各種支援の実績の情報開示ー支援の実効性の検証

2020年4月19日[カテゴリ:コラム, 危機管理, 商工政策

先日のコラム(←クリックするとご覧いただけます、)で掲載しましたが、国とは別の兵庫県「独自の支援」の内容が発表されました。

休業要請事業者経営継続支援事業

(兵庫県ホームページより抜粋)
〇対象者
(1)、(2)、(3)のいずれも満たす県内に事業所を置く中小法人及び個人事業主
(1) ①特措法に基づく休業要請、②特措法に拠らない協力依頼(100㎡超~1,000㎡以下等)、③営業時間短縮の依頼(飲食店)に応じた事業所
(2) 売上が令和2年4月において前年同月対比50%以上減少している事業者等
(3) 事業を休業していること

〇支援金の額
中小法人1,000千円、 個人事業主500千円
ただし、飲食店及び旅館・ホテルについては、
中小法人 300千円、個人事業主150千円

事業費の3分の1は市が負担することになります。
申請事務に要する市の経費は、県が全額負担となります。

申請開始時期については、明らかにされていません。

これまで25年間、阪神淡路大震災以降、財政の健全化に取り組み、このような危機、災害対応に備えて基金も蓄えてきたわけですから、対応は可能だと思っていますし、このような時こそ役立たせてもらう財源だと思っています。

今後も、新型コロナウイルスの影響を受け、困った方の支援に積極的に取り組まなければならないと考えています。

また、遅くなりましたが、4月3日に西宮市議会災害対策支援本部を通じて行った市に対する質問と要望に対する回答(4月9日現在)は、以下のとおりでした。

======質問(4月3日)と回答(4月9日(木)15時)=====
6.経済対策について
■質問
〇各種融資制度の利用状況について、3月の融資件数や金額など、利用の状況をお尋ね致します。
■市からの回答
市が独自に実施している融資制度は8種ありますが、3月についてはそのうち「小規模事業資金」について15件の申し込みがあり、その融資総額は30,500 千円となっております。
ただし、金融機関からの事績報告は4月中旬頃となる見込みで、左記融資が確実に実行されたかどうかは不明です。また、新型コロナウイルス感染症の拡大を理由とした融資の申し込みか否かも併せて不明です。
なお、中小企業信用保険法によるセーフティネット保証などに係る相談数、認定数ついては以下のとおりです。
令和2年3月相談件数合計552件、セーフティネット認定数213件
(相談の内訳)
融資相談:59件
セーフティネット:455件
その他:38件

■質問
〇緊急融資のみではなく、返済の必要ない助成金(営業自粛への協力に対する助成金)も検討しなければならないのではないかと考えておりますが、市の見解をお尋ね致します。
■市からの回答
国で中小・小規模事業者や個人事業主を対象に助成金制度の創設を検討しています。つきましては、国の動向を注視してまいります。

====ここまでが、文書による質問と回答=====

支援策は用意はされてるものの、実際に困った際に使えないことがよくある、というイメージをもたれてしまっています。
ですので、4月3日に融資制度の実績を質問していました。

本当に役に立つ制度になっているのか、実効性を常に検証する姿勢が必要であると考えています。平時であれば、市議会での決算審査がその作業になるのですが、現在は緊急事態であり、一刻を争う時期ですから、迅速にデータを取り寄せ、開示していただきたいと思っています。
回答は、上記のとおりですので、金融機関からの事業報告を待つしかありません。

また、個人に対する支援も同様です。
国によって、個人に対する支援、融資についても開始していますが、国によって用意されている支援制度が、実際には受けられないケースがあるという心配がつきまといます。
新型コロナウイルスに対する不安を抱える中、せめて、国民が経済的な不安を抱くことのないよう、情報収集によって実効性を確認し、問題があれば迅速に対応しなければなりません。

市が、以下のとおり、一般電話相談の件数をほぼ毎日把握して報告してくれていますが、その中で、国や県で準備されている支援が、様々な理由で受けられていないという相談があるようであれば、それらの件数によって実効性を判断し、市としてできる支援制度を考えるとともに、国や県に対して迅速に改善を要望する、市民を代表して議会としても意見書を提出していくということをしなければならないと思っています。

それが、市に対して情報開示を求めている理由の一つです。市にとっては手間がかかることかもしれませんが、市民のために是非ともお願いしたいところです。

そして、20日(月)に市議会災害対策支援本部役員会議が開催される予定となっており、下の会議報告にもあります通り、その際に、「新たな補正予算」が発表される模様です。
国や県によって、どんどん新たな対策が講じられていますので、それらの動きに対応するための予算と推察されます。
先日のコラム(←クリックするとコラム「GIGAスクール構想の早期実現を―ようやく西宮市の業務体制を見直し」が開きます。)で掲載したことですが、市独自の支援についても国や県同様、迅速な対応が必要です。

=====市の会議報告(4月18日(土)14時30分)=====
1.第57回 新型コロナウイルス感染症対策本部会議
・昨日(4/17)の検査結果は 18件中、3件が陽性であった。また、民間検査で1件の陽性があった(陽性は計4件)。
・本日(4/18)の検査では1件の陽性が判明した。
・電話相談件数
 健康医療相談が17日は152件。
 一般電話相談が17日は133件。(17日よりコールセンターでの件数)
生活一般相談窓口(コールセンター)では、給付金等の問合せがあった。
・本庁舎周辺の屋外喫煙場所の閉鎖を決定した。
・20日の市議会災害対策支援本部役員会議への報告事項(4月補正予算等)について協議した。

=====ここまでが4月18日(土)の報告=====

4月17日(金)から電話相談業務がコールセンターに移行されました。
受けた相談内容の報告をどのような形で受け、把握されているのか分かりませんので、確認する必要があります。

17日(金)に、市民からの情報提供に基づいて、「市立中央病院での院内感染対策」、「マスクの供給」、「感染した場合の不安の払拭」について、提案を交えた質問書を市議会災害対策支援本部を通じて市に提出しました。

18日(土)には、「市内の多くの子供たちが通園する私立幼稚園等での対応」、「小売店舗での感染拡大防止対策」について、質問書を提出しました。

=====市の会議報告(4月17日(金)21時30分)
1.第56回新型コロナウイルス感染症対策本部会議
・昨日(4/16)の検査結果は6件中、4件が陰性。2件が陽性であった。
・本日(4/17)の検査では4件の陽性が判明した。
・電話相談件数
健康医療相談が15日は108件、16日は120件。
一般電話相談が15日は151件、16日は123件、本日は16時点で123件であった。
融資等相談件数は15日が41件、16日が40件であった。
本日から一般電話相談がコールセンターに移行したが、今のところトラブルは無く順調にいっている。
・生活支援関連の制度を確認した。
・本日から消防車両や公用車で外出自粛を呼びかけるアナウンスを開始している。(~19 日迄)※来週も行う方向。
マスクや防護具など今後の確保策について検討した。

=====ここまでが4月17日の報告=====

経済的支援と感染拡大防止対策によって、なんとか現在の緊急事態を乗り切ると同時に、長期化が予想される新型コロナウイルスとの闘いに対応できる体制づくりを考え、実施していかなければなりません。

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