9月議会で補正予算が可決ースクールサポートスタッフの配置が実現 ほか

2021年9月18日[カテゴリ:コラム

 9月16日(木)に本会議が開催され、これまでに上程されていた議案はすべて可決されました。
 今回は、可決、承認した補正予算について掲載致します。

令和3年度補正予算(第7号)

 令和3年度予算一般会計を18億6968万7千円増額して2005億5091万3千円となりました。

 増額補正された主な内訳を掲載致します。

スクールサポートスタッフの配置にかかる経費:3885万2千円
 先日のコラム(←クリックするとコラム「西宮市立学校の感染症対策」が開きます。)で掲載しましたスクールサポートスタッフを再び配置するための予算が正式に可決されました。

 西宮市では、令和3年度(4月~)においてもスクールサポートスタッフの全校配置を計画していましたが、兵庫県の補助制度が廃止されたため、やむなく配置を見送ることにしたそうです。

 そこで、令和年6月議会一般質問において、国や県の財政措置が見込めなくても、市が昨年設置した「新型コロナ対応みやっこ元気寄附金による新型コロナウイルス感染症対策基金」を活用するなどして、まさに宮っ子、子供たちのために学校での感染防止対策に必要な財政措置を市が主体的に講じるべきであったことを指摘しました。

 なお、この基金(市の貯金のようなもの)は、昨年度、議員報酬を15%削減して生み出された財源を積み立てることをきっかけにして設置されたものです。宮っ子の学習環境を守るために活用してもらうのであれば、基金の目的に十分に合致していると思ったのですが、結局、市の一般財源で対応されることになりました。

 であれば、市の財源で4月から配置しておけばよかったのに。。。
 
 と感じつつも、何はともあれ、本会議での指摘によって改善され、学校の先生方の目を子供たちに向けてもらうための環境が作られてよかったと思います。

新卸売市場の増床費(土地相当分)及び産業廃棄物処理委託料:5917万7千円増額
 ついに、長年の懸案事項でありました「卸売市場の再生整備事業」に要する具体的な事業費の予算が可決しました。
 卸売市場の詳細につきましては、こちらのコラム(←クリックするとコラム「西宮市の公設市場の廃止(民営化)が確定」が開きます。)もご参照ください。
 なお、卸売市場再生整備に伴う再開発事業への投入が見込まれておりました市の負担金約36.1億円は、再開発事業の事業者が公募で決定された際に、事業者の条件提示により不要となることが決定しています。

キャッシュレス決済を活用したポイント還元による消費喚起事業:3億4100万円

市の説明の抜粋
 新型コロナウイルス感染症拡大により発令された緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置に伴い、休業や営業時間の短縮、酒類の提供自粛、消費者の外出自粛などの影響を受け、多くの事業者は売上高が減少しています。キャッシュレス決済のポイント還元事業は、令和2年度にも実施しましたが、事業者から多くの好評を得ており、市内経済の活性化を図り市内事業者の支援に繋げるため、同事業に係る経費の補正予算を計上するものです。
 なお、「⻄宮市商店街お買い物券・ポイントシール事業」による各商店街のキャンペーン実施時期が令和3年11月あたりに集中する見込みであることから、例年、店舗等の売上が低迷すると言われる2月にポイント還元を実施します。

1.対象者
キャッシュレス決済の導入:市内事業者
ポイントの還元:市内店舗での購買者

2.実施方法
キャッシュレス事業者によるポイント還元
ポイント還元率(予定):20%(1回上限5,000円相当、期間上限5,000円相当)
事業期間(予定):令和4年1月4日〜3月31日(還元期間は2月の想定)

3.事業費内訳
①事務局運営費(委託):3000万円
②ポイント還元原資:3億1100万円
財源:全額市の財源

4.事業スケジュール(予定)
本補正予算の成立後、制度詳細を設計
令和3年12月〜:事務局委託先のプロポーザル実施など
令和4年1月1日〜:キャンペーン実施(店舗・利用者向け説明会、広報など)
令和4年2月1日〜28日:ポイント還元実施期間
令和4年3月:利用状況の集計等

令和3年度補正予算(第6号)

 8月に市長が専決で行った補正です、内容はワクチン接種に要する費用でした。
 緊急を要する予算などは、議会の議決を得ずに市長が補正をすることができます。もちろん、勝手に行うのではなく、事前に議会に対しては説明があります。
 そして、専決した日の直近の議会で承認を得ることが地方自治法で決まっています。

