6月市議会での一般質問を終えて

2021年6月28日[カテゴリ:コラム, 財政・財政改革

先般のコラムに掲載しましたが、先週25日(金)に私は一般質問を終えました。

今回は初めて「一問完結方式」というやり方で行いました。

内容は、質問時間の都合上、
1.公共施設マネジメントと財源の確保について
2.環境教育について
の2点に絞りました。

 まず、「1.公共施設マネジメントと財源の確保について」は、昨年、入札直前で中断された市立中央体育館の再整備に要する財源確保のあり方と、ニーズを満たせていない市立体育施設を補完する観点から、学校教育で使用していない時間帯の学校体育館の有効活用の促進について議論しました。

 西宮市は、公共施設の将来について市民の皆様にも知って頂くために、「公共施設マネジメント読本」という冊子を発行しています。3年前くらいに発行されたのですが、まだまだ見たことない人が多いと思います。


公共施設マネジメント読本
西宮市HPより。

 西宮市はせっかく計画や方針を作っても、「仏作って魂入れず。」の状態になるケースが多々あります。「公共施設マネジメントのための基本的な方針」や「西宮市公共施設等総合管理計画」を策定していますが、確実に遂行されているとは言えない状況が続いています。
 また、旧態依然とした考え方から脱却しきれず、せっかく効率性を発揮できる事業手法や制度を国が用意してくれていても的確に活かすことができていません。

 今回の質問で、財政運営に関する考え方が、市長を始めとする現在の市役所幹部とは根本的に異なることがはっきりしたと感じています。そして、小さな箱モノは作り続ける一方で、公共施設マネジメントの優先順位は低くなっていることも伝わってきました。はっきりとした成果が見えにくい政策は、選挙に影響しにくいですから、公共施設「マネジメント」の優先順位は低くなったのだとも推察しています。

 新型コロナウイルス感染症の対応に追われている市役所には、短期的なことしか考えられず、今後10年間のことすら考えることができないようです。私はこれを「場当たり的お役所仕事」と呼んでいます。
 おそらく、今の惨状しか見ようとしない市役所の人は、私のことを「現状認識が甘い」と考えるのだと思います。詳しい情報はまだオープンにされていませんから、そうなのかもしれません。
 しかし、私から見れば、市役所は「将来を見据えた現状認識が甘い」と映っています。つまり、財政運営に対する考え方の違いは、その場のことしか見ていないか否かの違いであると感じました。

 仮に今の財政的惨状が私が想像している内容よりも悪かったとしても、それはコロナ禍で生み出された部分は小さく、元々抱えていた構造的な問題が、コロナをきっかけに露呈しただけのことだと思っています。
 
 しかし今後も、財政に関する私の考え方は、市議会で主張するだけでは受け入れられることはなさそうです。

 今後待ち受ける激動の時代に対応するためには、市役所を前に動かしながら、課題に対応していくという市政運営が求められると思っています。
 しかし、今の市役所は、一旦立ち止まって1年という括りでじっくり考え直すという、ひと昔前の発想から抜け出せないでいます。その悠長な検討の間に課題はどんどん深刻になります。懸案事項を先送りし続けるといずれ立ち行かなくなり、そのツケは近い将来の市民が払うことになるのです。

 今夏に発表予定の「財政収支見通し」によって事業の可否を判断するということですが、せめて、財政収支見通しが出た時に迅速に判断する準備をもう済ませておかなければならなかったのですが、1年以上が経過してもまだ、コロナ対応に追われる市役所は、財政収支見通しを策定すること以外、何も考えていなかったことも明らかになりました。驚きました。

 このコラムだけを読んでも、意味が分からないと思いますので、後日のコラムで少しずつ詳細に、お伝えしていきたいと思います。

 次に、「2.環境教育について」は、
ア)学校での感染症対応
イ)子供の放課後の居場所づくり事業と下校時の見守り活動
を取り上げて議論しました。

 感染症対応については、①昨年度に感染防止対策を講じるために雇用したスクールサポートスタッフを今年度は配置しなかったことの是非、②小中学生が長時間のマスクを着用して授業を受けることによる弊害と科学的根拠に基づく対応、③ワクチンの接種体制と接種に関する差別の防止について、提案を交えて議論しました。

 12歳以上の児童生徒が新型コロナワクチンの接種対象となりましたが、西宮市では、所属する学校での集団接種をする考えはないことの他、国の定める基礎疾患を有する方を除く方々は8月から接種が始められるよう検討していることを始め、保護者の同意は必要であるものの12歳から16歳の児童生徒に対しても、大人と同じ対応がなされるとのことでした。
  
 また、子供の放課後の居場所づくり事業と下校時の見守り活動については、今後、放課後の子供の居場所づくりの充実を図る中で、ボランティアによる見守り活動を継続して頂くための対策について議論しました。

 こちらについても、詳細については後日、少しずつ、コラムに掲載してまいります。

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