先日21日に、兵庫県は国の緊急事態宣言の対象区域から外されました。
そして、23日(土)0時から、兵庫県が発出していた休業要請も一部解除されました。
感染の確認数が大幅に減少したわけですが、
①外出自粛による接触削減の結果、ウイルスの拡大が止まって新規感染者が減少したのか、
②感染しても季節的に症状が出にくくなっているだけで、感染は静かに広がっているのか、
③新型コロナウイルス自体が国内からなくなりつつあるのか、
正確なところは分かりません。
ただ、「まだ感染に注意して行動してください」と言われても、3密を避けてうがい手洗いを徹底すればいいのか、なんとなく理解しているような、理解できていないような状態になっています。
同時に、「第2波に備えて」と言われていますが、それは、すぐなのか、秋以降の寒くて乾燥する時期なのか、はっきりしません。
そして現在は、ギリギリのところで医療崩壊を防ぐことができ、今後は「自分たちで経済を回していかなければ大変なことになる」ことの方が実感がわいています。
西宮市の調査によると、これまでの感染者の6割が「30代から50代の会社員等」となっており、5月11日のデータが最後ですが、電車の利用者は3月3日以降少しずつ減少し4月7日からさらに減少しましたが、5月11日に少し上昇しています。それから2週間が経過することとなる来週1週間の感染者数とPCRの検査数を見れば、またある程度の傾向が見えてくるように感じています。
そのような中、22日に臨時の本会議が開かれ、補正予算案を始め、市から提案された議案はすべて可決成立しました。
お伝えしたいことが多数ありますが、詳細は少しずつ掲載してまいります。
まずは、学校の再開についてです。
3月3日より臨時休業が続いてきた市立の小中学校と特別支援学校、
開校早々臨時休業となってしまった小中一貫の市立義務教育学校、
4月から閉園していた市立幼稚園が、
6月1日から再開されることが発表されました。
すでに、市のホームページに情報が掲載されていますが、私からも発信しておきたいことがいくつかあるため、コラムを分けて掲載することにします。
市立学校園での感染防止対策
しばらくは、感染防止対策に重点を置いた教育活動となります。
①3密の回避
・密集、密接、密閉が同時に重なる場を避けることはもちろん、1つ1つの条件が発生しないように配慮する。
・、教室内の座席配置及び人数制限などにより身体的距離の確保を実施する。
・常時、可能であれば2方向の窓を同時に開け、こまめな換気を行う。
②健康管理
・発熱や咳などの風邪のような症状が見られるときは自宅で休養してもらう。
・感染拡大の防止の観点から、ご家庭でも健康状態の確認(検温等)の実施してもらう。
・児童(生徒)へ咳エチケットを徹底するよう日常的に指導する。
③手洗いの徹底
・30秒程度かけて、水と石けんでていねいに洗うことを指導する。
④消毒作業
・教室やトイレなど、児童等が利用する場所のうち、不特定多数の者が手を触れる箇所は、1日1回以上消毒を職員が行う。
⑤通学バス・タクシー内での感染防止(特別支援学校)
■幼稚園においては、
・感染症対策について、幼児が感染のリスクを避ける行動をとることができるよう、例えば手洗いや咳エチケットの励行、食事の際の会話を避けること等について、発達段階に応じた指導をする。
となっています。
これから暑くなるなかで、常時教室の窓を2方向で開けて換気するとなると、教室内はかなり暑く、湿度も高くなる可能性が高まります。また、航空機や鉄道の騒音の影響を受ける学校もあります。せっかく学校に行けても、授業に集中できないようであれば、子供にとっての「学びの保障」にはなりません。ましてや、新型コロナウイルス感染症を防止して、熱中症が増加しては元も子もありません。
マスク着用、高温多湿、騒音の中で、子供たちが授業に集中して理解ができる環境をどのように作るのか、不安が残ります。
エコの観点からは好ましくありませんが、時期が時期だけに、少なくとも、冷房を最大限使いながら換気をする必要があると思います。
あと、4月の補正予算(←クリックすると4月22日のコラムがご覧いただけます。)で購入することが決まったサーモグラフィカメラの使用については、いつ頃から実施できるのか、記載はありませんでした。
また、石鹸で手を洗うとありますが、子供たちはどうしてもいろいろなところを触ります。ですので、合わせて、各教室に消毒液を置いて教室に入る際には必ず手を消毒できるようにしておくのは、心配し過ぎもしくは危険なのでしょうか。
