歩道のフラット化ー歩行者空間の確保

2005年6月20日[カテゴリ:交通安全, 質問

私の初当選直後の
平成15(2003)年6月議会において、
歩道のフラット化について取り上げました。

西宮市では、
ベビーカーを押す子育て世代が増加しています。
また、
きたる高齢化社会への対応として、
住民にとって身近な場所でバリアフリー化について、
議論しました。

=====ここから、本会議場での議論の概要======
■田中の主張
フラットな歩道の整備など
身近な生活空間でもバリアフリー化をすすめるべきと考えます。
ベビーカーを押して歩いていると、
(せっかく歩道が整備されているのに、)
意味をなしていない(歩きづらく利用できない)歩道が
市内各所で見受けられます。

市民からも、
特定の箇所について数カ所ですが、
(危険であるとの)御意見もいただいている箇所もあります。
本日は、そうした特定の箇所の対応ではなく、
全市的に取り組むべきこととして取り上げたいと思います。

歩道を設置するスペースがなく、
歩行者が危険な思いをして通行しなければならない道路も
市内には、まだたくさんあります。
一方で、
歩道をせっかく設置している場所でも
歩道幅が狭く、電柱が邪魔になるなどして
すれ違いの際などには結局段差を一度おりないと通行できない箇所もあります。

そうした箇所に、
車輪を乗り上げて路上駐車している車があれば
その車をよけて大幅に車道にはみ出して
通行しなくてはならない状況となり、
大変危険な状況
と言えます。

また、
雨水排水の関係で
傾斜のついた歩道も幅の狭い歩道では傾斜が急になり、
車いすの方が自力ではまっすぐ通行できない箇所もたくさんあります。

いわゆるマウンドアップ型の歩道では
民家やビルの駐車場の出口では
一度車道と同じ高さまで下げてまたもとの高さまで戻る、
このアップダウンのため、
通行しにくくなっている箇所も多数見受けられます。

そこで、
最近では一部で見受けられますが、
縁石や緑地帯で車道と区切った
歩行者通行部分に凹凸のないフラットな歩道の整備を
全市的に進めていくべき
と考えます。

地域によっては、
歩くスペースが確保されていない道路や
歩道をつくるスペースがあっても整備されていない道路がある中で
歩道があるだけでもましだと言われるかもしれません。

しかし、
歩道が設けられたところでも
使いづらい歩道であれば
(マウンドアップ型の歩道を設置せず)
段差がない方がまだましな箇所もたくさんあります。
縁石のみであれば
乗り上げて駐車できないため、
違法駐車の減少に役立つ箇所もあると考えられます。
全市的に一気に既存の歩道をやり直し、
新規の歩道もつくっていくというのは
現在の財政状況では難しいとは思います。

■質問
道路を補修する際に、
その箇所だけでなく区間を少し延長することで
例えば生活道路でいえば、1区画分だけでも延長して
徐々に切りかえていくことは考えられないものかお尋ねします。

■回答
歩道の形式には、
車道と歩道を分離するため段差を
15から20センチ設けるマウンドアップ型と
段差を5センチ程度にするセミフラット型があります。

市内の歩道総延長は約310キロメートルでして、
そのうちの9割以上はマウンドアップ型
となっています。
御指摘のように、
このマウンドアップ型歩道の場合、
歩道幅が狭く、
沿道への車の乗り入れなどによる切り下げが多い箇所では
歩道が縦断方向に波打ったり、
段差や傾斜のある歩道となりますので
歩行者が歩きづらい、自転車や車いすの通行にも問題が生じます。

このため、県では、
平成5年以降、セミフラット型の採用を標準とした技術規定に改正されましたので、
本市でもその後都市計画道路の
甲子園段上線、山手幹線、鳴尾御影西線、車庫北線、北口線などでは
このセミフラット型歩道で整備
しています。

今後も、
都市計画道路等の整備に当たっては
セミフラット型歩道によることとしています。

お尋ねの既存のマウンドアップ型歩道を
セミフラット型に改修することについては、
歩道を切り下げるかまたは車道のかさ上げが必要になります。
地先宅地の高さや塀などの工作物等への影響が大きく、
住民の同意が得がたいことや
多額の工事費が必要になることから、
本市の財政事情等を勘案しますと実施することは困難
でありますが、
将来大規模な改築が生じましたときは取り組んでまいりたいと考えています。
段差、傾斜等のない安全な歩道の整備は、
健常者はもとより、高齢者や身体障害者が
自立した生活を営む環境づくりのために不可欠であると認識しています。

このため、本市では、
平成2年度より
交差点部における歩道の段差解消などを行う
歩道改良事業を継続的に実施してきており、
今後も引き続き取り組んでまいりたいと考えています。

■まとめ・要望
今後整備していく大きい道路(都市計画道路)に関しては
セミフラット型の歩道の整備をすすめるとの回答でした。
回答のとおり、
財政難ということがあってなかなか厳しいとは思いますが、
生活道路の歩道についても、
(交差点部分だけではなく、歩道の波打ちや歩道の傾斜の解消など)
改良を検討してもらえるよう要望します。

======ここまでが、本会議場での議論の概要======

道路整備や改良の際の歩道の形状に関する方針を明示するとともに、
計画的に歩道の改善に取り組めるよう、
まずは、
財政難の解消に全力で取り組まなければならない と痛感しました。

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