使用期限切れの新型コロナワクチンの接種についての報告を受けて

2022年4月16日[カテゴリ:コラム, 危機管理

 4月14日(木)に、西宮市役所より「新型コロナワクチンの不適切な接種について」と題して、以下の連絡がありました。ニュースでも少しだけ取り上げられました。
 

市の説明(経緯等)
 令和4年2月8日、対象医療機関より市に提出された予診票を確認していたところ、保管期間を超過したワクチンを接種していた事案を発見しました。
 同月14日、対象医療機関に事情を聴取した結果、ファイザー社製ワクチンの冷蔵保管(2~8℃)による保管期間が最長31日間であるところ、冷凍保管(-90℃~-60℃)による有効期間まで接種することができると誤認識していたことが原因で間違い接種に至りました。
 なお、現時点で対象となった方について、健康状態に影響があったものと認められる事案は確認されていません。
■間違い接種が発生した期間
 令和3年9月24日から令和4年2月7日まで

 まず、1点目の問題として、再発してしまったということです。
 昨年10月22日にも(←クリックすると「令和3年10月22日公表資料」がご覧いただけます)同様な事案が報告されていました。

 こちらの資料でも、市の対応として、「ワクチンの保存方法等について医療機関への指導を行うなど、再発防止に努めます」となっていますが、今回の事案が発生したのが令和3年9月24日ということですから、以前の「医療機関への指導を行う」という再発防止策が全く効果がなかったことが露呈したことになります。
 医療機関の誤りとはいえ、ワクチンを管理する役割を担う市の保健所も再発防止策の見直しが必要であることは明白でした。

 2点目の問題点として、公表までに時間をかけ過ぎているということです。
 2月8日に発覚していたにもかかわらず、公表されたのが4月14日となり、公表するまでに2ヶ月以上もかかっていたことになります。
 この間、不適切な接種をした医療機関によって対象者に対する連絡・調査が行われていたそうですが、以前の時は、今回とは異なる医療機関ではあると思われますが、令和3年9月24日に調査をして10月8日に誤りが判明した後、公表されたのが2週間後の10月22日でした。不適切な接種を受けた人数(件数)が、以前のケースでは26名(26回)で、今回は45名(57回)と件数が多かったため、調査に時間を要したのかもしれません。それにしても公表までに時間をかけ過ぎていますし、市内で2回目の事案でもあるわけですから、再発防止の観点からまずは発覚後すぐに第1報として公表して、他の医療機関でも同様の事案が発生していないか、直ちに事実を公表して確認するべきでした。

 事案発覚から公表までの間には市長選挙も行われました。隠ぺいしていたのではないかと言われても仕方のない対応だったと思います。

 そして何より、市に緊張感が全く感じられません。
 「使用期限が切れたワクチンを接種しても、別に問題ない」と考えているのではなかろうかと感じるくらいです。仮に使用期限に根拠がないのだとすれば、現在の保存方法や廃棄の対応はいったい何なのかという新たな問題が生じます。

市の説明(市の対応)
■ 問題発覚後、対象医療機関で接種の予約をしていた方については、医療機関より事情を説明し、キャンセルを行うよう指示しました。なお、問題発覚後、ワクチンの配送を停止し、既に所有しているワクチンについて廃棄するよう指示しました。
■ 対象者となった45名に対し、対象医療機関から事情を説明するとともに、希望者には中和抗体検査を行う旨、連絡するよう指示しました。
■ 対象者となった45名に対し、対象医療機関から順次連絡しております。また、市からも対象者となった45名に対し、4月13日付けで文書を送付いたしました。
■ 再発防止のため、他の医療機関に対し、ワクチンの適切な保管方法等について再周知します。

 3点目の問題点として、間違い接種が発覚するまでに4ヶ月以上が経過していたことです。
 以前のケースでは、8月18日から10月8日と約1ヶ月半もの間、間違い接種が続けられ、市が在庫量の調査を行った結果、発覚しました。
 今回は医療機関から提出された予診票の確認を行っていて発覚したとのことで、いずれも間違い接種を防止するための調査ではなく、使用期限が切れたワクチンの接種を防止するためのシステムがない状態が放置されていることに問題があります。これは、国の問題と言えます。

 4点目の問題点として、使用期限が過ぎたワクチンを接種した方の抗体量や効果が不明なまま放置されかねないことです。 
 希望者には抗体検査を行う旨を連絡するように、市が医療機関に対して指示を出したものの、全員にではなくあくまでも希望者のみで、しかも、その後の検査の受診の有無や結果については、公表の予定がないということです。
 使用期限が過ぎているワクチンを接種しても抗体が得られるのであれば問題はないのかもしれませんが、抗体が得られていると思い込んでいるだけで実際には抗体が得られているのかどうか分からないまま放置されるのであれば、新型コロナワクチンの接種は単なる気休めなのか、その気休めのために死を含めた副反応に対する恐怖をがまんしているのか、ますます不信感が募ります。

 また、以前のコラム(←クリックするとコラム「新型コロナウイルス対策について」が開きます。)で掲載しましたが、ワクチンの効果については、変異株の存在でごまかされていますが、未だ未知数です。1年に1回どころか半年で効果が下がると言われて3回目を接種するよう勧められ、次は2~3ヶ月で効果が下がる可能性があると言われて、早くも4回目接種の検討もされています。3回目の副反応はきついと聞きますから4回目はどうなるのか、そして、頻繁にワクチンを接種して本当に体がもつのか、不安になる方が増えて接種率が下がるのは当然だと思います。

 こんなにいい加減なワクチン接種が行われているうちは、少なくとも、重症化リスクが低いと言われている子供に対する接種は勧めたくないというのが、親としての気持ちです。

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