学校の閉鎖性の解消と業務効率化に向けた予算措置を

2022年9月23日[カテゴリ:学校教育, 質問

 9月23日は、雨天でなければ、ご連絡頂いた中学校の体育大会の予定日でした。
 順延日は決算特別委員会の開催日ですので、担当する分科会が開かれていなくても、議会のルールとして、自身が保護者でない限り参加はしないということになっています。
 私が毎年ご案内頂いている中学校ではまだ、感染症対策が必要なため、来賓の参加も見合されています。学校によって対応が異なっているそうです。


3年前に息子が参加した体育大会

 さて、今回のコラムが、令和4年6月議会一般質問で議論しました不登校の対応についての掲載は最終となります。
 
 ここまでは、教育委員会と議論してきました。
 
 その議論の結果、

・課題解消に向けて地域を含めた外部の力やICTのシステムなどを活用するべきで、そのための予算が必要ではないか、
・開かれた学校づくりを進めてもらうためには、「市の財政措置によって支援してもらえるという信頼感」を学校から得るべきではないか、

 そして、

・課題が山積している学校についても市役所同様の業務改善が必要ではないか、

 と感じました。
 
 そこで、市がそうした措置を講じることで、教育委員会に、学校の課題をもっとオープンにしてもらえるよう働きかけをしてもらうべきではないかと考え、学校経費の予算を組む権限も持つ市長に対して、最後に質問しました。

====本会議場での議論の概要====

令和4年6月議会一般質問(令和4年6月27日実施)

1.不登校の対応について
(学校の閉鎖性の解消と業務効率化)
■再質問の背景(田中まさたけ)

 今回の質問を通じまして、改めて教育委員会、また、学校の開かれていない部分、閉鎖的な部分をかいま見ることになりました。例えば部活動改革についても今後進められると思いますし、教員の働き方改革が進められようとしている中で、コミュニティ・スクールも現在進めている取組みの一つだと思います。

 こうした地域との連携が形だけとなってしまうようであれば、これはかえって教職員の業務が増えるだけになるのではないかということを私は懸念しております。
 
 本当に教育委員会や学校を、開かれた状態にしていこうという「思い」があるのであれば、形だけにはならないとは思うのですが、その辺を心配しております。

 時代の変化によって課題が山積する中で、学校内の課題を全て学校で抱え込んでしまうと、教員の皆さんが疲弊し切ってしまうのではないかと大変心配しております。それは、子供の教育環境の悪化にもつながります。

 今年度は、4月からコロナ対応という暫定的な措置としてスクールサポートスタッフを配置して頂きました。これまでにも、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを拡充もして頂いております。
 さらに、教育支援センター「あすなろ学級」も拡充されましたが、全て直営で対応されようとしております。

 市が人だけを増やしていくという対応にも限界がある、しかも、持続可能ではないと私は思ってます。

 家庭教育支援であったり、子供の居場所づくりであったり、地域や民間の団体等に委託できる部分は徹底して委託して実効性を高める、児童生徒の心の変化の気づきを補完するためのツールとしてICTが活用できるのであればスピード感を持って導入する、そういった形で、教員が生徒全員に向き合う時間、そしてまた、研修を受ける時間、そういった時間を一刻も早く確保する必要がある、そうした姿勢が必要と私は感じました。

 現在、市役所では、業務プロセス分析を進めておりまして、業務の効率化を図ろうとされております。この定例会でも、補正予算を通じて総合コールセンターの実施に5年間で約4億6,000万円を投じる予定で予算が計上されております。
 そういったことに多額の財源を割く余裕があるのであれば、課題が山積している学校の対応にもっと予算を投じて対策を強化するべきだと私は今回の御答弁を聞きまして感じました。

■質問(田中まさたけ)
 市長には、この一連の教育委員会の御答弁、そして私の意見を聞いて頂いたと思います。実際には、そういった対策には予算が必要となってくると思っています。しかも、限られた人材で対応していかなければなりません。そういった中で、現在の学校の状況、学校運営について、予算の編成権をお持ちの市長の見解を簡潔にお答え頂けないでしょうか。

■市長の回答
 もちろん必要な施策に関しては当然予算はつけていく、それと、議員も触れて頂きましたけれども、私が市長になってからも、教育・子育ての予算、大きな意味ですごく増えてまいっております。そういう意味では、当然、必要な予算であればつけてまいりますし、民間の皆さん方にお願いできるようなところはお願いしていく。
 そういう意味では、教育委員会のほうにも常々言っていることですが、一方で、言われたものは全部自動的につけるんでなくて、教育委員会のほうでも工夫をすべきところ、それから、あすなろの件に触れて頂きましたけれども、不登校の話に関して、あすなろで全てやり切るというのは物理的に不可能でありますから、そういう意味では、これはお金の問題ではなくて、じゃあどういうようなところを学校現場、教育委員会でないところに委ねられるのかというようなことに関しては、もう少し軟らかな頭でというふうに常々申し上げております。

