6月議会が終了

2021年7月10日[カテゴリ:コラム, 医療・福祉, 議会状況

新たに担当する常任委員会

 全国各地で豪雨による災害が発生しております。まずは、被災された方々にお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。
 
 そのような中、7月8日(木)に、西宮市議会第12回定例会が終了しました。

 このコラムで掲載できずにおりましたが、先々月に民生常任委員会委員長の職を終え、6月11日からは西宮市議会での19年目の活動が始まり、5期目の3年目となる6月議会からは、ヒラの健康福祉常任委員会委員を担当することとなりました。

 私が所属する会派では、担当する常任委員会の希望を第3希望まで出すことになっているのですが、第1希望を教育こども常任委員会、第2希望を民生常任委員会としていました。しかし、会派内での調整の結果、第3希望を引き受けることになりました。また、あまり長く居座ってはいけないと思い、議会運営委員会委員も辞任しました。

 しかし、市長が提出してくる議案の賛否については、いくら調整が必要とはいっても、「市民に説明のつかない妥協はしない」と決めています。この部分は、議席を頂いている重さを忘れずに政治に臨んでまいります。
 

6月議会でも補正予算が可決

 3月議会で可決した令和3年度予算ですが、6月議会でも、主に新型コロナウイルス感染症対策に必要な補正予算が審議され全会一致で可決しました。

令和3年度一般会計補正予算(第5号)
健康福祉常任委員会所管分のみ掲載します。

自宅療養者等へのフォローアップ事業

市の説明の抜粋
 兵庫県は新型コロナウイルス感染症の陽性者に対し原則自宅療養者ゼロの方針を掲げていましたが、第4波の急激な陽性患者の増加により、医療機関が逼迫したことを受け、フォローアップ体制を構築したうえで自宅療養を可能とする方針へ転換しました。この方針転換により、65歳未満の無症状又は軽症者等は自宅療養を行うことが可能となったため、本市における自宅療養者のフォローアップ体制を構築します。

1.自宅療養者等への食料品・生活用品支援事業(事業自体は4月中旬から開始)
(1)事業概要
自宅療養者は、原則10日間外出することができないため、日常生活を送るうえで必要な食料品やティッシュペーパー等の用品を10日分配布されます。
(2)事業費
【補正額】
・支援物資購入費(350件、6ヶ月分):4410万円
・支援物資配送手数料(350件、8.5ヶ月分):1487万5000円
合計:5897万5000円
【財源】
全額県補助金(新型コロナウイルス感染症対策事業費)

2. 自宅療養者等への医療的支援事業(4月中旬から開始)
(1) 事業概要
 入院調整・宿泊療養調整中の自宅待機中患者や自宅療養中患者に対して、医療職である訪問看護師による訪問又は電話による健康観察を実施し、中等症・重症になる恐れがある方を迅速に把握する必要があります。
 そして、自宅待機・療養中に状態が悪化した場合は、医師・訪問看護師による往診を行い、必要に応じて酸素濃縮器を用いて酸素吸入等の医療的支援が行われます。
(2) 事業費
【補正額】
・健康観察委託料:7820万円増
・酸素濃縮器借上料(50台、7.5ヶ月分):647万7000円増
合計:8467万7000円増
【財源】
全額県補助金(新型コロナウイルス感染症対策事業費)

新型コロナウイルス感染症入院患者等に係る医療扶助費等(拡充)

市の説明の抜粋
 現時点において新型コロナウイルス感染症の感染状況は当初予算編成時の見込みを大幅に上回っており、今後これらに係る費用が相当高額になることが見込まれます。この状況を踏まえ、上記経費について現状を加味して改めて見込みをたて、必要見込額を増額補正するもの。

【補正額】
(1)医療保険適用によるPCR検査費:7000万円⇒2億6264万2000円(1億9264万2000円増)
(2)入院医療費:2583万1000円⇒1億3600万円(1億1016万9000円増)
(3)手数料:33万8000円⇒332万円(298万2000円増)
【財源】
(国庫負担金)
・医療保険適用PCR検査費分(半額が国の負担):9632万1000円
・入院医療費分(3/4が国の負担):8262万6000円

保健所の体制強化のための派遣職員の配置(拡充)

市の説明の抜粋
 本市では、令和3年4月以降、新型コロナウイルス感染症患者が急増し、積極的疫学調査や濃厚接触者等との連絡調整等の業務が大量に発生し、職員に過大な負担がかかり業務の継続に支障が生じたことから、派遣職員の配置増員を実施しています。これを踏まえ、必要な事業費を増額補正します。

【派遣業務概要】
勤務人数:4人(保健師3、事務1)⇒ 14人(保健師8、事務6)
雇用人数:25人⇒80人
勤務時間:9時〜20時
超過勤務:11時間/月(保健師)⇒20時間/月(保健師),5時間/月(事務)
時間単価:保健師 3200円(超勤単価︓4000円)、事務 2300円(超勤単価︓2875円)
交通費:15000円/月⇒10520円/月(現状を加味)
【補正額】
新型コロナウイルス感染症患者及び濃厚接触者対応等業務委託料:1億2777万1000円増
【財源】
(国庫負担金)
感染症発生動向調査事業費(国が半額を負担):6388万5000円

