道路補修の迅速化と財源の確保ー令和3年12月議会一般質問

2022年4月27日[カテゴリ:公共施設マネジメント, 質問

 先日のコラム「歩行者の交通対策について」の続きです。
 西宮市では、道路の不具合等について、「溝や舗装の補修」「除草・清掃」「橋・横断歩道橋」「ガードレール・柵」「ミラー」「照明(防犯灯を除く)」「市道上の放置物」「市道への越境樹木」の種類に分けて、LINEアプリを用いて、市に対して通報ができるようになりました。

 通報については便利になったのですが、一方で、今よりも通報が大幅に増えた場合、通報された道路の補修等に迅速に対応できるのか、補修財源と市役所の業務体制を強化すべきと考え、令和3年12月議会で取り上げて議論しました。議論の概要を掲載する前に、関連する最近のフェイスブックの投稿を掲載します。

facebook投稿より

■令和4年3月2日(水)
以前に、市民から指摘を頂き、市に対して情報提供をしました。
高齢者は、まさかこんなところに、という場所に生じたちょっとした段差につまずいて転倒し、大ケガをすることがあるそうです。
LINEで損傷箇所を通報できるようになりましたが、この段差をバリアに感じる方の多くはLINE通報も使いづらいそうです。
こうした細かいバリアを見つけた場合にすぐに直せる体制も、高齢者の外出支援の観点からも重要だと思います。
令和3年12月議会一般質問でLINE通報について取り上げましたので、近々、コラムでも掲載します。

■令和4年3月5日(金)
先日投稿しました歩道の損傷箇所は、応急的にカラーコーンで対策をして頂きました。
年度末ということで、予算の都合上、5月くらいの修繕になる見込みとのことです。

以下が、令和3年12月議会一般質問での議論の概要です。

====本会議場での議論の概要====

令和3年12月議会一般質問

3.道路の管理について
(LINEでの通報に対する対応)
■質問の背景(田中まさたけ)

 このたび、LINEアプリを活用して道路や安全設備等の不具合を通報できる制度が導入されました。

■質問(田中まさたけ)
 以前より、アセットマネジメントの観点から道路財源をさらに確保すべきと指摘してきたところですが、市民からの通報が増えた場合、現在の財源で対応可能なのか、まずお尋ね致します。
 あわせて、通報から対応までに一定の時間を要していることから、今後の件数の増加も勘案し、現況の確認を民間に委託するなど、限られた人員で対応の迅速化を図るべきと考えますが、市の見解、対応をお尋ね
いたします。

■市の回答
 LINE通報に対する対応についてですが、令和3年10月より運用を開始したLINE通報は、現在、平均1日1件程度の通報となっております。このため、対応につきましては、電話や市民の声による依頼と同様に、優先順位をつけて対処しており、現在の財源内で対応が可能であると考えております。
 また、通報から対応までの一連の業務を効率化・持続化するための現地での確認や調査業務などの民間委託につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、一旦見送っておりましたが、現在実施に向けて調整しているところでございます。道路に関連する要望等の通報件数は年間3,000件程度ある中、さらなる市民サービスの向上となるよう、今後も民間委託の活用について検討してまいります。

■意見・要望
 一定前向きの御答弁を頂いたと思っております。
 あわせて、通報の内容によっては、多額の財源を要する内容も含まれてくることが想定されます。ですので、今は、ICTの技術がどんどん進化しておりますので、通報を受けてから解決するまでの間の対応状況につついても、市民の皆様に情報開示できるようなシステムの導入につきましても検討して頂きたいと思います。

====ここまでが本会議場での議論の概要====

 令和4年度予算で、「公物管理補助・支援業務」として3350万円が予算化されました。

市の説明の抜粋
公物管理補助・支援業務
公物(道路、公園、水路)について寄せられる市民からの要望等への対応のうち、現場確認・調査や書類作成の業務の一部を民間委託することにより、業務の効率化を実現するとともに、市民サービスの質の向上を図る。コロナの影響で未着手となっていたが、令和4年度は道路のみを対象に試行実施を行い、効果検証を行う。

 一方で、補修するための予算は大きくは変わっていません。

 寄せられた通報にどこまで迅速に対応ができるようになるのか、今年度の状況を注視して参ります。

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