学校給食について①ー令和2年6月議会一般質問

2020年7月24日[カテゴリ:子育て・教育, 質問

昨日は、全国で981人の感染が確認されました。
西宮市では昨日6名、本日2名の感染が確認されました。

兵庫県は昨日、5段階に分けた対処方針の3段階目となる「感染増加期」と位置づけ、私たち県民に対して、

●「感染拡大予防ガイドライン」を遵守していない接待を伴う飲食店やお酒類の提供を行う飲食店への出入りを自粛する、
●学生をはじめ若者の多人数での会食は慎重にし、飲食しながらの大声での会話や回し飲みを避ける、
●「3密」の回避、熱中症に留意したマスクの着用等、「ひょうごスタイル」に取り組む、

ように呼びかけています。


↑クリックすると拡大されます。「感染拡大予防ガイドライン(←クリックすると内容を確認できます。)を遵守している飲食店」には、この「感染防止対策宣言ポスター」が貼ってあるそうです。
あまり見かけませんし、ポスターも自分でプリントアウト・印刷する形式みたいです。


↑「ひょうごスタイル」です。厚生労働省が示した「新しい生活様式」に「自然災害と感染症との複合災害への備え」を加え、兵庫らしさを表現した感じです。

「○○アラート」とか「○○ガイドライン」など基準が次々と発表され、各自治体が独自色を出そうとするあまり、内容を把握しづらくなっています。しかも、インターネットをしない世代には伝わりにくいのではないかと心配しています。
いずれも重要な指針として扱われていますので、西宮市民の皆さんは、兵庫県のホームページで確認してみてください。

西宮の学校給食の結末


さて、
令和2年6月議会一般質問の連載は、今回から、西宮の小・中学校の給食についてです。

先日、7月21日(火)から午前授業となり、パンと牛乳とチーズときどきゼリーという内容の「簡易給食」が始まりました。「簡易給食」については、新聞でも報道がありましたので、ご存じの方も多いと思います。

先日のコラム(←クリックしてご覧ください。)で速報を掲載しましたが、私は簡易給食の改善について一般質問で取り上げて市と議論し、市議会では決議が可決していました。

その結果、教育委員会が出した答えは、8月17日からの簡易給食において、ポールウインナーを毎日2本追加するという内容でした。そして、この対応でも、7月21日からの簡易給食には間に合いませんでした。

7月21日から31日までの簡易給食に対して、手配の時間が限られていることからポールウインナー等加工食品の追加、8月17日から31日までの簡易給食では、もう少しバラエティに富んだおかずが用意されることを期待していたのですが、残念です。「市が雇用する給食調理員には絶対に調理をさせない」ことだけは譲らなかった西宮市教育委員会の意地のようなものを感じます。

もう少し、子供たちの体調のことも考えて欲しかった。

平成30年度の調理員の人件費は約15億8000万円、平成31年3月末現在の人員は297名でした。単純に割ることは適切ではないかもしれませんが、調理員1人あたり年間概ね500万円ということになります。これは税金でまかなっている経費です。
平成30年度の給食の実施日は小学校183日、中学校177日ですから、1日1人あたり平均で27000円~28000円の経費が掛かっている計算になります。仮に全員が8時間勤務してもらったとしても、1時間1人あたりの経費は3000円を超える計算になります。

あくまでも、市が市税を投入している経費の計算です。
今年度は、4月と5月の本来給食が提供されるはずであった日の約40日分の給食が提供されず、本来夏休みであった18日分は、希望者のみの簡易給食で済まされます。調理だけの経費で考えると単価はおよそ1.3倍になる計算です。

これだけの経費を使っても、夏場の厳しい環境では調理員に調理をお願いできないのが西宮市教育委員会なのです。

特に、高学年にとっては明らかに量が少ないです。それでも、「『簡易給食すらない』より、ありがたい。」という保護者の声を耳にすることに、そして、3割のご家庭が申し込まれていることに、子供の昼食に対する給食への期待の高さを痛感します。