高齢者等施設職員への抗原定量検査実施(拡充)

市の説明の抜粋
 令和3年3月より高齢者及び障害者施設で従事する職員に対し、無症状の新型コロナウイルス感染者を早期に発⾒し、感染拡大防止を図ることを目的として、無料で抗原定量検査を実施しています。
 当該対象者は約 15,000人と見込んでおり、前年度からの残り14,500人の検査を実施するための経費を増額補正します。

【補正額】
高齢者施設抗原定量検査委託料:8337万5000円増
(積算:@5,750×14,500人=8337万5000円)
【財源】
感染症発生動向調査事業費(半額が国の負担):4168万8000円

↑民間の福祉施設や保育所など、週に1回法人負担で検査を実施している施設もある中で、民間の福祉職員一人当たり1回検査するだけで感染拡大防止が図れるのか疑問は残りましたが、高齢者を始めとする重症化リスクの高い方々へのワクチン接種が行き渡るまで、感染拡大防止対策としてできることはやった方がいいとの判断で予算は承認しました。

新型コロナウイルス感染症対策業務にかかる電話回線使用料(拡充)

市の説明の抜粋
 現在本市では、新型コロナウイルス感染症対策として、令和2年度から引き続き保健所に新型コロナウイルス感染症対策室を設置し、積極的疫学調査等を行っています。
 令和3年4月以降、感染者数が急激に増加したことに伴い、膨大な件数の積極的疫学調査等を行う必要が生じました。積極的疫学調査等では、陽性患者から行動歴の聞き取りや濃厚接触者等の PCR検査受診調整等各種連絡調整を行うため、比較的長時間通話となる傾向にあります。そのため、保健所の電話回線使用料に不足が生じることが見込まれます。
 つきましては、今後更に感染が拡大した場合においても必要な積極的疫学調査等を実施できるよう電話回線使用料を増額補正して対応いたします。

【補正額】
12月までに必要と見込まれる電話・回線使用料: 563万4000円増
(全部で固定電話28回線、携帯電話13台)
【財源】
国の負担:235万7000円

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 以上が保健所関連の補正予算でした。昨年夏の第2波から第4波の対応について検証ができておらず、現在まとめて検証作業が行われているとの報告がありました。昨年3月~6月の第1波の時の検証は、全く検証とは言えず、第2波以降の対応にほとんど生かすことができないような内容でしたので、今度こそはそのようなことがないようにして頂かなくてはなりません。
 そして、ワクチン接種が急激に進む中、変異型による重症化の動向も注視しながら、これまでの経験を踏まえて迅速に対応ができるよう、第5波への備えをしておくことが重要となります。

 これから1年間、感染症対策を担う保健所も対象に入っている健康福祉常任委員会での議論に全力で臨むつもりです。そして、個人的には、ポストコロナも見据えて、食育や産前産後のケアについて、重点的に調査を進めたいと考えています。
 

西宮市議会議員のご逝去

 これまで1年間、民生常任委員会において、私の委員長職を副委員長として支えて頂いた宮本かずなり議員が、7月4日にお亡くなりになりました。49歳という若さでの突然のご逝去の報に大変驚きました。所属する会派は異なりましたが、2年間、いろいろとご一緒させて頂く機会が多かった方でした。

 西宮市議会のルールでは、常任委員会の正副委員長は、常任委員会を開催するにあたって、議会事務局職員立ち合いの元で市の担当職員との「所管事務懇談会」を開催し、市の説明や提出する資料の精査等を行うことになっています。そして、常任委員会の開催日前日までに「調整会」を開催し、委員会の進行等の確認をすることになっています。

 そして、閉会中の常任委員会は、毎月最低1回以上開くことが決まっていますので、ほぼ毎月開かれることになる所管事務懇談会での市の担当者との激しい協議にも毎回冷静にお付き合いいただき、「勉強になります。」といつも仰ってくれていました。
 所管事務懇談会後に分からないことがあれば、私に対しても率直に質問もしてくれていました。また、思い返せば、故宮本議員はまだ1期目でしたが、今期の1年目も健康福祉常任委員会でご一緒させて頂いており、議会運営委員会でもご一緒させて頂きました。
 詳しいことは聞かされていないのですが、議会会期中の先週金曜日に控室で突然意識不明となり、議会から救急車で運ばれた時には、脈と呼吸はあると伺っていたのですが、翌々日の日曜日にご逝去の報が入りました。

 生前のご厚情に深く感謝し、心からご冥福をお祈り申し上げます。
 
 その民生常任委員会で1年間、調査・協議の進行を一緒に進めてきました施策研究テーマ「防犯対策(特殊詐欺対策)について」の内容は、後日掲載したいと思います。

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