通学路の見守り活動の担い手の確保ー令和3年6月議会一般質問

2021年9月29日[カテゴリ:安心・安全, 質問

 最近、フェイスブックとインスタグラムを使用しまして、日々の活動報告と合わせて西宮の情報を発信しています。
 よろしければ、ご覧頂ければと思いますが、SNSをされていない方にとっては情報を受け取って頂けないことから、時間差は生じますが、このコラムでも順次掲載していきたいと考えています。

 さて、遅くなりましたが、令和3年6月議会一般質問での議論を掲載したいと思います。これで最終となります。
 通学路の見守り活動の担い手の確保についてです。

 時どき、市民から通学路の危険性を指摘されます。

例えばこちら。

車からの見通しが悪く、通学時間帯は自転車と歩行者が入り乱れて通行しています。

上の写真の箇所の西には数年前まで歩行者用の通路橋が架かっていました。

橋の老朽化により撤去されました。

 指摘を受けるたびに市に対して調査をし改善案を提示していますが、道路の安全対策を講じる権限は市長部局の土木局にあり、教育委員会は、全ての小学校で毎年安全マップを作成し、安全確保への自覚を促していると説明しています。どこか他人事です。

 そして、通学路では登下校時にPTAや自治会等地域団体のボランティアにより見守り活動が行われており、「学校安全ボランティア」と呼ばれています。
 しかし昨今、①地域コミュニティの希薄化、②高齢者の就業の増加、③共働き世帯の増加などにより、学校安全ボランティアの確保に苦労しているとの情報が寄せられました。

 以前、本会議一般質問(←クリックするとコラム「通学路における防犯対策」が開きます。)において、通学路での防犯対策のためにIT技術を活用した対策を提案したことがありますが、その際には、「子供たちを見守る人の輪が広がるよう努めてまいります。」と教育委員会は答えています。

 そこで、見守りボランティアの人数の状況を調査すると、教育委員会は他人事というか昔から学校外のことには手を出したがらず、各学校での状況すらつぶさには把握できていないことも判明しました。 

 そこで、問題提起のため、令和3年6月議会一般質問において取り上げました。

====本会議場での議論の概要====

令和3年6月議会一般質問

イ)放課後事業と下校時の見守り活動
■質問の背景(田中まさたけ)

 登下校時に実施していただいているボランティアによる見守り活動につきましては、共働き世帯の増加、高齢就業者の増加、そして、地域コミュニティーの希薄化により、担い手の確保が難しくなっているとの御相談を地域の方から頂いております。この件につきましては、本年3月定例会においても議論されており、教育委員会は、学校内での活動以外のことは一律に対応できず、バックアップをするという趣旨の御答弁をされております。

■質問1(田中まさたけ)
現在、登下校時にボランティアで通学路の見守り活動をしていただいている方の人数と近年のその増減の傾向をお尋ね致します。

■教育委員会の回答
 現在、本市では、PTA、自治会、青少年愛護協議会や青少年補導委員など、地域の様々な団体や多くの方々が学校安全ボランティアとして子供たちの安心・安全に係る取組に御協力頂いております。
 子供たちの登下校の見守り活動につきましても、地域の実情に応じて、各学校で様々な取組みを行って頂いており、学校安全ボランティアの人数は、令和2年4月時点で保護者と地域住民合わせて7,392人の方々がおり、そのうち地域住民は1,640人となっております。平成28年4月時点で地域住民は1,979人であり、5年間で339人の減少となっております。

■意見(田中まさたけ)
 御答弁を頂きましたが、ボランティアで活動していただいている方々に、まずは心から感謝を申し上げる次第でございます。
そして、この5年間で約2割も減少していることが分かっていながら、行政が対策を講じようとしないようであれば、現在、担い手の確保にも苦心しながら熱心に子供を見守ってくださっているボランティアの方々に大変申し訳ない気持ちになります。

