12月議会が閉会-スクール・サポート・スタッフの配置

2022年12月21日[カテゴリ:コラム, 学校教育

 12月16日に西宮市議会は閉会しました。

 12月までに7回の補正(←クリックするとコラム「臨時議会と会派復帰」が開きます。)が行われた令和4年度予算ですが、12月議会では、8回目と9回目の補正予算が可決しました。
 
 今回は8回目の補正予算を掲載します。

◼令和4年度補正予算(第8号)

・一般会計全体補正額:41億9,299万4千円増
・補正後の令和4年度一般会計予算総額:2,115億6,139万7千円

 西宮市の一般会計には25種類の基金が設置されています。
 私は、将来に実施する事業や財源不足に備えた「貯金」と呼んでいます。

 8回目の補正予算の補正額の大半はこれら基金への積立金でした。この12月に提案される補正予算で、当年度に積み立てられる額が確定して計上されることが多くなっています。

⚫都市計画事業基金(増):32億8005万1千円
 都市計画事業基金は、令和3年3月に新設された基金です。 
 都市計画税は、西宮市の都市計画事業や区画整理事業に使うために、土地や家屋に課税されている目的税です。都市計画施設となっている道路や公園、上下水道、ごみ処理施設の整備などの事業を来年度以降に実施する際に活用されることになっています。令和3年度に徴収した都市計画税(約78億円)が、同じく令和3年度に目的に沿って充当した事業費を上回ったことにより、残額を積み立てることになりました。令和2年度が約4億円、令和3年度が約22億円でしたので、年々上昇しています。

↑朝の駅頭での市政報告チラシの配布活動終了後に撮影。市内では6番目に乗降客数が多いJR甲子園口駅ですが、北側の駅前は車や自転車の通行が多く入り乱れていて、歩行者が危険な状況にあることから、駅前の交通環境の改善が急務だと感じています。

⚫財政基金積立金(増):25億9,545万1千円
 財政基金には、前年度の決算剰余金の2分の1相当額を積み立てて、将来の財源不足に備えることになっています。

⚫公共施設保全積立基金積立金(増):4億3818万1千円
 この基金も比較的新しく、平成26年9月に公共施設マネジメントの取組みの一環で設置された基金です。今後、公共施設の老朽化対策に多額の財源を要することが予想されていますので、将来世代に負の遺産としてツケだけを回すことのないよう備えておくことは大切だと考えています。
 この額の補正により、令和4年度は約10億円を積み立てることになります。

⚫運動施設管理運営事業経費(増):3,153万9千円
 スポーツ振興基金の増額は、2,526万7千円となっています。

⚫教育費 人事関係事務経費(減):8,217万8千円
 スクール・サポート・スタッフ配置事業が県の委託事業でなくなり、予算は減額となりましたが、各市立学校のスクール・サポート・スタッフは、市の負担で継続して配置されています。

 スクールサポートスタッフの配置については、以前に令和2年6月議会(←クリックするとコラム「市立学校における感染症対応③」が開きます。)と、令和3年6月議会(←クリックするとコラム「西宮市立学校の感染症対策」が開きます。)の一般質問で取り上げて(経過についてはこちらもご参照ください。)、実現していただいた(←クリックするとコラム「9月議会で補正予算が可決-スクールサポートスタッフの配置が実現ほか」が開きます。)こともあり、非常に重視している事業ですので、常任委員会で質疑しました。

===教育こども常任委員会での質疑の概要===
■教育委員会の説明
 人事関係事務経費は、会計検査院の指摘を受け、令和2年度のスクール・サポート・スタッフに係る県補助金の一部を返還することに伴う返還金の増額と、令和4年度スクール・サポート・スタッフ配置事業が、県による事業ではなく、従来から県補助で配置している1名を除きまして、市の単独事業に変更になったことに伴う負担金の不用額、及び産休・育休対象者などが見込みより少なかったことに伴う会計年度任用職員報酬などの不用額の減額によるものです。
 なお、令和4年度スクール・サポート・スタッフ配置事業につきましては、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用する予定です。

■質問(田中まさたけ)
 この物価高騰への対応が大変厳しい中、スクール・サポート・スタッフの配置が県の委託事業でなくなったにもかかわらず、引き続き配置していただいているということについては感謝をしているところです。
 その上で、先ほどの説明の中で、会計検査院からの指摘によって返還金が生じているということでしたが、こちらの指摘の内容を教えていただきたいと思います。

■教育委員会の回答
 このたびの返還事由につきましては、本来、期末手当の補助対象経費は、週15時間30分以上勤務の職員が対象でした。その後、15時間30分未満の職員については支給の対象外ということで会計検査院から指摘を受け、この部分について返還させていただきました。

■質問(田中まさたけ)
 指摘を受けた分については、基準は満たしていただかないといけません。
 その上でですが、学校での感染症マニュアルもいろいろと見直されている中で、引き続きコロナの対応が続くのかどうかは不透明なところがあります。学校では、いまだに学級閉鎖などいろいろな対応が迫られている中で、人員が配置されているというのは大変助かっていると思っていますし、そうすることによって先生方が子供たちに少しでも向き合う時間を確保できるという意味では、引き続き、このコロナ対応が必要な限りは、続けていただきたいと思っています。
 しかし、配置されるかどうか分からない状態で、急に「新年度も配置します」と決めても、人を確保するのに時間を要すると伺っていまして、早めに市としての方針は決めておくべきと考えますが、来年度以降どのようにお考えになっているのでしょうか。

