施設等に対する物価高騰対策ー西宮市一般会計補正予算③

2023年8月25日[カテゴリ:コラム, 商工政策, 子育て・教育

 今年も西宮市にあります甲子園球場におきまして、第105回全国高等学校野球選手権記念大会が開催され、高校生による熱戦が繰り広げられました。
 4年ぶりに声を出しての応援が解禁され、選手が記念に土を持ち帰ることも許されるなど、ようやく以前の光景が戻ってきました。
 一方で、気候変動の影響なのか、今年も本当に暑い日が続いていますが、熱中症対策として、5回を終えた後のクーリングタイムが導入され話題を呼びました。ナイターによる試合も多かったように思います。

 
 ↑2年前に撮影した写真です。
 
 真夏の炎天下で、屋根のない甲子園球場で大会を開催する是非が、いろいろと意見が出ているようです。しかし、高校野球はテレビで放映されるので注目されていますが、他の競技も夏場に炎天下で行われています。
 また、7月に行われる地方予選も含めると、熱中症の危険性を完全に回避する方法は考えられず、究極は夏の大会をやめてしまうしかなくなってしまうように思います。大会を秋にずらすと、それはそれで、他の大会や、受験等生徒の皆さんの生活にも影響が大きく及んでしまいます。
 いろいろ検討した結果。甲子園での大会をやめてしまうようなことになれば、子供たちの夢を取り上げる格好となり、その残酷さは、3年前に経験したばかりであり、やめてしまうようなことは絶対に避けてもらいたいと思っています。
 子供たちの夢を守りつつ安全性を確保する方法を、クーリングタイムの導入のように少しずつ模索するしかないと思います。

 さて、前置きが長くなりましたが、今回も前回コラムに引き続き、第二回定例会で可決しました西宮市の令和5年度補正予算(第3号)を掲載します。今回が定例会の報告の最終回です。
 

西宮市一般会計補正予算(第3回)

⚫子ども食堂等における食材費・光熱費高騰対策支援
●補正内容
 補正額:201万8千円増額
【財源】
 全額国の負担(新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金)

市の説明の抜粋
●事業の概要
 令和4年度より引き続き、エネルギー・食料品価格等の物価高騰の影響を受けた子育て世帯を支援するため、無料または安価で栄養のある食事や温かな団らんを提供する子ども食堂等に対して食材費・光熱費等高騰対策支援金を給付する。

●支援対象(施設数)
子ども食堂等23施設
(令和5年4月13日現在で市が把握している施設数)

●給付基準額
令和5年4月1日から令和6年3月31日の間に提供する食事(見込数)1食あたり100円加算(上限20万円)


子ども食堂が月に一度開かれている上田公会堂

 こちらの公会堂は、旧鳴尾東小学校の校舎を地域の方々が移築して地域住民の集会施設として使用され、地域の方から寄贈されたと思われる子供向けの漫画や本も置いてあって、子供の放課後の居場所にもなっています。そして、広めの公園に建設されていますので、地域の子供たちの居場所として最適な場所と言えます、

 約7年前だったと思いますが、当時からこちらで実施されていた「なるっこ食堂」さんを見学させていただき、実施するに至った経緯等を勉強させていただきました。
 その後、平成28年12月議会の一般質問(←クリックするとコラム「家庭の教育力の向上のために③が開きます。」)で取り上げ、今後の市のかかわり方について質問していました。
 
 当時は、市内では2か所でしか実施されていませんでしたが、特にコロナ禍に急激に増加し、現在は市が把握しているところで、23か所で実施しているそうです。

 子ども食堂は、民間の団体や地域の団体の方々が運営されていて、その財政的な支援を行うため、平成31年3月の会派代表質問(←クリックするとコラム「未来を見据えた財政運営②」が開きます)を行った際に、ふるさと納税制度を利用して支援を促進するよう提案しています。

 この提案については、市にはいまだ受け入れられていませんが、子供たちの健全な育ちのために、粘り強く訴え続けてまいります。

⚫児童福祉施設等における食材費・光熱費投稿等対策支援金
●補正内容
 補正額:5860万8千円
【財源】
 全額国の負担(新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金)

市の説明の抜粋
●事業の概要
 令和4年度より引き続き、エネルギー・食料品価格等の物価高騰の影響を受けた事業者に対し、その実情を踏まえた支援を行う観点から、児童福祉施設等食材費・光熱費等高騰対策支援金を給付する。

●支援対象(施設数)
【通所施設】
(1)私立保育所[30施設]
(2)幼保連携型認定こども園[29施設]
(3)地域型保育事業者[60施設]
(4)留守家庭児童育成センター/民設放課後児童クラブ[117施設]
(5)認可外保育施設 [97施設]
【入所施設】
(1)母子生活支援施設 [1施設]

●給付基準額
【通所施設】
入所者数等が0~9人:1万8千円、以降10人ごとに3万6千円加算
※R5年4月1日時点の入所者数等
【入所施設】
入所世帯数等が0~9世帯:5万円、10~19世帯:15万円、20~29世帯:25万円
※R5年4月1日時点の入所世帯数等