■質問2(田中まさたけ)
 都市化が進んだ西宮市では、保護者や地域の方々の見守り活動は欠かせない取組みであると考えております。
 現在の活動を継続していくために、市の主体となる組織をはっきりさせ、各学校の学校運営協議会等で確実に登下校時の見守り活動について確認していただき、教育委員会もその状況を把握することで見守り活動の維持を図るべきと考えますが、市の見解をお尋ね致します。

■質問2に対する教育委員会の回答
 見守り活動は、学校保健安全法第30条に、地域の住民そのほかの関係機関との連携を図ると規定されております。議員御指摘のとおり、保護者や地域の方々の見守り活動は欠かせない取組みであり、教育委員会と致しましては、学校長を通じ問題提起してまいります。
 
 まずは、各学校の学校運営協議会などにて見守り活動の今後の体制を地域課題として捉え、学校でのサポート活動を支援する「ささえ」事業や、学校及び地域の課題解決を支援する教育連携事業の活用も視野に入れ、十分に協議検討して頂きたいと考えております。
 その上で、教育委員会と致しましても、引き続き、警察や庁内の関係部署等とも密接に連携しながら、各学校での取組みを支援するとともに、地域の課題を把握・共有し、解決を図っていくことにより、学校、地域、教育委員会が共に学校を中心とした地域づくりを進めてまいりたいと考えております。

■意見(田中まさたけ)
 前向きな御答弁を頂きまして、ありがとうございます。今後の成果(各学校でちゃんとボランティアの確保ができているのか)を見守りたいと思います。

 もう1点ございます。社会環境が激変する中で、子供の健全育成の観点から、本市では、放課後事業であったり、放課後キッズと名づけられておりますが、文部科学省の推進する放課後子供教室の充実を図るべきであるということは私も以前からこの議場で取り上げて述べてまいりました。
 都市化が進んだ本市においては、体験活動や遊びを基本とする放課後の事業の充実は不可欠であり、国の動き(子ども庁の創設など)に合わせて準備を急ぐべきと考えます。

■質問3(田中まさたけ)
 放課後に学校で過ごす子供が増えることにより、下校時間に幅が生じ、通学路における子供の見守り活動にも影響を及ぼすことが考えられます。そのような中で、校内での見守り同様、下校時の見守りについても放課後事業の一環で強化していくことも考えられます。
 今後、見守りボランティアの方々への健康ポイントの付与や謝金の支給、地域団体とPTAとの協働の強化など、見守りの担い手の確保策を強化するべきと考えますが、市の見解をお尋ね致します。

■質問3に対する教育委員会の回答
 見守り活動につきましては、先ほど述べましたとおり、地域の中で多様な担い手により地域の実情に応じて実施されております。

 議員御指摘のとおり、今後の担い手を確保し充実させていく意味でも、多様な担い手による見守りの活性化は重要な課題であると考えており、御提案があった様々な方策も含め、今後研究してまいります。
 また、普段から地域の中で継続的に見守り活動を行っていただけるよう、教育委員会としても働きかけを行ってまいります。

■意見・要望(田中まさたけ)
 もう時間が参りましたので、これで終えますが、行政として必要な措置を迅速に講じられるように準備をして頂きたいと思います。

====ここまでが本会議場での議論の概要====

 学校安全ボランティアの確保については、学校任せになっています。
 コロナ禍でただでさえ様々な課題を抱えている学校に対応を任せきりにしていては、通学路の見守り活動の担い手の確保対策にまで手が回っていない可能性も考えられます。

 社会構造が変化したなかで、ボランティアでの担い手を確保し続けるのは限界を迎えていると感じています。昼間、チラシの配布のために街中を歩いていますが、あくまでも体感ですが、歩いている地域の人が減っていると感じています。防犯の観点からも、また、車両や自転車の通行量が多い西宮市では、交通安全の観点からも、子供の見守り活動は欠かせないことから、担い手を確保するための新しい対策も検討しなければならないと強く感じています。

 引き続き、取り組んで参ります。

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