市立学校における感染症対応③-家庭や地域との情報共有と学校の負担軽減

2020年7月23日[カテゴリ:学校教育, 質問

昨日は、全国で795名の感染が確認され、過去最多となったとの報道がありました。

そして、西宮市でも3名の感染が確認されました。
20歳代、30歳代、40歳代、それぞれ1名です。
お一人は大阪で感染が確認された方の濃厚接触者ということです。
同居人の有無は公表されていますが、家族構成の情報は一切公表されていません。市内のどの地域の方かも分かりません。
保健所に感染拡大防止対策について問い合わせたところ、感染者の確認により感染拡大の可能性が考えられる施設等には保健所から連絡を入れて、必要な措置を講じてもらっているので心配ないそうです。

令和元年度版交通安全白書によりますと、平成30年中の交通事故件数は43万601件、1日平均1179件発生した計算になります。死者数は3532人だったそうです。事故発生地点の表示をして注意喚起するように、新型コロナウイルスについても、ピンポイントで注意喚起できる方法があるといいのですが、今はまだ、事後のクラスター対策が中心となっています。

ですので、普段、交通事故に気を付けながら道路を通行するように、3密を避けてうがい手洗いを励行するなど、感染に気を付けながら生活、活動をするしかありません。気が抜けない時間が長くなりますが。

さて、
今回も、前回のコラムの続き「学校における感染症対応について」の最終回です。

現在、学校において新型コロナウイルスの影響で生じている課題を、学校がすべてを抱え込んで解決を図ろうとするにはあまりにも負担が大きすぎることは容易に想像がつきます。
学校からは、家庭での協力を求めていますが、普段協力して頂いている地域の方々や、学校スタッフの増強など、学校の負担軽減策について教育委員会に確認しました。


=====本会議場での議論の概要=====

令和2年6月議会(6月26日時点)より。

1.学校における感染症対応について
■質問5(保護者への情報提供)

1学期は、個人懇談を見合わせるとの方針が示されています。そこで、3密対策の工夫が必要とはなりますが、感染が収まっている今のうちに、保護者に対する説明会を開催し、出席できない保護者にも配慮しつつ(オンライン対応や録画の提供などが考えられますが、)情報を提供するとともに、意見や要望を収集しておくべきと考えますが、教育長の見解をお尋ね致します。

■教育長の回答
まず初めに、臨時休業期間の学校及び教育委員会の取組について御説明させていただきます。
臨時休業中、学校では、児童生徒や保護者に対して家庭訪問や電話連絡を通じて日頃の生活や学習状況などを把握するとともに、特に支援が必要な児童生徒については、関係部局と連携しながら、必要な手だてを講じてまいりました。また、学校再開や再開後のスケジュールなどについても、国や県の動向を的確に把握し、市や学校のホームページに掲載するなど情報の発信にも努めてまいりました。しかしながら、一方では、学校のホームページに掲載する事が中心になっていたことから、連絡が十分に各家庭に届いていない、さらには、学校での対応について市民に情報が伝わりにくいなどの御意見もいただいており、学校ごとの対応や情報発信の方法については改善が必要であると認識しております。

あわせて、議員御指摘のとおり、教育活動は保護者の方の連携と協力が必要であるため、今後は、感染症対策を講じた上で、例えば学年ごとに保護者が集まり学校での生活の様子を伝えたり、家庭での生活を話し合ったりする機会を校長会議などに伝えて、各学校において適宜設定していくよう努めてまいります。

■質問6(感染症対応のための人員強化)
今後の対応にかかる各学校長をはじめとする教職員の負担は、精神的な部分を含めて計り知れません。また、児童生徒にとって、休校中の連絡・広報は非常に重要であり、学校職員のみの対応では負担が大きすぎると考えられます。そこで、第2波に備え、普段の学校の衛生管理や事案が発生した際に速やかに広報等対応にあたる職員を配置できるよう備えるべきと考えますが、市の対応をお尋ね致します。

