高齢化に関する将来ビジョンの策定をー平成24年12月議会一般質問

2013年2月22日[カテゴリ:質問

地域包括ケア体制を市民と共に構築していくためには、福祉に関する課題を市民と共有し、将来ビジョンを示していくことが重要と考えています。

平成24年12月議会で将来ビジョンの策定について政策提言し、議論しました。
こちらのコラム(←クリックするとコラムが開きます。)と合わせてご覧ください。

======ここからが、本会議場での議論の概要======

3.今後の高齢化の対応について
ウ)長期的ビジョン
■質問の背景と田中の主張

現在、国では、社会保障と税の一体改革の議論がされております。

図6(←クリックするとPDFファイルが開きます)には、介護保険特別会計の歳出総額と老人福祉費のうちの消費的経費、そして、高齢者に対する医療費助成額の合計の推移と要介護認定者数の推移を、それぞれ介護保険制度が始まりました平成12年度から現在平成23年度までのグラフを掲載致しました。

グラフのとおり、平成12年度から平成22年度までの推移として、要介護認定者数は、これまでの10年間で2,003人から1万4,916人とほぼ倍となって、費用の総額も、約123億円であったものが平成22年には約249億円とちょうど倍となっております。
今後、高齢者人口が増加し、財政負担については、本市においても大きく増加することは避けて通れないことは明白です。

しかしながら、
長期的な視点での今後の必要財源は示されていないことから、必要となるであろう一般財源を試算するとともに、財政の硬直化の改善に取り組み、将来に備える必要があると考えます。

また、
超高齢化に対応した福祉の体制を構築するにあたって、特に在宅医療のニーズが高まるなど、医療環境の整備も避けて通れません。
現在、西宮市立中央病院の移転問題を検討しておりますが、市立病院を設置運営するだけで医療に関する公的な役割を果たしていると言える時代ではありません。
都道府県の各種医療計画をもとに、これまで都道府県に任せきりにしていた医療政策について、市が実施している医療政策等を一元的に把握し、今後の医療環境について、将来像と課題を洗い出し、市も展望を描き、民間の医療資源と協働しながら、地域医療体制の充実を図る必要があると考えます。
 
そして、県は、本年4月に、少子高齢社会福祉ビジョンを策定しました。
これは、住民、地域団体、福祉関係者、企業、行政などの行動指針として、高齢者、障害のある人、子供・若者・子育て世代、地域社会の4分野に関して、2040年の姿を示し、2020年への目指すべき社会像が示されております。
本市でも、今後は、各政策において、ますます高齢化を明確に意識した政策推進が必要と考えますが、市の長期的なビジョンが不明瞭であるため、様々な政策において高齢化への対応が意識されていないものが多く見受けられます。
今後、大きく変化すると思われる医療環境や介護体制については、今後の10年間で長期的なビジョンのもとで取り組みを進めなければ、2025年問題に対応できなくなると危惧しております。
目先の対応に追われ、想定される問題点を先送りにすることは、将来世代へツケを回すことにつながると考えます。

■質問
2025年問題が取り沙汰されておりますが、本市が実際にどのような状況になるのか、具体的なイメージができない状況にあります。県が行っているように、長期的なビジョンを市民に対して明示することで、安心して高齢者が暮らせるまちづくりを進めるべきと考えますが、市の見解をお尋ね致します。

■市長の回答
まず、国におきましては、
社会保障と税の一体改革に関する議論の中で、長期ビジョンとしての医療・介護サービスの強化が示されており、地域包括ケア体制の構築により、どこに住んでいても適切なサービスが受けられる社会の実現が掲げられております。
また、兵庫県におきましても、本年3月に、少子高齢社会福祉ビジョンを策定し、長期ビジョンとして高齢者を取り巻く将来像を掲げております。
 
また、本市の状況でございますが、2025年における75歳以上の高齢者が現在の1.7倍になると推計され、著しい増加が見込まれているなど、日本全体の高齢化と同様の状況にございます。
そのようなことから、本市と致しましても、高齢者福祉計画・介護保険事業計画において、国や県が掲げる高齢化に対する長期ビジョンの考え方を取り込むなど、長期的な視点に立った計画策定に取り組んでいるところでございます。

本年3月に策定致しました本計画におきましては、国が長期ビジョンとして掲げております「地域包括ケア体制」の構築を重要な取り組みとして位置づけており、県ビジョンで掲げられている「医療・介護の連携体制の整備」などにつきましても、地域包括ケアの推進における具体的な取り組みの一つとして進めていくこととしております。
 
この地域包括ケア体制につきまして、国は、往診する医師、看護師や訪問介護のヘルパーなどが30分以内に駆けつけることのできる範囲の中で、ネットワークを組んで24時間対応するというビジョンを提示しております。
しかしながら、現在、往診のできる医師が不足していることや、夜間の介護における課題から、24時間対応の訪問看護・介護事業への参入が進んでいないことを初め、様々な問題がありまして、必ずしも順調に進んでいるとは言えない状況にございます。
 
本市におきましては、このような国のビジョンをより現実的なものとして具体化していくために、地域の医療・介護現場で実際に活躍している関係者が集まり、医療・介護の連携体制のあり方について、問題の洗い出しや課題整理を行っております。
また、
西宮市医師会との間におきましても、本年度から定期的に勉強会を持ちまして、地域包括ケア体制における地域医療のあり方につきまして研究検討を始めたところでございます。
このような地域の実情を踏まえました検討の中で、国の示すビジョンをより具体化して、本市独自の現実的な医療・介護ビジョンを次期計画の第6期(介護保険事業)計画を策定致します。平成26年度までに構築していきたい、このように考えております。
 
以上のように、
高齢者施策を進めるにあたりましては、本市の医療・介護ビジョンの将来像がイメージできますよう、長期的な視点から検討し、地域の実情を踏まえた現実的な検討の中で具体化することによりまして、高齢者が安心して暮らせるまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。

■意見・要望
今後何をしていかないといけないのかということが、私には見えてきておりませんでした。将来的なビジョンがなかなか見えてこないということで、今回の質問で取り上げました。

「現在の介護保険事業計画の中でも、国のビジョンなどを取り込んでいる」というお答えがありましたけれども、資料を見る限りでは、そういったことが見えてきません。ですので、今後、具体的な将来像を明示をしていただく必要があると思っています。
必要財源についても数字が必要だと思いますし、今後の人口推計を分析しながら、その数字がどうなっていくのかということを示していただきたいと思います。
そして、その数字をもとに、各部署で将来ビジョンを共有しながら、今後の政策推進に生かしていくという体制、今後の高齢化に向けた取り組みが必要だと思いますので、ビジョンを全庁で共有して政策を推進して頂きたいと要望致します。

=====ここまでが、本会議場での議論の概要=====

平成26年までに「国の示すビジョンをより具体化して、本市独自の現実的な医療・介護ビジョンを次期計画の第6期計画を策定する」との回答を得ました。その結果を見たいと思います。

平成24年12月議会一般質問での大きな3番目の項目「今後の高齢化の対応について」の議論の概要は以上です。

記事一覧