 そういう意味では、お金の問題というようなことではない課題も含めて、議員の御提案も含めて、子供の良好な環境に向けてできることは当然やっていく。以上でございます。

■意見・要望(田中まさたけ)
 急なお尋ねにもかかわらず、回答頂きましてありがとうございました。

 必要な予算については当然つけてきているということでございました。お金さえ出せば全てが解決するわけではない、それは当然なんですけれども、教育委員会には、もっと学校を開かれた状態にして欲しいと思います。

 地域にお任せできることはどんどん任せて頂きたいと思いますし、地域も、何でもかんでもできるわけではございませんので、やはりそこには予算が必要であったりもすると私は思ってます。
 先ほどのこころん・サーモの取組みもいいのですが、さらにいいシステムがあるのであれば、それは導入して子供たちのために使うことが必要だと私は思っております。
 
 今回は学校の課題について議論を致しましたが、現在、市役所では、業務改善、業務効率化を進められています。しかし、学校はまだまだ業務改善が必要なのではないのかと思っております。
 ですので、子供たちが様々な課題にさらされている中で、一刻も早く、不登校の児童生徒だけではございませんが、この課題だけでもかなり大きくなってきていると思いますので、スピード感を持って取り組んで頂きたいということを要望致します。

====ここまでが本会議場での議論の概要====

 事前に通告していなかったので質問の趣旨が伝わらなかったかもしれませんが。市長からは、「議員の御提案も含めて、子供の良好な環境に向けてできることは当然やっていく。」と力強い回答を頂きました。

 予算の編成権を持つ市長には、さらに「アクティブ」に動いて頂いて、学校現場の課題や問題点を現場で把握し、積極的に課題を解消するための予算をつけるために、財源の捻出についても取り組んでもらいたいと思います。

 以下、今回のコラムの内容と直接的には関係ありませんが、日ごろの活動や感じたことを記したフェイスブックの投稿を掲載致します。

====フェイスブックより====

9月13日投稿

今日は、西宮市議会第18回定例会の会期中の「教育こども常任委員会」が開催され、出席しました。
1.期間限定(半年間)の「学校給食費無償化」
2.就学前児童・私立小・中学校児童生徒等に対する1万円の支給事業
3.今後の西宮市幼児教育・保育施設のあり方(中間報告)
4.市立中央病院跡地活用(保育所等の子育て支援施設の整備)

などについて審査し、意見を述べました。

1と2については、全額、国の交付金を利用した事業ですが、
・制度設計が雑(バラマキ)であること、
・子供同士の公平性が保たれていない、
ことを今後の改善点として指摘しました。

3については、過去の一般質問において私が求めたことが具体化して頂いている案件ということで、
・公立の施設の役割の見直しと財源
及び
・公私間の質の格差の是正
に留意して、最終の「あり方」を示してもらえるよう要望しました。

4については、
市立中央病院の敷地内での民間認可保育所の移転に対して、指摘、意見を述べました。
詳細につきましては、後日になりますが、私のホームページのコラムに掲載したいと思います。

9月8日投稿

写真は、(仮称)阪急武庫川駅の設置が検討される場所で、先月、市政報告チラシを配布している際に撮影しました。
西宮市と尼崎市の市境となっている武庫川の上に阪急電鉄の新しい橋上駅を設置することについて、「事業の具体化に向けて周辺地域住民や関係機関等と協議調整していく」ことが、兵庫県、電鉄、尼崎市と西宮市の4者で合意したと、ちょうど昨年の今ごろに発表されました。
昨年も投稿しましたが、それから1年が経過しようとしています。

おそらく西宮市が何もしていないことはないとは思いますが、私たちには動きが見えてきません。今回の議会でも全く話題が出てきません。
多額の事業費を要する事業でもありますから、昨年、ようやく駅を設置する前提になったのであれば、今後、どのようなアクションが必要なのかも含めてスケジュールや進捗など、せめて1年に一回くらいは市民に対して定期的に報告しないと機運は高まらないように感じます。

9月7日投稿

西宮市議会では、昨日から一般質問が行われています。密を回避するための措置として、半数弱の議員は控室でインターネット中継を聞くという対応が続いています。
今日は午前中は控室で、午後からは本会議場で他の議員さんの質問と市の回答を聞いておりました。
昼休憩中に議会運営委員会が開かれ、今定例会の会期が終わってすぐの10月6日~11日まで、市長と市議会議長が、フランスのロット・エ・ガロンヌ県及びアジャン市を訪問するという報告がありました。久しぶりに海外訪問の話を聞きました。
こちらの都市とは、友好都市提携を始めてから今年で30周年になります。

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