家庭の教育力とPTA活動ー平成27年12月議会一般質問

2016年3月25日[カテゴリ:子育て・教育, 質問

前のコラムの続きです。

PTAの活動について、いろいろな声が聞こえるようなりました。元々は、わが子のための活動であるはずなのですが、実際に平日の昼間に活動をしてきたのが女性に偏ってきたこともあり、時代の変化に適応させていく必要があるように感じています。

不登校に関するご相談を受ける中で、子供を取り巻く課題については、基本的には家庭と学校との対応力が重要となると感じ、平成27年12月議会では、家庭の教育力の向上、問題への対応力の向上の観点から、PTA活動の活性化について市教育委員会の取組みを問いました。

========ここから、本会議場での議論の概要========

平成27年12月議会一般質問

1.子育て・教育環境の向上について
ウ)学級崩壊・不登校問題と家庭教育支援
■質問の背景・田中の主張
昨今、子供に関する問題解決を学校に頼る風潮がどんどん強くなってきているように感じます。しかし、学校で発生している学級崩壊や不登校などの諸問題は、家庭での教育力の低下も大きな要因になっていると考えられます。

子供の自立に向けたしつけや情操教育は、各家庭での教育に委ねるほか方法はありません。

例えば、子供が勉強に興味・関心を寄せるような家庭での学習補完などの習慣は、親子のコミュニケーションの機会を増やすことにもつながり、学級崩壊や不登校に陥る原因の早期発見にもつながると考えます。

ところが、平成27年3月に社会教育委員会議から出されました
「「西宮市における家庭教育支援の在り方について
という意見書の内容も、
(↑クリックしてご参照下さい)
親、家庭に役割を求めるよりも、地域の取り組みに期待する内容となっております。が、
私は、家庭の教育力の向上のためには、保護者の意識の向上が必要であり、
保護者、家庭が主体となるような取り組みが必要と考えます。

教育に対する親の意識を高めるという観点で、改めてPTA活動に着目すると、
最近は煩わしいと感じる保護者が増加している様子であり、
そうしたところにも家庭での教育力の低下の影響が表れていると思われます。

まずは、PTA活動の活性化を促す事業を実施することで、
家庭での教育力の向上につなげていくことも可能ではないかと考えます。

■質問
PTA活動の活性化や家庭教育手帳など家庭教育情報誌の効果的な配布、そうした家庭での教育力の向上に向けた具体的な取り組みを実施するべきと考えますが、市の見解と今後の対応をお聞かせください。

■回答
近年、核家族化やひとり親家庭の増加などに伴い、家庭の中での子育てを支え合う機能が乏しくなってきており、家庭だけで子供に関するさまざまな課題を解決することが難しくなってきている状況が見られます。

家庭は、子供の健やかな育ちの基盤であり、全ての教育の出発点であることから、家庭の教育力向上のために、保護者対象の家庭教育講座や講演会を開催したり、年2回発行する広報啓発誌を市内全ての公立、私立の幼稚園、保育所、小学校、中学校の保護者に配布したりしております。
しかしながら、保護者の関心の違いなどから、講座や講演会の参加者に偏りが生じる傾向も見られることから、より多くの保護者に参加を促すため、開催方法や啓発の仕方など、さらに工夫が必要であると考えております。

また、社会全体で家庭教育を支えていく必要もあることから、家庭教育にかかわる各種団体などで構成する西宮市家庭教育振興市民会議において連携と情報共有を図り、それぞれの団体の地域活動などが家庭教育支援に結びつくような働きかけをしております。

議員御指摘のとおり、保護者や教師などがともにつながり、連携し合うPTA活動の活性化も、家庭での教育力向上につながるものと考えております。そのため、PTA協議会では、市と協働で研修を実施し、会員に、活動趣旨を正しく理解して、その活動に積極的に参加してもらうため、PTA活動の手引の見直しを進めているところです。

さらに、市では、PTAサークル活動の充実のために、バレーボール大会やコーラスの集いなど、サークル活動の成果を発揮する大会や発表会の支援も行っております。

今後も、市の家庭教育に関する主催事業のあり方の再検討や広報誌を充実させるとともに、西宮市家庭教育振興市民会議の参加団体間の連携強化や、PTA活動の活性化を図ることで、家庭の教育力向上を進めていきたいと考えております。

■まとめ・要望
家庭教育は非常に重要な課題であると、私は感じているのですが、今日の答弁を伺っても、まだ漠然としている状況です。
現在、家庭教育の取組みも多数実施しているのですが、意識の高い方がそうしたイベント等に参加して、より意識を高めていただくという状況かと思います。

もう少し意識を持ってほしいなという方は、そういうイベントにはなかなか参加されない、できないという状況に陥っているのではないかと感じますので、そうした方々にどのようにして参加して頂けるかということを考えたときに、今日は「PTA活動」というところで具体例を取り上げました。

前向きの御答弁をいただきましたので、今後の動向を見守りたいと思います。

=======ここまでが、本会議場での議論の概要========

現在、家庭教育に関する取り組みが多数行われる中で、もう少し意識を持ってほしい方々にどのように働きかけるべきかということを考え、今回は、保護者同士のつながりの中で、口コミなどで教育に対する情報交換が期待できるPTA活動の活性化を具体的に取り上げました。

今回の答弁を聞くと、課題が多いことが何となくしか認識できていないことから、取組みについてもまだまだ漠然とした回答しか返ってこないように感じました。
PTAの役割を理解してもらうことも大切ですが、現代の日本において、家庭教育に求められることはいったい何なのかも、もう少し明確にしなければならないと感じました。

家庭教育について、今後、さらに具体的な政策展開が必要な分野だと考えていますので、さらに、調査を進め、政策提言したいと考えています。

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