●事業費合計:5860万8千円
【通所施設】
(1)私立保育所(民間認可保育所):1003万6千円
(2)幼保連携型認定こども園:1419万4千円
(3)地域型保育事業者(小規模保育所):295万2千円
(4)留守家庭児童育成センター/民設放課後児童クラブ:2089万8千円
(5)認可外保育施設:1027万8千円
【入所施設】
(1)母子生活支援施設:25万円

↑私立幼稚園に対する給付につきましては、兵庫県が同様の支援が行われることを確認しています。

新設された安井留守家庭児童育成センター

 留守家庭児童育成センター(学童保育)に対しても、今回の補正予算でも物価対策が講じられることになりました。
 安井留守家庭児童育成センターは、安井小学校の建て替えに伴って、4月から3階建ての新しい施設も使用されるようになり、今年の5月の連休明けに早速、地域の方からご連絡をいただき多数の課題を伺いました。

 写真の右の2階建ての施設も使用中です。
 そして、新しい施設が3階建てになったとたん、学校の設計と学童保育施設の設計を同時に行ったせいか、学童保育における生活の視点が欠けている部分が多く、急に課題が増えたように感じました。

 中でも。

 西宮市は「西宮市障害を理由とする差別の解消及び誰もが暮らしやすいまちづくりの推進に関する条例」を令和2年に制定しましたが、こちらの留守家庭児童育成センターの整備にあたっては、車いすを利用する子供に対する配慮が著しく欠けている設計となっていることも判明しました。
 条例を制定した部署と学校の設計を担う部署の縦割りが露呈した形となった感じています。
 当時、条例を審議する常任委員会を担当していましたので、条例の形骸化を懸念してかなり突っ込んで議論しましたが、その通りになったように感じています。

 子供たちの安全にかかわる課題については特に迅速に、職員の方々の課題も、一つ一つ解決してかなければなりません。

⚫介護施設等・障害福祉サービス事業所等・救護施設物価高騰対策支援給付⾦事業

●補正内容
補正額:1億9285万6千円
(事業費 184,216 千円 事務費 8,640 千円
【事業費内訳】
・介護施設等:1億2,892万1千円
(事業費1億2,373万6千円、事務費518万5千円)
・障害福祉サービス;6,353万5千円
(事業費6,008万円、事務費345万5千円)
・救護施設:40万円(全額事業費)
【財源】
 全額国の負担(新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金)

市の説明の抜粋
●事業の概要
 介護サービス、障害福祉サービス、また救護施設が提供する各種支援については、いずれも利用者や家族の生活を維持するために必要不可欠なものであり、物価高騰によるサービス・支援の提供体制に対する影響を軽減することが必要である。継続が必要な各種福祉サービスや支援が提供される体制を維持するため、事業所・施設等が物価高騰による影響を軽減し、事業を継続するための支援を行う。

●給付対象
 令和5年4月以降、サービス提供実績のある事業所・施設等であって、給付金申請時においても事業を継続している事業所。

●使途
 各種経費の物価高騰対策など

●給付の内訳
【介護施設等】
・通所系(通所介護 大規模型Ⅰを除く)、短期入所系、訪問系、多機能型
 1033ヶ所×1か所あたり8万円= 8,264万円
・通所介護(大規模型Ⅰ)
 1ヶ所×12万円=12万円
・入所施設・居住系
 4,900人×8千円=3,920万円
・軽費老人ホーム
 222人×8千円=177万6千円

【障害福祉サービス事業所等】
・訪問系、自立生活援助、相談支援、療養介護、生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、短期入
所、地域活動支援センター、児童発達支援、放課後等デイサービス
 596ヶ所×1か所あたり8千円=4,768万円
・宿泊型自立訓練、福祉ホーム、共同生活援助
 38ヶ所×20万円=760万円
・施設入所支援、障害児入所施設
 12ヶ所×1か所あたり40万円=480万円

【救護施設】
 1ヶ所×40万円=40万円

↑現在は、約2億円の財源を国が措置してくれていますが、今後、さらに介護の担い手を確保する取り組みや、事業者に経営を継続していただく方策を強化しなければならなくなると感じています。

 特に、介護サービスについては、高齢化がさらに急激に進むことが予想される中で、市内の介護サービス事業者の方々からの要望を含めた情報を聴取する体制の構築と迅速に対応できる市の意思決定が必要になると考えています。
 
 また、以下のように↓、厚生労働省は地域包括ケアシステムの構築を明確に打ち出し、私は、2025年まで10年余りとなっていた平成25年12月議会一般質問(←クリックするとコラム「介護予防事業」が開きます。)において、市と介護サービス事業者との連携強化の必要性を指摘して以来、事業者との情報交換、コミュニケーションの強化を図るべきと機会があるごとに訴え続けてきました。

