学校再開②-6月12日までは給食なし

2020年5月26日[カテゴリ:コラム

一昨日のコラムの続きです。

学校給食の再開は今のところ未定

6月1日から市立学校は再開されますが、給食は12日までは実施されません。

小学校、中学校、義務教育学校、特別支援学校ともに、

市の文書の抜粋
・6月1日(月)~12日(金)は、実施しない。
・再開時期、実施方法等の詳細については、後日お伝えする。

とだけ、記載されていました。

いつから再開できるかは発表されていないのです。

「遅い。」「なぜ?」という疑問をお持ちの保護者は多いかと思います。

その疑問に対する私の答えは、「長の判断の遅さと工夫の欠如」です。
「やる気の欠如」と表現することもできます。
ちなみに、「当面の間、2部制の分散登校を実施するから」は理由になりません。工夫次第で実施可能です。

西宮市には、小学校40校、中学校19校、義務教育学校(小中一貫)1校、特別支援学校1校がありますから、当然、食材の調達には入札事務を含めて一定の時間を要します。そして、生産者やその後の流通への影響を考慮すると、給食に関する業務は、可能な限り動かし続けなければならないと思っていました。

私は、
4月3日のコラム(←クリックすると4月3日のコラムがご覧頂けます。)で、食材の調達を止めないようにすることは、学校再開後に、すぐに給食を再開するために必要なことではないのかという内容を掲載しました。この時は、給食を再開するあたって必要不可欠な食材の調達と運搬システムの維持のことを考えていました。調理員さんも不可欠ですが、公務員ですから雇用は保障されています。ですので、人材の有効活用の観点から、長期休業中にできることを考えるべきと思っていました。

そして、
4月30日のコラム(←クリックするとご覧頂けます。)では、突然の長期にわたる休業により、子供の昼食の栄養摂取に対する支援として、学校の給食室と人材、給食システムを活用すれば、子供たちに弁当を届けることができるのではないかという内容を掲載しました。

残念ながら、いずれも実現しませんでした。

ですので、
一度完全に流れを止めてしまったからには、給食を実施するか否かを「早く決断」しなければなりません。
そして、
今後は、再度、急遽休業せざるを得なくなった事態に備えて、調達した食材を無駄にしないための「工夫」も用意しなくてはなりません。

そうしたことを真剣にこれまでの2ヶ月間で検討しておけば、6月12日という遅い対応にはならなかったと私は思っています。

非常時の判断の遅れは、市民に大きな影響を及ぼします。

予算の編成権も執行権もない地方議員にできること

地方議員には、政策に関して提案や問題点の指摘、実施要望はできますが、その政策を遂行するためのお金、予算を立てて執行するという権限が与えられていません。
地方自治法により、「市の政策に要する予算を立てて執行できるのは市長のみ」と定められています。
議員は、市のお金の使い道については、市長が提案した「予算」が妥当かどうかを「議決」するしかできません。

ですので、西宮市議会災害対策支援本部を通じて、以下のとおり、市に対する提案の意を込めた質問をしておりました。

提案&質問(4月30日)と市の回答(5月8日)
【田中の提案と質問】
 臨時休業の長期化に伴い、子供たちの昼食が心配されます。
1.子供の昼食について
 学校再開後の給食の実施、衛生管理の強化対策も見据えて、給食調理については、子供たちの通学再開よりも前に再開するべきと考えます。また、臨時休業が長期化し、事情は様々ですが、子供の昼食、栄養管理についてお悩みのご家庭もあると伺っています。
 PTAや地域団体等とも連携し、上述の観点から、臨時で給食の宅配を実施できないものかと考えますが、教育委員会として給食の宅配について検討したのか。検討したのであれば、どのような課題があって実現していないのか、検討する考えがないのであれば、休業中の子供の昼食に関する見解をお尋ね致します。
【市の回答】
 学校給食は宅配を前提としておらず、温度管理、衛生管理、配送手段の確保等の問題から、宅配の実施は困難だと考えています。
なお、休業中の子供の昼食については、食育の観点から、バランスの良い食事の大切さについての啓発を、児童生徒と保護者に向けて行っていくことを検討しています。

↑宅配を前提としていないことは当然分かっています。法律のどの部分に違反するのかどうかが問題だと思っていました。しかし、回答では法的なことには触れていません。そして、私が提案する宅配に代わる対案も示されませんでした。行政の発想は、基本的に「0か100」です。それは平常時の話で非常時には「人材や資産を有効活用して、できることからやっていく」という発想をもつべきです。司令塔に非常時の意識がないから、組織も動かないのだと思います。

また、5月8日の時点で、まだ「バランスの良い食事の大切さの啓発」を検討している状態とは、お粗末極まりない回答と言えます。せめて、大切さの「啓発」ではなく、実際に保護者が使えるもの、例えば、せっかく栄養職員を配置しているわけですから、作成した献立表を保護者に配布するとか、給食のレシピを配付するとか、工夫できることはもっとあったと思います。

つまり、教育委員会は、「何かをやる」方向で検討してこなかったことがこの回答を読むと伝わってきます。

教育委員会の怠慢

質問(4月30日)と市の回答(5月8日)
【田中の質問】
2.給食費の取り扱いについて
 保護者に対する給食費の取り扱いはどう対応することになっているのかお尋ね致します。また、その取扱いを保護者に対して、いつどのようにお知らせするのか、お尋ね致します。
【市の回答】
 給食費について、通常は喫食したものを後日請求しています。なお、臨時休業に伴う給食費について、3月分は請求しないことをホームページでお知らせしています。

