放課後子ども教室の拡充ー平成24年9月議会一般質問

2012年11月9日[カテゴリ:居場所づくり, 質問

平成24年9月議会において、子供の居場所づくりを取り上げて議論しました。

「子供の居場所」と一言で言っても、年齢や保護者の就労の状況など、育つ環境によって必要な居場所は異なります。

そこで、今回は主に室内・・の居場所に限定して、

ア)主に小学生の居場所となる「放課後子ども教室」
イ)主に未就学児童の居場所となる「児童館」
ウ)幼児教育の視点からの居場所づくり
エ)学校施設を活用した居場所づくり
オ)留守家庭児童育成センター(学童保育)

の視点に分けて議論しました。

順次、内容を掲載します。

======ここから本会議場での議論の概要=======

平成24年9月議会一般質問

1.子供の居場所づくりについて
ア)放課後子ども教室の拡充

■質問の背景
この件につきましては、私は、2年前、
平成22年12月議会でも取り上げました。
↑クリックするとご覧頂けます。

その後、平成23年3月に西宮市青少年問題協議会が「子育ち、子育てを応援するまちづくりをめざして」(←クリックするとご覧頂けます。)という提言を発表し、そして、今年1月には、社会教育委員会議から「子どもの夢を育む居場所づくりに必要な社会教育の役割について」(←クリックするとご覧頂けます。)という答申が発表されております。

いずれの中でも、子供の居場所づくりの方向性や取り組みが示され、共通して「市民力」というフレーズが使われております。これらの内容を市として具現化するためには、さまざまな角度から課題を抽出し、これらを計画的に解消していくことで、着実に提言の内容を実現していく姿勢が求められると思います。

放課後子ども教室の平成23年度の実施状況及び内容、そして、平成24年度の実施予定は、表1のとおり(←クリックするとご覧頂けます。)となっており、自由遊び型、イベント・教室型、学習支援型など、実施形態は地区によってさまざまですが、全体で平成23年度には736事業、そして、今年度は1,190事業に増加する見込みとなっております。

前回の質問以降、翌年度には、人員を強化され、従来の校庭開放事業を切りかえて、これだけの事業が実施できる状況になったことをまずは評価しております。

しかし、滞在型を目指すとしながらも、瓦木以外はまだ事業型で実施されており、回数についても、0回の地区から年間128回の地区まで、各小学校区でばらつきがございます。地域主体で取り組まれている現在の放課後子ども教室は、担い手の確保の問題から、滞在型の実現までの道のりはまだまだ険しく、このままでは継続も危うくなるのではないかと危惧しております。

■質問1
意欲的に取り組んでいただいている地域に対して金銭的負担をさせるような事態は避けなければなりません。拡充の方向で施策を進めて頂いておりますが、来年度においても委託回数を拡充する用意はあるのか、また、市は地域へのサポートを継続する考えはあるのか、お尋ね致します。

■質問1に対する教育委員会の回答
放課後子ども教室は、これまで各地区青少年愛護協議会と、開設日時、対象学年、実施場所、活動内容など、その実施方法について個別に調整を行いながら、拡充を図ってまいりました。

平成23年度は、市内39地区青少年愛護協議会のうち27地区において、年間の実施計画日数736日を委託し、その結果、子供たちの延べ参加人数は2万7,871人、1日平均で約38人の参加がございました。また、24年度につきましては、未実施のところは4地区ございますが、他は全て実施しており、全体で35地区、1,190日の実施予定で、前年度に比べ、8地区、454日の増加となっております。年間の実施計画日数40日以上が11地区ある一方で、20日未満が15地区、うち10日未満は7地区と、地区によって差がございますが、事業数の差にかかわらず、それぞれに価値ある取り組みがなされており、皆様に喜ばれております。

放課後子ども教室は、重要な地域課題である子供の居場所づくりの一つと考えており、今後も事業の定着と拡充に向けたサポートに努めてまいります。

■質問2
継続性の観点からも、今後の拡充のためにも、地域の方を安全管理員や学習アドバイザーとして確保するために、有償ボランティアの謝金等を用意すべきと考えますが、見解をお尋ね致します。

