市立学校における感染症対応①-令和2年6月議会一般質問

2020年7月18日[カテゴリ:学校教育, 質問

今日も西宮市では1名の感染が確認されました。昨日は7名の感染が確認され、一昨日は5名、今週だけで15名の感染が確認されました。ちなみに、いずれも安井育成センターとは無関係です。
年代別で見ると、10代と20代の方が7名で半数を占めています。そして、60歳~80歳代の方が5名と3割を超えているものの、春先と状況が異なるのは、重症者がいないという点だと思います。夏だからなのでしょうか。

兵庫県は昨日、「感染警戒期」に入ったとして、県民に対して、
・東京都など人口密集地や感染が再拡大している地域との不要不急の往来の自粛
・感染拡大予防ガイドラインを遵守していない接待を伴う飲食店やお酒類の提供を行う飲食店への出入りを自粛
を求めました。

そして、全国では、昨日が595名、一昨日は622名の感染が確認されたとのことです。

「Go Toキャンペーン」について掲載した先日のコラム(←クリックすると7月16日のコラムが開きます。)を公開したその日の夕方に、東京都を対象から外すとの発表がありました。

「そのような線引きが可能なのであれば、国土交通省が制度を提案した時点で「備え」の候補に入れていたはず。」
「それくらいのことは想定して制度設計していたと信じたい。」と書きましたが、右往左往した感が否めません。

対象から外される数値基準も説明されていませんし、なぜ対象を外すのが都道府県単位なのかも説明されていません。
東京都に住んでいる方が対象外になって、勤務先が東京都内で居住地が隣の件だったら大丈夫なのか。
線引きの基準がよく分かりません。

また、一昨日及び昨日に西宮で感染が確認された方々は7月10日前後に発症した方が多く、帰国者接触者センターへの電話相談件数も、7月10日が78件、その後64、58、88、72、71件と推移し、7月16日が92件となっています。
キャンペーン開始までまだ3日ありますし、今後近畿地方で感染の確認が増える可能性は高く、東京都が開始直前で対象外となったことを考えると、今後、急に対象から外される可能性も否定されておらず一層の混乱が予想されます。

なぜ、観光だけがやり玉にあがるのか、屋内の大規模イベントなど他の経済活動を継続し続けるのであれば、対象者や対象地域を制限するのではなく、3密対策ができない「観光」を対象外にすることを考えた方がまだ、一貫性が感じられて良かったと思います。

「新型コロナウイルスが終息していない環境下で経済を回す」ことに対する、政治の「中途半端な覚悟」が露呈した結果と言わざるを得ません。

さて、
今回から最新の令和2年6月議会での一般質問の内容の連載を始めます。
まずは、大きな影響を受けた学校の今後の感染症対応についてです。

以前のコラム(←クリックすると5月28日のコラムが開きます)で掲載した内容を議論致しました。

=====本会議での議論の概要=====

令和2年6月議会一般質問(6月26日)

1.学校における感染症対応について
■質問の背景

このたび、新型コロナウイルス感染症(以後、感染症と呼びます。)の拡大に伴い、約3ヶ月間、全市一斉に公立学校園が臨時休業を余儀なくされました。今年度より、小学校では学習指導要領が改訂、授業時数や学習内容が大きく変更され、来年度は、中学校で学習指導要領が改訂されることから、最終学年は特に、これまでの3か月の空白を短期間で取り戻しつつ、対応していかなければなりません。中学校及び高等学校の最終学年は、クラブ活動の大会が軒並み中止となり、非常につらい思いをした中で、今度は受験を控え、不安な日々を過ごしていることと推察されます。

そのような中で、全市一斉に臨時休業となっていた3ヶ月の間、置かれた環境の中で使える資源をフル活用すれば、もっと工夫してできることがあったと考えられる教育活動を、ほぼ完全に止めることしかしなかったのが、西宮市教育委員会であったと私は評価しています。