 それから10年が経過して、少しずつではありますが事業者との情報交換のスピードが上がってきていると感じています。

⚫西宮市中小企業等デジタル化促進事業助成金事業
●補正内容
・補正額:1億500万円
【事業費(予算額)内訳】
 給付金:1億円
 事務局経費(委託料):500万円
【財源】
 全額国が負担(新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金)

市の説明の抜粋
●事業の概要
 長引く物価高騰など、厳しい経営環境に置かれている市内の中小企業等が経営課題の解決や事業転換を目指し,アフターコロナを見据えたデジタル技術を活用した販路開拓や生産性向上に新たに取り組む事業に対し,システム導入費や機器購入費などの経費の一部を補助することにより、中小企業者等の持続的な成長・発展を促進するとともに、地域産業の振興に寄与することを目的として実施

●対象者
 西宮市内に本店及び事業所がある中小企業及び個人事業主

●給付額
補助上限額:50万円

●事業スケジュール(予定)
本補正予算の成立後、制度詳細を設計
9月~ 事務局委託先の決定
10月~ 申請受付開始

↑これだけの情報では、どのような経費が補助の対象になるのか詳細は分かりません。10月から申請が始まるとのことですので、市のホームページを確認していただきたいと思います。

-追記-
 西宮商工会議所のホームページ(←クリックすると西宮商工会議所のページが開きます)に詳細が掲載されていましたのでご確認ください。
 この情報を市のホームページでも告知するべきだと感じます。
-追記終わり-

 その他、事業者に対する支援として、地域公共交通運行支援(5852万2千円)が計上されました。
 
 これで、令和5年度補正予算(第3号)の内容に関する掲載は最後となります。

 国の地方創生臨時交付金を活用して、市は様々な支援を用意しましたが、申請が必要なものが多く、制度を周知するための広報が重要となります。また、事業終了後には、これらの事業の効果検証とその後の対応も検討し続ける必要があると考えています。

 引き続き、すべてを並行して追うことは難しいですが、まずは、教育こどもの関連の政策から追ってい行きたいと思います。

フェイスブック投稿より

■8月11日投稿

4年ぶりに。
7月29日(土)に、NPO法人チーム御前浜香櫨園浜里浜づくりの主催で、第6回水ロケット大会が開催され、妻と一緒にお手伝いに参加しました。
阪神間に残された貴重な自然の砂浜を子供たちに知ってもらい、遊びながら自然の心地よさを感じてもらって、守っていってほしいと願って、こうした企画も続けています。
当日は、地域の親子9組の参加のもとで行われました。
まずは、御前浜で開会式と水ロケットのデモンストレーションを行った後に、泉町自治会館に移動し、親子で2本の1.8リットルのペットボトルを使って説明書を見ながらロケットを作成してもらい、再び御前浜に戻って飛距離を競ってもらいます。
この水ロケットづくりもなかなか難しく、サポートするために、私は1週間前に講習をしてもらったのですが、意外とコツが必要で1回だけの講習ではサポートが難しかったです。
発射台の構造は単純で、水ロケットに水を入れて空気の出口をふさぎ、自転車の空気入れでペットボトルに空気をためて、その圧力を開放して吹き出る水の力で飛ばすのですが、想像したよりも勢いよく飛ぶため迫力もあり、100メートル近く飛びますので、うまく飛ぶかどうか、子供たちは緊張しながらスタートのスイッチを押します。
お天気に恵まれ、とても暑いなか、発射台の故障トラブルもありましたが、参加者の温かいご理解のもと、和気あいあいと水にもかかりながら楽しい時間を過ごしてもらうことができたと思います。

■8月17日投稿

台風7号の直撃が早くから予想され、備えていましたが、予想よりも近くを通過し、風にあおられるなどしてお怪我をされた方がいらっしゃったものの、幸い西宮市内では大きな災害は発生することなく通過しました。ただ、近畿地方を中心に広範囲で災害が発生している様子が報道されています。被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
写真は、14日(月)の15時に、西宮浜にある環境局でごみ収集に関する打ち合わせに同行した際に撮影したものです。高潮対策は前日から始まっていました。西宮浜の住民の方は、徒歩の方も自転車の方も台風接近前から高低差が16mある西宮大橋を通らなければならず長時間に及んで大変だったと思います。
15日(火)は、震災記念碑公園に設置されている慰霊塔前で開催される予定でした西宮市戦没者追悼式も中止となり、自宅で追悼して過ごしていましたが、消防団からの出動命令はありませんでした。
また、西宮市では、午前10時に警戒レベル3にあたる高齢者等避難が発令され、午後から臨時休園となった保育所では、エッセンシャルワーカーとしてお仕事中の保護者の方が暴風域に入っていた中、お子様のお迎えにいかなければならなかった様子です。
この辺の判断基準や対応については、難しい判断にはなりますが、課題ではないかと感じます。
昨日16日(水)の午前中は予定通り、来週に開催予定の常任委員会の調整会議と呼ばれる正副委員長と議会事務局担当者による準備会議を開くことができました。

午後からは墓参りに行ってまいりました。

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