■質問2に対する教育委員会の回答
現在、安全管理員には時間単価500円、学習アドバイザーには時間単価1,000円をそれぞれ上限とする謝金基準を定めており、この謝金は運営費の一部として組み込んでおります。謝金の取り扱いにつきましては、実施する事業の実態に応じて運用されており、各地区によって異なります。地域活動へのかかわりの多くが無償であることや、地域には放課後子ども教室も地域活動の一つであるといった意見もあり、こうしたことから単価の増額については考えておりません。今後、実施日数の増加など事業を拡充させるためには、さらに安全管理員や学習アドバイザーが必要とされることから、こうした点も含め、教室の運営に必要な経費の確保について検討してまいります。

■質問3
子供たちに実体験を提供する講師や学習アドバイザー等を確保するために、この事業と人材を結ぶ仕組みづくりが必要と考えますが、市の見解をお尋ね致します。

■質問3に対する教育委員会の回答
各地区青少年愛護協議会では、子供たちに実体験を提供する講師や学習アドバイザーなどをみずから探し、確保されておられます。こうした状況を踏まえ、行政として地域を支援するため、社会教育課では、事務職の担当職員が各地区を訪問し、相談に応じているところでございますが、平成23年3月に教育委員会が公立小学校40校の1年生から5年生の保護者を対象に行いましたアンケート調査(←クリックすると平成22年9月議会の議論がご覧いただけます)
によりますと、放課後子ども教室の担い手として市が雇用する専門職員を望む人が回答者4,776人のうち1,223人、元教員を望む人が998人と、有資格者を求める声が数多くございました。

これは、放課後子ども教室をボランティアの力だけで継続的に企画運営することに対して、安全面や活動内容においてさまざまな不安が地域にあるものと考えております。教育委員会と致しましては、各地区の御意見もお聞きしながら、元教員など専門知識を持った方を有償ボランティアのコーディネーターとして配置するなど、事業と人材を結ぶ仕組みづくりについて検討してまいります。

■意見・要望
定着と拡充に向けて非常に前向きな御答弁を頂いたと思っております。

専門の職員の方が地域に出向いて、地域の皆さんに対するアドバイザーとして、コーディネーターとして、いろいろな活躍をされています。そうした努力のもとで、今日の資料のような状況になってきました。これは地域の方々の協力があってこそできることでございます。

今日は教育委員会から放課後の小学生の過ごし方について御答弁頂きましたけれども、見守りがないと、この御時世、なかなか居場所とは言いにくいという面がございますし、午前中には警備員をつけて、学校内の安全を確保しています。ですので、放課後は地域の方に御協力を頂いて、見守りをして頂きながら、学校を活用していく必要があります。

この事業については、聞きなれない言葉が出てきます。安全管理員や学習アドバイザーなどについては、地域の方に見守ってもらう、勉強を教えてもらう、そういった方々のことです。また、教育連携協議会という言葉も出てまいりました。これも聞きなれない用語ですので、地域の方にとってはイメージがつきにくい内容だと思います。私自身も、まだ完全には理解できている状態ではありません。

ですので、放課後の子供たちの居場所づくりについて、是非とも学校の方々にも御協力を求めて頂きたいと思います。

この件につきましては、特に予算並びに人の配置が求められますので、財政当局に対しましても、来年度も拡充できるように予算をつけて頂きますように要望しておきます。

=======ここまでが本会議場での議論の概要========

平成22年9月議会での提案により、保護者を対象としたアンケート調査を実施して頂けることとなり、その保護者の声がさらに、充実した体制整備へと動かしたことが確認できました。着実に政策は動き、発展しています。

そして、放課後子ども教室については、地域(概ね各小学校)によって、やり方は異なってきます。どれが正しいという姿もありませんので、子供や保護者のニーズと地域のやり方に差異がある場合もあります。

今後も、協力して頂いている地域の方々の活動を尊重し、市にバックアップしてもらうことによって、より充実、発展した事業とできるよう政策を提案してまいります。

次は、「未就学児童の居場所づくり」としての「児童館機能●●」の拡充について掲載します。

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