市の説明の抜粋
 当初、国からは令和4年2月中をめどに各自治体で順次接種を進めるようスケジュールが示されていましたが、接種開始後、新型コロナウイルスの感染拡大等の状況を受けて高齢者の接種を7月中に完了するよう計画前倒しの要請がありました。それを受けて本市では当初予定に無かった集団接種会場を複数開設する等、要請に応えるべく対応してまいりました。
 また、国は6月下旬以降、職域単位での接種を可能とするなど高齢者以外の対象者への接種についても更なる加速化を図っております。本市においては、より効率的に市民への接種が行えるよう8月に「にしきた接種会場」を新たに開設いたしました。当初は7レーンで運用を開始し、8月21 日に12レーンに拡張する予定です。
 これらの事由により、当初想定していなかった以下の経費が発生しました。
①集団接種会場の増加に伴う会場運営費、及び医療従事者委託料
②ワクチン接種予約受付等に係るコールセンター回線数の増加に伴う電話相談等委託料
 さらに、兵庫県の補助事業により時間外・休日にワクチン集団接種会場へ医療従事者を派遣した派遣元の医療機関に対し補助を行うことになりました。
 以上のように、国のワクチン接種に関する運用の変更による予期せぬ経費が発生したことにより、今後ワクチン接種を継続するための予算に不足が生じる見込みです。そのため、必要経費の増額補正を行います。

■8月以降のスケジュール
8月
・にしきた接種会場の開設(7レーン、21日から12レーン予定)
(7月31日~職種優先枠の接種開始。8月8日~一般枠の接種開始)
・59歳以下の市民への個別接種開始
9月~10月
・にしきた接種会場等、集団接種会場での接種を継続
2月
・新型コロナワクチン予防接種の完了
(国のワクチンの供給状況などによって、スケジュールが変更となる可能性があります。)

■事業費
補正額 :13億3030万6千円
補正後総額:44億3100万円
財源 :国・県
(補正した内訳)
・集団接種委託料:8億7474万3千円
・電話相談等委託料:4億2116万3千円
・その他委託料(ワクチン小分け配送等):255万6千円
・時間外・休日のワクチン接種会場への医療従事者派遣事業補助金:3184万4千円

====常任委員会での質疑の概要====
令和3年9月13日の議論

■質問1(田中まさたけ)
 先の一般質問(←クリックするとコラム「学校での感染症対応ー新型コロナワクチン」が開きます。)におきまして、16歳未満の保護者の同意が必要な方々へのワクチン接種についての情報提供についてを求めていたのですが、明確な答えを頂いておりませんでした。現在、保護者の同意があってワクチンを接種した方がどの程度いらっしゃるかという人数は把握されていますか。

■質問1に対する市の回答
 保護者の同意で接種した件数ですが、今ちょっと件数を持ち合わせておりません。すみません。また確認致します。

■質問2(田中まさたけ)
 それは把握できますか。

■質問2に対する市の回答
 接種した方の予診票を全て見ていくという作業になりますので、把握は可能だと思いますが、少しお時間を頂くことになろうかとは思います。

■質問2に対する市の回答(後刻追加説明)
 補足で御説明させていただきます。
 若年層の接種につきまして、12歳から15歳の方につきましては、接種を受ける際、予診票の署名欄に保護者の署名が必要となっております。中学生以上につきましては、予診票に保護者が自ら署名することにより保護者の同伴がなくても予防接種を受けることは可能となっております。
 12歳以上の小学生につきましては、保護者の署名に加えて接種会場への同伴を求めております。というところと、16歳以上の接種率については統計を取っておりませんので、詳細な数字については把握できておりません。
 12歳から19歳につきましては、9月3日現在になりますが、1回目の接種が8,085回、接種率20.8%、2回目接種が2,782回、接種率7.2%となっております。

■質問3(田中まさたけ)
 あくまでも国からの情報が保護者の方々に行き渡るというのが理想だとは思いますが、時間もかかりますし、きめ細かな対応というのはなかなか難しいと思っています。
 ですので、例えば市のほうから学校を通じた接種率に関する情報提供も有効だと思います。
 悩んでいる保護者が多いと推察しているところでして、まだ接種は進んでいないのではないかという感覚を持ったものですから、今回も確認致しました。
 この接種は義務ではありませんので、それぞれがリスクとメリットを正確に理解した上で、お子様の状態等を見ながらワクチンの接種を検討しなければいけないという、親の立場からしたら難しい判断が必要になっているというのが現状だと思いますので、その辺の細かい情報提供をして頂きたいのですが、御検討頂けないでしょうか。

■質問3に対する市の回答
 件数確認に努めたいと思っております。

====ここまでが、常任委員会での議論の概要====

 新しいタイプのワクチンを使用するわけですから、丁寧な情報提供が必要です。
 しかし、9月時点でまだ、学校を通じた情報提供については、具体的に言及はありませんでした。また、子供の成長を勘案すると12歳と19歳には体力や身体に大きな違いがあるなかで、一括りで情報を提供していることも丁寧さに欠けると感じます。

 年齢別の件数把握に加えて、予防接種による副反応の状況や感染による重症化の状況など、きめ細かな情報を提供するべきと考えています。

 今後も、生活者の視点での市民に対する正確な情報提供について求めてまいります。

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