■教育委員会の回答
 来年度予算につきましては、現在、編成作業中でして、現段階で明確なお答えは難しいところではありますが、教育委員会としても、コロナ感染対策への対応、教職員の負担軽減など、スクール・サポート・スタッフの重要性は認識しており、財政当局にはその必要性を説明していくつもりです。

■意見・要望(田中まさたけ)
 (国の方針も)不透明なところはありますが、今のところまだ対応が必要ですので、来年度も十分に配置がされるよう要望します。

===ここまでが常任委員会での議論の概要===
 
 今後も、マンパワーによる対応が必要となる課題が生じるたびに、スクール・サポート・スタッフのような存在の職員が必要になると考えています。不登校児童生徒の急増に対する対応も、スクールソーシャルワーカーのような役割を果たす人材の増員が不可欠です。しかし一方で、限られた財源で職員数を増やすだけの対応には限界があります。
 ですので、時代の変化に合わせて、既存業務の委託化や既存職員の業務の見直しも進めながら、人材を強化して子供たちが学ぶ環境の改善を図る必要があるのだと思います。
 今後も、教育環境の改善に向けて政策を提言できるよう取り組みます。

 その他、この補正予算では、学校や公共施設に要する電気料金の増額や物資の価格高騰による経費の増額に対応するための予算が増額されました。
 また通常、この12月議会の補正予算では、当年度に実施される多くの公共工事や委託料の入札が終了して契約額が確定して、不用となった予算額が決定することから、補正されることが多くなっています。

 この補正予算以外に、私が現在担当している教育こども常任委員会で議論した「教育環境保全のための住宅開発抑制に関する指導要綱の見直し」や「学校でのマスクの着用に関する請願」については、後日のコラムに掲載したいと思います。

Facebook投稿より

■12月8日投稿

現在、西宮市議会では12月議会が開会しています。
6日(火)は、6時半から阪急夙川駅で市政報告チラシを配布し、その後、10時~17時30分過ぎまで本会議に出席して、一般質問を議場で聞いて過ごしました。
前回の定例会まで、一般質問の時間は、半分弱の議員が控室でのインターネット中継の視聴をしていましたので、令和2年3月議会以来11回ぶりに、全員出席しての一般質問となりました。
今回の議会では、私は一般質問の出番はありません。
晩は、息子の18歳の誕生日のお祝いでした。
息子は、定期テストの真っ最中かつ受験結果の発表待ちで、誕生日どころではない感じでした。

■12月15日投稿

13日(火)に、教育こども常任委員会が開かれました。
市から提案のあった議案は全て承認されました。
そして、来年4月から、安井、高木、高木北、香櫨園、苦楽園の各小学校区でお願いしていた開発規制の内容が一段階ずつ緩和されるという報告がありました。西宮でも、子供が減少しています。
さて、承認された議案の中に、2年半前の本会議でも議論をし、令和2年度から学校での感染症対応の支援として配置されているスクールサポートスタッフの予算の補正がありました。
2年半前の議論はhttps://masatake.jp/6330
をご覧ください。
そして、今年度の人件費の負担として、昨年度同様、兵庫県の負担を見込んでいましたが、県は市に対して委託しないことにしたそうで、西宮市の単独事業として実施されることになり、市の予算が補正されたということです。
昨年の6月には、市の単独ででも実施すべきということも本会議でお願いしていました。
https://masatake.jp/9212
をご参照ください。
しかし本来は、県が採用している小・中学校の先生方の負担軽減になるはずの取り組みですから、兵庫県にもご理解とご協力をいただきたかった事業ですが、残念です。
今後、感染症の対応が変更されたとしても、しばらくは学校での感染症対応は続くと思われますので、来年度も配置するための予算を計上してもらえるよう要望しました。
その上で、現在、施策研究テーマとして調査をしている「学校支援について」、学校での行事や部活動、雑務の委託化も含めて効率的な負担軽減策を模索しなければならないと思っています。
その他、学校でのマスクの着用や黙食を問題視した市民からの請願についても審査しました。
これも昨年の6月議会で議論した内容です。
大人はもう飲み会や会食をしています。
一刻も早く、風邪症状がない子供たちがマスク着用や黙食の強要から解放してもらえるよう、学校現場に粘り強く説明、依頼してもらえるように教育委員会にお願いしました。
委員会終了後は、大阪で開かれた政経勉強会と懇親会に参加しました。学生時代の友人と10年以上ぶりに会い、彼と主催の議員友達を通じてたくさんのご縁を頂きました。
対面とコミュニケーションの大切さを実感します。
写真は帰りに撮影した阪急夙川駅です。

■12月19日投稿

先週、泉大津市の南出市長が阪神方面に仕事があるとのことで、その前にわざわざ西宮にお立ち寄りいただきました。

南出市長とは、市議だった時にご縁をいただき、一緒に次世代育成の活動をしたことがありました。

以前に、泉大津市で実施されている家庭教育支援チームの不登校支援のことを知り、現地で勉強させて頂きたかったのですが、なかなか時間が取れず伺えていません。
今回も貴重な情報をいただき、西宮でもポテンシャルをもっと活かした市政運営の必要性を改めて感じました。

朝、駅でチラシを配布していても、そうしたお声を頂くことがあります。
さらに政策を提案できるよう努力します。

2枚目の写真は、駅立ち後に頂いたモーニングです。美味しかったです。

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