4月の段階で希望者を募って必要な食数を算出し、希望者に対して有償で宅配を実施すれば、後日宅配した食数分を請求することも可能であったということになります。なお、西宮市の給食の保護者負担は、食材購入費となっており、小学校が1食250円、中学校が297円となっています。

質問(4月30日)と市の回答(5月8日)
【田中の質問】
3.学校給食の再開について
 調理員をはじめとする本市の給食に携わってきた方々や事業者への対応は現在どうなっているのか、勤務体制や処遇など具体的に教えてください。合わせて、学校給食は学校再開後、どの程度の期間を要すると見込んでいるのか、お尋ね致します。
【市の回答】
 調理員の勤務体制については給食実施日と同様としており、3密を避ける観点から在宅勤務も併用する中で、給食室の清掃をはじめ、学校施設全体の清掃・消毒、生徒や教職員用のマスク作成、給食再開後に必要な作業動線図の作成、また小学校では預かり児童の見守りなど、各学校の状況に応じ、校長等からの指示で学校運営に必要な業務を行っています。
また、事業者については、事業者の負担となることの無いよう個別に協議をしてまいります。
なお、学校再開後の給食再開時期については、現在検討を重ねているところです。

↑このような対応を3月、4月の2ヶ月間も続けてきてしまったのか。。。
遅くともゴールデンウィークまでに、すぐに給食を再開できる準備をして頂いていれば、遅くとも、6月1日の週から対応が可能だったはずです。パック詰めの弁当形式で我慢すれば、2部制であっても、午前中のグループは持って帰ることができ、午後のグループは教室で給食を食べてから授業を受けることも可能だったのではないかと思います。

なお、「西宮市は児童生徒数が多いから対応に時間がかかる」という言い訳に一切の正当性はありません。
西宮市と同規模、もっと大きい自治体でも、もっと迅速な対応ができている自治体はあります。
6月議会の一般質問に向けて調査を実施しますが、このコラムをご覧の方で情報をお持ちの方がありましたが、nishinomiya@masatake.jpまで、情報をお寄せ頂けましたら幸いです。

令和2年度補正予算(第4号)

先週議決しました令和2年度補正予算に、「新型コロナウイルス感染症終息後に滞りなく給食を再開するために支援(新規)」という対策が盛り込まれました。
内容は以下の2つの補助金です。

①臨時休業支援補助金

市の文書の抜粋
 臨時休業に伴いキャンセルを行った学校給食用米飯・パン業者に対し、事業継続に要する経費の一部を補助します。3月に製造を予定していた数量にかかる加工賃の一部を補助することにより、新型コロナウイルス感染症終息後に滞りなく給食を再開できるよう支援するも交付対象ので、事業に要する経費については、国の補助事業を活用します。

【交付対象】
学校給食用米飯・パン契約業者である「兵庫県学校給食・食育支援センター」
同センターに支払った補助金はそのまま市内の米飯・パン製造業計3社に支払われ、その3社から配送代分が配送業者に支払われます。

【予算】総額:1,208万9,000円
(内訳)
米飯業者:619万3,468円
パン業者:589万5,487円
(財源)
国:3/4、市:1/4

②衛生管理改善事業補助金

市の文書の抜粋
 学校給食調理業者(パン、米飯、めん等の最終加工・納品業者を含む)が、学校給食再開に向け新型コロナウイルス感染症も踏まえた衛生管理の徹底・改善を図るために要する経費の一部を補助します。事業に要する経費については、国の補助事業を活用します。

なお、西宮の学校給食の調理業務自体は、市が採用した調理員が行っています。

【交付対象事業】
・新型コロナウイルス感染症も踏まえた衛生管理の徹底・改善を図るための研修参加費
・自動手洗消毒器などの衛生管理に必要な設備の更新に係る経費
・エプロン、手袋、マスクなどの衛生関係消耗品の購入費

【予算】551万6,000円
(内訳)
研修参加費:26万6,000円
設備更新費:225万円
消耗品費:300万円
(財源)
国:1/3、市:2/3

↑「新型コロナウイルス感染症終息後に滞りなく給食を再開するために支援」を実施しても、西宮市では、学校再開から給食再開までに2週間をかけることとなります。3月の対応はあまりに急でしたのでやむを得ないかもしれませんが、給食の実施予定がなかった4月、5月分の対応については、慎重に検討されなければなりません。

どう考えても9月入学への制度変更は無謀

臨時休業中の子供の学習のこと、食事のこと、安全のこと、生活のことを、教育委員会はどう考えてきたのか。

まさか、「政府からの突然の臨時休業要請のせいにする」ことに終始していたわけではなかったとは思いますが、総理大臣や文部科学大臣がいくら号令をかけても、各自治体に組織されている教育委員会が対応しきれないことは、残念ながら、この3ヶ月間の動きで証明されてしまったと思っています。

現在、子供の学習時間の確保のためという名目で検討され始めている「9月入学」への拙速な制度変更が、いかに今を生きる子供にとってリスクの高いことか、この非常時にどれだけ時間を浪費しようとしているか、現場の現実から目を背けてはいけないと感じています。

西宮市での学校再開について、次のコラムに続けます。

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