市営住宅ー家賃滞納対策の強化

2005年6月19日[カテゴリ:市役所改革, 質問

平成15年6月議会 一般質問より

■主張
第2次行財政改善計画では
市営住宅の滞納金額を減らすことを盛り込んでいます。
まだまだ思うようには進んでいないように感じます。
現在、滞納額が8億円を超えており、
市民の感覚として市営住宅の取り立ては甘い、
よほどのことがないと出ていかされることはないので
まじめに払ったほうが損だと考える、
いわゆるモラルハザードがますます進み、
まだまだ滞納額がふえる可能性もある
ように思います。

■質問
まず、ここ数年の滞納額の推移をお教えください。

■市の回答
市営住宅の家賃滞納は、
平成15年5月末現在で滞納額は8億5,825万9,000円、
滞納件数は2,421件となっています。

最近の家賃滞納状況の推移を見ますと、
平成10年度で4億7,290万8,000円、
11年度で5億6,005万4,000円、
12年度で6億5,911万8,000円、
13年度で7億4,027万6,000円となっています。
前年度比では7,700万円から9,900万円の間で増加
しています。

■主張
現在、阪神大震災の被災者の需要が続いており、
かつ、長引く不況の影響や少子高齢化の影響もあって
市営住宅の需要が年々高まり、
毎回入居募集の際には高倍率になっているのが現状の中で、
入居希望がかなわない方にとっては
現在入っている方の何カ月にも及ぶ家賃の滞納は許せないことです。
そこで、
料金徴収業務を民間業者に委託することを検討するべきです。
現在、滞納者がふえているということは、
職員だけではなかなか小まめな請求、
指導ができていないのではないかと思います。

■質問
水道局は料金の徴収業務を民間に委託していますが、
市営住宅のそうした指導も含めた料金の徴収業務を民間に委託することはできないのかお伺いいたします。

■回答
本市では、平成14年度より滞納の催告などの業務を
都市整備公社に委託していましたが、
滞納の早期回収と滞納者への対応を強化するため
平成15年1月に住宅家賃等滞納対策室を設置し、
滞納解消に向けた取り組みをしたところです。

御指摘のとおり、民間にも委託することは可能です。
しかし、委託できる内容に限度がございます。
支払いが得られない場合の住宅の契約解除、
明け渡し請求等の業務は委託できないことになっています。
このため、市が主体的に責任を持って(徴収に)あたり、
滞納の解消を図ることとしたところです。

■主張
例えば電話はもちろんのこと、
電気やガスなどは2カ月から3カ月も滞納すれば使用をとめられ
たちまち生活ができなくなります。
何カ月も家賃を滞納している世帯でも、
その辺の料金の支払いはできているものと考えられます。
少し汚い言葉になりますが、市はなめられているわけです。
市営住宅が福祉政策だといっても、
入居する段階で毎月幾ら払っていただくと決めて入居していただいているわけですし、
一軒一軒の経済状況を見て、基準に基づいて家賃の見直しも行っているはずです。
市には家賃も電気やガス代と同様徴収する権利、
入居者には払う義務があるわけです。
ですので、電気やガス同様、
家賃を何カ月か滞納すれば自動的に何らかの措置が図られる基準、
ひいては退去願うといった手続をきちんと行うべきではないでしょうか。

その辺をきちんと管理すればモラルハザードは防げるのではないかと考えます。

■質問
そうした確実な徴収のための方法の検討はお考えなのか、伺います。

■回答
本市もその必要性を痛感しています。
滞納家賃の解消については滞納処理基準を見直し、
滞納額30万円未満は半年以内に、
30万円を超える場合は1年以内に納付を求め、催告を行うとともに
滞納初期であっても滞納月数が6カ月を超えて納付が得られない場合には
順次住宅の契約解除予告を行うなど
家賃の滞納が長期にならないように対応しているところです。

また、家賃滞納が高額となり市の催告に応じず、納付が得られない者については
入居者負担の公平を期すためにも毅然たる態度で臨み、
住宅の明け渡しを求めるなど法的措置を講じています。

滞納対策室設置後の6カ月の間に
約1,600件の催告などを行い、約580件の納付相談を受けています。
平成15年1月より3月末までの家賃滞納者の納付状況については、
14年度分は7,485万9,000円、過年度分は1,453万3,000円でした。
滞納家賃の月当たり平均収入額は、滞納室設置前後を比べてみますと、
設置前は378万3,000円、設置後は726万6,000円となっており
収入率が1.9倍となっている
など、一定の効果があらわれていると考えています。
今後とも滞納解消を目指し、より一層の努力を重ねてまいります。

■要望
今年の1月からようやく取り組みの方を強化されたということで、
まだ半年ですので、今後の動向を見守らないといけないと思います、
小まめな丁寧な指導が必要であることを学びました。
2,421件の滞納者がいるということですが、
その方々に適正な指導をお願いしておきます。

=====ここまでが本会議場での発言の概要=====

近年の滞納額が大きく上昇していることが判明しました。

そして、徴収業務を民間に委託するのではなく、
今年の1月から市がようやく取り組みを強化したということで、
まだ半年しか経過していないにもかかわらず、
収入率が1.9倍になるという効果を上げていることが分かりました。

本来支払われるなければならない負担金の徴収業務が
まさに「お役所仕事」としてされてきたことの結果といえます。

公務員にとっては懸命に徴収しても他人のお金、
払ってもらえなくても、倒産するわけでもない、
そうした意識が露呈したと言っても過言ではないと思います。

今後の動向を注視したいと思います。

■最終目標
市営住宅家賃等各種負担金の滞納の解消

■講じるべき手段
徴収業務の民間委託
各種負担金の滞納対策の強化

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