一昨日、事務所の近くで、暑い中をフラフラになって下を向いて歩いて帰っている児童の姿を見て、思い描いていた状態を実現できなかった自分の無力さを恥じ、市議会の意思の扱いの軽さを思い知り、改めて、昨年の選挙直後に抱いた「決意」(←クリックすると平成31年4月26日のコラムが開きます。)を見つめ直しています。

=====本会議場での議論の概要=====

令和2年6月議会一般質問(6月26日)より

2.学校給食について
■質問の背景

学力については、長い目で見ますと、数年をかければ取り戻すことは可能で、大人になってからでも学び直すこともできます。しかし、体の成長、特に身長は一定の年齢になると止まりますから、身体的成長の機会を取り戻すことは一生できないと言えます。ですので、小・中学生にとっては特に昼食は非常に重要であり、現代では学校給食に対する期待が非常に大きくなっています。

しかし、先ほど来議論されておりますが、3月からの3か月間の臨時休業期間中に様々な対応が検討されたものの、何一つ実現することはできませんでした。この要因は、市が子供の食の支援を、「やる」という方向で検討されなかったことによるものと私は考えています。結果的に、できない理由を挙げて終了という状態が続いています。

資料の表2(←クリックするとPDFファイルが開きます。)に掲載致しましたけれども、学校給食に要する人件費は年間約16億円に及んでおります。また、近年、多額の税金を投入して給食室のメンテナンスも実施しています。資料には平成30年度のデータを掲載致しました。

せっかく直営で給食を運営してきて、人材と給食室を初めとする資源をこの非常時に子供の食のために生かせないまま放置するようでは、直営で実施しているメリットはもはやないと言っても過言ではありません。
学校給食が再開した現在、必ず来ると言われる感染症の第2波に備え、今度は学校ごとの対応が必要になることも考慮して準備する必要があると考えます。

■質問1
学校が再び2週間以上の臨時休業を要する事態となった場合、今度こそ家庭での負担の軽減と子供に栄養のバランスが取れた食事を提供するための支援が必要と考えます。支援の必要性の調査を行い、献立を工夫した上での宅配やテイクアウトも含めて、教育委員会及び学校がそれぞれできることを考えて実施すべきと考えますが、教育委員会の見解をお尋ねいたします。

■質問1に対する教育委員会の回答
まず、宅配、テイクアウトへの備えについてですが、このたびの臨時休業の折、宅配、テイクアウトの実施についても検討しましたが、感染拡大のリスクや食品の衛生管理、アレルギー対応など、解決すべき課題が多くあったことから、実施できないと判断しました。
現在の学校給食運営体制の中ではこれらの課題を解決することは相当困難であることから、再び市全体での休業要請が出された場合でも同様の措置を取らざるを得ないと考えています。

■質問2
学校内で感染者や濃厚接触者が確認され、急遽、数日間学校単位で休校となった場合、学校再開から給食再開までにどの程度の日数を要すると想定しているのか。また、3月の臨時休業の際には大量の食材の廃棄が発生したと伺っておりますが、キャンセルができずに使えなくなった食材を廃棄せずに子供たちのために活用、販売もしくは配付できるように準備しておくべきと考えますが、今後の対応をお尋ねいたします。

■質問2に対する教育委員会の回答
西宮市の感染状況によりますが、学校単位で臨時休校を行った場合、児童生徒の検温や健康観察などを行った上で、分散登校ではなく通常登校での再開を目指すこととなります。したがって、給食についても、学校再開日に合わせて実施できるよう準備してまいります。
また、キャンセルにより不要となった食材については、納入業者と連携の下、できる限り廃棄とならないように努めます。また、やむを得ず納品された食材についても、今後の給食での提供、フードバンクなどを活用し、無駄にならないように努めてまいります。

■意見・要望
地域の方々のご協力を頂いたり、例えば、他市では事例がありますが、地域の飲食店の方々に登録をして頂いて経済対策にも結びつけていく、飲食店の方々にも御協力を頂きながら子供の食の支援をするということも、教育委員会と産業文化局(経済対策担当)とで連携をして進めていくという方法もあると思います。
いろんなことが考えられますから、できない、できないではなくて、できる、「やる」という方向でしっかりと検討していただきたいと思います。

=====ここまでが、本会議場での議論の概要=====

再質問を含めて、次回のコラムに続きます。

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