歩行者の交通対策についてー令和3年12月議会一般質問

2022年4月11日[カテゴリ:交通安全, 質問

 市民の方から、通学路を中心に歩行者の交通安全に関するご意見を頂くことがよくあります。
 以前のコラムでも少し掲載しましたが、令和3年12月議会において取り上げた内容を改めて掲載します。

====本会議場での議論の概要====

3.道路の管理について
(人道橋の撤去後の影響)
■質問の背景(田中まさたけ)

 お手元の資料を御覧いただきながらお聞きいただければと思います。
 以前に、御手洗川の高倉橋と広田橋の間に設置され、広田小学校に通う児童の通学路にもなっておりました人道橋は、平成28年度に老朽化のため撤去されました。
その後、その人道橋を利用していた歩行者の多くは、約100メートル東に架かる広田橋を利用されている様子です。この橋梁(広田橋)の南側にある横断歩道は、カーブミラーが設置されているものの、横断歩道に南側から差しかかった歩行者が(東側から川沿いに進行してくる)車両からは確認がしづらく、また、通学の時間帯には広田橋を渡る多くの自転車とも交錯するなど、歩行者が大変危険な状況になっているとの御指摘を頂きました。

■質問1(田中まさたけ)
 人道橋の撤去後の様子を勘案し、車からの見通しがいい直線部分で横断歩道が設置できる場所、つまり以前に架かっていた箇所が最適と思われますが、再び人道橋を設置して歩行者の安全性を確保することはできないのか、市の見解、対応をお尋ね致します。

■質問1に対する市の回答
 まず、人道橋の設置についてですが、東川に架かる広田橋と高座橋の間にあった人道橋は、橋梁の定期点検の際に劣化が著しく進行していたことから、平成29年に撤去しております。新たに橋梁を架け替えるには、県の河川占用条件において、現状より橋を高くして河川断面を広げること、新たに独立した橋台を護岸の外側に設けることが必要とされました。この条件を満たすためには、現道と橋との段差をすりつけることで周辺の家屋への出入りに支障が生じることや、新たな橋台により川沿いの道路幅員が狭くなるなど、構造的な問題があり架け替えを断念しております。
 市と致しましては、議員御指摘の広田橋における交通の輻輳については、現地の状況を確認した上で、横断歩道の通行の安全対策について、警察とも連携して対応してまいります。

■意見・要望(田中まさたけ)
 この場所での人道橋の設置は(市からの回答にありました構造上の課題をクリアするためには)事業費も多額に及びますので、その効果もしっかりと検証をしなければいけないとは思います。しかし、広田橋での危険性についても確認しましたが、車の一旦停止の交通規制等もありません。
 ですので、まずは、そうした対応も含めて、御答弁にありましたとおり警察と連携して頂いて、人命が失われる前に、人道橋の復活も含めて実効性の高い対策を講じて頂きたいと思います。

(植栽帯の管理)
■質問の背景(田中まさたけ)

 道路交通法では、横断歩道を歩行者が通行する際には、車両は一時停止することが義務づけられております。一方で、植栽帯は、緑の保全や景観の観点からは不可欠でありますが、交差点付近、特に横断歩道の近くに整備された植栽帯が車両からの視界を遮り、車両の一時停止が守られづらい箇所が市内に多数見受けられます。特に夏場は、低木の伐採や除草が追いつかず、見通しが悪くなっている箇所を複数確認しております。

■質問2(田中まさたけ)
 植栽帯が視界を遮り、信号もなく、歩行者の存在が確認しづらい状況になっている交差点の対応について、植栽帯の撤去や剪定の頻度を増やすなど、歩行者の安全対策を強化するべきと考えますが、市の見解と対応をお尋ねいたします。

■質問2に対する市の回答
 市では、植栽帯の低木を樹種に応じて年間1回から2回の頻度で刈り込みを行い、通行車両や歩行者の視界の確保に努めております。通常、植栽帯の低木は、路線全体で同じ高さに合うよう刈り込んでいますが、交差点部では、事故防止の観点から特に視界の確保は必要であり、交通量が多い路線などで低木を一般部より低く刈り込むようにしております。
 議員御指摘の横断歩道部においても、視界の確保が必要であることから、今後は、交差点部と同様に低く刈り込みを行い、事故防止に努めてまいります。

====ここまでが本会議場での議論の概要====

 人道橋の復活については、一度は周辺の自治会にも説明したうえで撤去を決めたわけですから大変ハードルが高いことは理解できます。しかし、撤去後に児童をはじめとする歩行者の安全が脅かされている状況は放置できませんので、まずは広田橋の安全対策について検証を進める必要があると考えています。

 植栽帯の管理については、市の回答にありました対応の効果について、今年の夏に改めて検証したいと考えています。

 そして、高齢化が進む中、子供たちの安全のためにも、歩行者の交通安全についてはこれからも重点的に取り組みたいと考えていますので、引き続き、現場に出ながら情報収集に努めたいと思います。

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