↓以下に、1クラスを2グループに分けて午前と午後に分けて2部制で授業を実施するとのことですが、机を通常の半分しか配置せずに、児童の入れ替え時に教室の机を消毒することが想定されますが、実施方法は学校の判断に委ねられている様子です。単純に考えれば、入れ替え制であれば、教室については、1日に2回は消毒作業が必要となると思います。もし1回なのであれば、消毒された直後の教室を使えるグループに入りたくなりますよね。。。
学校の先生、職員の皆さんの労力、気苦労が想像できます。授業もしなければならない中で、感染も防止しなければならないというのは、ものすごいプレッシャーだと思います。平常時の人員体制で非常時の対応を現場にお願いするのは心配です。せめて授業を受け持つ先生方には授業に集中してもらえるような環境づくり、衛生管理のための人員体制を強化するための予算が必要であると思います。
学校教育活動の工夫
①身体的距離を確保し、活動場所の広さに応じた人数で使用する。
例)学級を2グループに分ける、オープンスペースを活用して、児童同士の距離を確保する、など
②分散登校の工夫
児童数の多い学校は、①を実施するため、時間帯によって児童が登校する時間を変える。
例)学級内で2グループに分け、午前・午後の2部制で授業を実施する、学年で登校時間を分け、午前・午後の2部制授業を実施する、など
(特別支援学校では、)通学、学習等詳細は、後日、学校より連絡があります
③時間割編成の工夫
1時間(小学校45分、中学校50分)の学習内容を、学校での授業と家庭学習と組み合わせ、効果的に児童の学びが深まるよう工夫する。
④各教科等の指導計画について
感染症対策を講じてもなお感染の可能性が高い学習活動については、履修する順番を入れ替える等、年間計画を見直しています。また、今後の状況によっては、今年度は行わない場合があります。
【参考】現時点で決定している今年度行わない学習活動:全学年 体育科(中学は保健体育科) 水泳実技
⑤登下校の工夫について
登下校時間帯を分散させることにより密集が起こらないようにします。
登下校時に密接とならないようマナー指導してまいります。
(小学校では)通学に不慣れな1年生の安全に配慮し、登下校指導を行います。
幼稚園は、6月1日(月)~12日(金)の間、午前保育を実施。
となっています。
結局、分散登校。。。しかも、当面の間。
いつから一斉登校に切り替えられるのか、そのタイミングや目安、判断基準すら示されていませんが、しばらくは、この体制しか3密を避ける方法はないものと思われます。私は、4月3日のコラム(←クリックするとご覧頂けます。)に分散登校方式について掲載しましたが、この時は、感染者が多く休業を前提とした内容でしたので、週に1回程度の登校を想定していました。
6月からは毎日登校できるようになるとはいえ、まだまだ学習時間の確保の観点からは、厳しい環境が続きます。せめて、現在実施している登校可能日の設定と対応について、4月に実施し、ゴールデンウィーク明けに分散登校が実施できていれば、もう少し授業時数を確保できたのですが。これは西宮市だけのことではありませんが、対応が1ヶ月遅いです。
また、西宮市の判断でできたこととしては、全ての学校に教育用パソコンは配備されていますから、仮にそのパソコンにWEBカメラとマイクが付いていなければ、4月に各学級(小学校982学級、中学校433学級)へのWEBカメラの配備と、インターネット環境や端末のないご家庭への対応を検討して、5月にオンライン授業の環境整備を進めておけば、6月からの分散登校と合わせて活用することで、1人の先生が同じ授業を2回しなければならないという非効率も避けられたのではないかと考えています。
2部制の体制は2週間を想定している様子ですが、自宅でオンラインで授業を受けるグループと学校で授業を受けるグループを交代で分ければ、1人の先生が同じ授業を2回する必要がなくなり、顔を毎日合わせられるわけですから、オンライン授業での理解状況を確認することも可能です。1人の先生が同じ授業を2回することを回避することで、確保できる授業時数も増やせるはずです。
不安で学校に通えないという児童生徒がいても、オンラインで授業を受けられるようにもなります。
ちなみに、マイク内蔵のWEBカメラを全学級に配備しても1415学級分、1台7000円位のようですので、約990万円位になるはずです。サーモグラフィカメラの購入予算930万円よりも値打ちはあると考えます。
考えられることはまだまだあったはずです。
いい加減、挽回してもらいたい。文教住宅都市の名誉をかけて。
次のコラムに続けます。