れないとか、そういうことになってくるのです。
 ですので、4歳から2年保育を受けようという保護者の方がやはり入りにくくなるということもデメリットとしては考えられるのかなと私は思っておりますので、公立がしっかりと4歳、5歳のお子様を受け入れられる環境というのは、確保しておかないといけないと思いますので、その点、十分に留意して整理していただきたいと思っております。

====ここまでが、本会議場での議論の概要====

幼児教育保育のあり方についての議論の続きは、次回以降のコラムに掲載します。

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