そして、3ヶ月も授業をしない期間があったにもかかわらず、再開後の「授業時数の確保の見込み」や「各学校での学びの指導員等の確保と活動内容や実働の見込み」、「3月にできなかった前の学年の学習の補充」、「修学旅行や運動会など今後の学習活動の実施の可否決定の時期」など、私たち保護者には全く知らされていない状況です。

その教育委員会が、今後、第2波が襲来すると言われる中で、子供たち約37800名が在籍し、約1320学級ある小・中学校等60校、それと、特別支援学校1校、高等学校2校、幼稚園15園において、感染者や濃厚接触者が確認されるたびに、個々のケースに対して的確に対応しながら、子供たち一人一人の学びを保障していけるのか、非常に不安に思っています。

■質問1
教員や児童生徒に感染が確認された場合、学校内での消毒や感染状況の確認、保護者への説明など対応に一定の期間を要し、それらが異なる時期に重複して複数で発生することを想定すると、事前に細かい対応マニュアルを作成して各校で迅速に意思決定、対応ができるよう備え、保護者や子供を見守って頂いている地域の方々とも対処方針を共有できるようにしておく必要があると考えます。教育委員会の見解をお尋ね致します。

■質問1に対する教育委員会の回答
まず、教職員や児童生徒に感染が確認された場合の対応についてですが、教職員や児童生徒に感染者や濃厚接触者が確認された場合について、教育委員会では、保健所と協議をして既に基本方針が定まっており、現在、その詳細を作成しているところです。詳細がまとまりましたら、学校、保護者へ周知するとともに、学校からは教育連携協議会などを通じて地域へお伝えしていきます。

■質問2
今年度に再び、2週間以上の休校措置が必要となる学校が発生した場合、その学校の教育活動の遅れ等に対する対応と備えの状況をお尋ね致します。

■質問2に対する教育委員会の回答
学校が臨時休業期間の家庭での学習活動について、計画性を持った家庭学習を課すこと及び学習状況の把握に努めることについて、教育委員会より学校に伝えております。また、その後、学校での授業を再開した際に学習状況を把握し、必要に応じて補習を行ってまいります。

■回答を受けての田中の意見
今日は、私も保護者の一人として、また、保護者の声、不安に思っていることを、ごく一部ではありますけれども、代弁したつもりです。学校については、第2波に対する備えがまだ完全であるとは言い難い状態と理解致しました。ただ、今後、一層の御努力を頂きまして、備えていただきたいと思います。

■再質問
保健所と協議をして、対応方針の詳細を作成しているところということでございました。この作成について、いつまでに完了する見込み、完成させる予定で今作業を進めておられるか、お尋ねしておきたいと思います。

■教育委員会の回答
今回、保健所と確認をしております対応方針の詳細は、学校において感染者等が発生した場合、PCR検査陽性と判明した場合や濃厚接触者と特定された場合、そのような場合の対応についてでございます。各学校へは、7月上旬までに行われる小学校、中学校、幼稚園のそれぞれの校長・園長会議で周知を図ってまいります。

■意見・要望
7月上旬には学校に伝えていただけるということでございました。この対応方針が決まれば、それぞれのケースに応じて学習の遅れをどうやって取り戻すのかとか、先ほど来あります給食のことをどうするのかなどを全て、ケースに応じて定めていかないといけないと思っておりますので、そちらのほうも併せて大至急取り組んでいただきたいということを要望しておきます。

=====ここまでが、本会議場での議論の概要=====

早速、安井小学校が、先週から今週にかけて臨時休校となりました。今後、どのような対応がなされたのか、注視してまいります。まずは、学習の遅れに対する対応や安全確保の状況等について、1日も早く保護者に対する説明や不安の解消、意見の聴取をすべきであり、そのコミュニケーションの取り方も工夫しなければならないと感じます。

また、結果的に児童や学校関係者の感染者は確認されませんでしたが、安全の確認のため、再開までに1週間を要しました。育成センターの職員の感染が確認された場合も含めると、様々なケースを想定した対処方針の必要性を実感します。

この項目に関する質問はまだありますが、長くなりますので、次のコラムに分けます。

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