■教育委員会の回答
このたび文部科学省が、感染症対策によって増大する教師などの業務をサポートし、子供たちの学びの保障に注力できる環境を整えるため、緊急的にスクールサポートスタッフの大規模追加配置を決定しました。

この補助制度を活用し、本市においても、小学校、中学校、義務教育学校、特別支援学校の各校に1名ずつ会計年度任用職員としてスクールサポートスタッフを配置するため、本定例会に補正予算案を上程しております。

感染症対策のために新たに発生した消毒や健康管理等に係る業務、また、保護者への連絡や授業準備など増加が見込まれる事務をスクールサポートスタッフが補助することによって、教職員の負担軽減を図ってまいります。教育委員会としましては、補正予算案の成立後速やかに配置を行っていきたいと考えております。

■意見・要望
感染症対応、現在の学校の対応というものを私がこの場で確認するというよりも、保護者の方々と地域の方々で学校での対処方針を共有していくということが重要だと思っておりますので、今日はもうこれ以上問いません。
対応方針が完成すれば各学校でしっかりと対応していただけるものと私は信じてます。

一つだけ申し上げておきたいのが、昨日だったのですが、ある地域団体の会議がありまして、その団体は子供を対象とした活動がメインとなってまして、今まで活動ができていませんでした。今後どうしていこうかということを協議するために、今年度初めての役員会が開かれたのですが、学校が今後どうしていくのかということが詳細には伝わっていないんですね。

ですので、学校がどうしていくか分からないのに団体の活動方針を決められないということで、しかも、その団体が学校の状況、対応方針みたいなものを知ることができるのは、今度は9月の定例会だと言っているんですね、これまで(平時)の流れでいくと。それまで活動の方針が決められないという状況を私は目の当たりに致しました。

ですので、地域との対応方針の共有というのは非常に重要だということを感じました。保護者のみならず、地域に対してもしっかりと情報提供を、これはいろんな各種団体、学校とのつながりというのは非常にたくさんの団体があると思いますので、そういったところにも配慮をしていただきまして、今後対応いただきたいと思います。

=====本会議場での議論の概要======

家庭への情報提供、学校の負担軽減に関する指摘に対して、前向きな回答を頂きました。

地域への情報提供については、質問1に対する回答(←クリックするとコラムの該当部分が開きます。)に含まれています。
日頃、様々な面から子供たちを助けて頂いている地域の方々への情報提供については、これまで教育連携協議会を全校に設置して取り組んできた真価が問われることになります。
そして同時に、新型コロナウイルスの対応の中で、「西宮版コミュニティ・スクール」への発展を目指している西宮市の本気度が見えてくるものと思っています。

今後の動向を注視します。

その上で一点。
保護者への情報提供に関して、教育長の回答に、
臨時休業中、学校では、児童生徒や保護者に対して家庭訪問や電話連絡を通じて日頃の生活や学習状況などを把握するとともに、特に支援が必要な児童生徒については、関係部局と連携しながら、必要な手だてを講じてきた。」とありました。

おそらく、学校現場のことを何も知らされていない私に「4月、5月の2ヶ月間、何もしてこなかった教育委員会」と言われ、「いや、ちゃんとやってきた」と仰りたかったのだろうと思います。

しかし、この回答は、私の認識とは乖離しています。
確かに、そのような対応をした学校もあるのだと思います。
しかし、家庭訪問も電話連絡も一切なかった学校があることも知っています。

・家庭訪問をしていた学校が何校あったのか。
・その家庭訪問はどのような形式(玄関先での面談、インターホン越しの会話、資料のポスティングのみ)だったのか。
・電話連絡をしていた学校は何校あったのか。
・日頃の生活や学習状況の把握とはどのような内容だったのか。
・なぜ、6月に入ってから家庭の通信環境の調査を実施する必要があったのか(家庭訪問や電話連絡をする中で確認できたはずです。)。

など、いろいろと調査しなければならないことができました。

今は学校現場は大変でしょうから、夏休みに入る前くらいに、調査をかけたいと思います。

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